ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Mahler Sin 7 (5) Sin 7 von Feltz/Stuttgarter Philharmoniker

Mahler7feltz
はむちぃ: さて、長い長い前置きをようやく終えまして「マーラー5番勝負 Part II」も最終回、いよいよ課題CDのレビューでございます。パリンドローム様、大変長らくお待たせいたしました。
ゆうけい: どうだいみんなぁ、思いっきり引っ張っただろう~、さてこれからが本番、

ただし!

あまり期待し過ぎて、腹いせにキーボードぶったたいて壊さないでくれよ、俺は補償しないぜ~(^O^)
は: くまだまさしですか、あんたは(--〆)。どうせ長丁場になるんですから、早速アルバムの紹介にまいりましょう。気鋭の新進ドイツ人指揮者ガブリエル・フェルツ様のDreyer-Gaidoレーベルでのマーラー・チクルスの第一弾として発表されたアルバムでございます。

Gustav Mahler
Sinfonie Nr.7

Shtuttgarter Philharmoniker
Leitung: Gabriel Feltz


Live Recording, 23, und 24, April 2007
Liederhalle Beethovensaal, Stuttgart

ゆ: 早速脱線して申し訳ありませんが、ジャケットがレンブラントですな、それも代表作の一つ「夜警」では、あ、あ~りませんか!!
は: チャーリー・浜様のような驚き方をしないで下さいませ(-.-)、マーラー様がレンブラント明暗法を意識していた事は初回でも申し上げましたから、それを意識した採用なのでございましょうね。
ゆ: 一体いくら払ったんでしょうね~?
は: そっちですかい、興味は!
ゆ: まあ、フェルツのポートレートをジャケットにするよりは(以下略)

は: 気を取り直しまして、続けましょう。ではこのムダに長いレビューの流れからしまして、まずはフェルツ様が第7番を振るとどんな演奏になるのか、ご主人様に予想をしていただきましょう。
ゆ: う~む。。。。(--)
は: そんなに難しゅうございますか? 
ゆ: いや、適当なギャグを思いつかん、さすがにネタ切れじゃ。
は: 。。。。。(--〆)
ゆ: わ、分かったよ、そんなに怒らんでも(^_^;)。先ず思いつく特徴としては

ドイツ人指揮者がドイツの中核都市の新進オケで振っている
ライブ・レコーディングである
ドイツのマイナー・レーベルである

ということですね。ドイツの地方都市のオケをマイナーレーベルが録音してるからゴツゴツしてると言うのは先入観かもしれませんが、音色は骨太でしょうね。
は: それにライブですからテンシュテット様程でもないにせよ、結構ケレンもかましてくるでしょうね。
ゆ: そうですね、そういう意味で容易に想像できるのは明の第五楽章、ここは思いっきり派手に打楽器をかましてくるでしょう、おまけにライナーノートで

マーラーかて楽天主義で作曲するわ、そう解釈してなにが悪いねん!(小薮風)

と主張しておりますからな。
は: フェルツ様は関西弁はしゃべれないと思いますよ、それに小薮千豊も知りませんって(;一_一)。
ゆ: サイデッカー、ハイデッカー(独)。まあそれはともかくとしてはむちぃ君、先ずはこの第五楽章冒頭の90秒程度を他の演奏と聴き比べしてみて演奏・録音に関してこのフェルツ盤の立ち位置を探ってみましょうか。ではまず参考CDを挙げてくれたまへ。
は: かしこまりました、次の5点でございます。

Georg Solti / Chicago SO, 1971 Decca
Eliahu Inbal / Frankfurt Radio SO, 1986, DENON
Klaus Tennstedt / London PO, 1993, EMI
Michael Tilson Thomas / SFSO, 2005, SFS Media*
Valery Gergiev / London SO, 2008, LSO Live*
(*: SACD/CD Hybrid)

ゆ: オーソドックスなインバル盤、ライブの興奮を伝えるテンシュテットの両極を軸にして、過去の名盤としてショルティ、現代最先端の演奏としてトーマス盤、現在進行形のチクルス・ライバルのゲルギエフと言う布陣ですな、なかなか良くできた選択じゃ(自画自賛
は: ただ単にご主人様がお持ちの第7番を持ってきただけでございます(-_-)。それでは早速第五楽章冒頭、ティンパニの連打から弦の合奏、管楽器のファンファーレが鳴り響くあたりの聴き比べをお願いいたします。
ゆ: 了解です、演奏録音各5点満点、計10点で採点してみましょう。1点は☆、0.5点は★で表わしてみました。

Inbal: 6点 
 演奏☆☆☆
 録音☆☆☆

は: 先ずは基準としてInbal様の演奏・録音を☆3つと規定いたしました。
ゆ: 昔はDENONのデジタル録音が最先端だったけどさすがにもう古くなりました、でも今でもちゃんと聴けるいい演奏・録音だと思いますね。

Solti: 8点
 演奏:☆☆☆☆
 録音:☆☆☆☆

は: 今聴きましてもテンポと響きの見事な演奏でございます。
ゆ: シカゴ響得意の管楽器がメインの部分ですしね。録音もややドライですが信じられないくらい鮮烈で、さすがDECCAです。ちなみにマーラーに相応しい会場を探し続けていたデッカがやっと見つけたのがイリノイ大学クラナートセンターで、そこでケネス・ウィルキンソンにより初録音されたのがこの第7番なんですよ。
は: よくそこまでご存知でございますね(驚。
ゆ: ステサン169号に嶋護先生が書いておられるんですよ(^_^;)。

Tennstedt: 8.5点
  演奏:☆☆☆☆☆
  録音:☆☆☆★

は: 余命幾ばくも無かったテンシュテット様と彼を敬愛して止まなかったLPOの渾身の演奏でございますね。
ゆ: 正直なところここだけの評価ではない事をお詫びします。あまりにも感動的な演奏なのでここだけ聴いても第五楽章全体のイメージが鮮やかに浮かび上がってきてしまいます。録音もEMIにしては深くてしなやかな響きでライブの興奮を余すところ無く伝えていますね、やれば出来るじゃん、という感じです(^_^;)。

Thomas: 9.5点
 演奏:☆☆☆☆★
 録音:☆☆☆☆☆

は: おおっ、ここまでの最高点が出ました!
ゆ: 完璧な演奏と完璧な録音、これはCD層で聴いても他を圧倒しておりました。演奏に5点満点をつけなかったのは完璧すぎて何か物足りないという身勝手な理由でございます。これが現在における最高峰の指揮者&オケなのだと思いますね。
は: コンセルトヘボウのRCO LiveやこのSFS media、次のゲルギエフLSO Liveなど、最近はオーケストラ自体がプライベートレーベルで録音する時代でございますね。
ゆ: それも素晴らしい音質でね、The Times They Are A-Changin’ということですか。

Gergiev: 7点
 演奏:☆☆☆
 録音:☆☆☆☆

は: これはカリスマ・ゲル様でSACDと言う点を考慮しますと辛い採点でございますね。
ゆ: 申し訳ないけど合わないんですよね。演奏はやっぱり速過ぎるし金管はきついし。録音にしても同じ事で、客観的に見れば素晴らしい録音なんでしょうけど私にはとてもきつく感じてしまうんですよね。
は: なるほど、では最後にフェルツ様のご採点お願いします。

Feltz: 6点
 演奏:☆☆☆★
 録音:☆☆★

は: 6点はインバル様と同等で水準はクリアしているという結果でございます。
ゆ: 合計だとそうなりますね。演奏は想像どおりティンパニの強打を効かせた楽しい出だしだったんですが、驚いたのは録音の悪さですね。音場が極端に狭くて一瞬モノラルかと思ったほどです。一方で深さは結構あるので、京都の町家のウナギの寝床みたいな感じです。ホールトーンもあまり上手く捉えられていませんねえ 、響きが全体にくすんでいます。
は: 音場が狭い点はわざわざご購入いただいたどる様、MAO.K様も同意見でございましたゆえ、間違いないようでございます。しかし前回聴いた第6番はそれ程悪くありませんでしたのに不思議でございますね。
ゆ: そうですね、言い換えれば二回目で急速に進歩していると言えなくもないんですが、これがこのレーベルの初録音と言うわけでもないのにねえ。録音が第6番程度の質を確保していたら7点いってましたけど、まあ気を取り直して全体を聴いていきましょうか。

Nightwatch2
(The Militia Company of Captain Frans Banning Cocq by Rembrandt, 1642)

第1楽章 ランサム(アダージオ) ロ短調 → アレグロ・コン・フッコ ホ短調

Feltz: 21'47"
Solti: 21'35"
Inbal: 22'36"
Tennstedt: 24'07"
Thomas: 20'41"
Gergiev: 20'47"

は: 序奏はロ短調で弦が引きずるようなゆっくりとしたリズムを刻みますね。
ゆ: 第1番「巨人」と同じ、所謂ブルックナー開始なんですが、6番の出だしをさっさか入ったのに比べると随分ゆったりとしてますね。
は: まあ「ゆったりと」の指示が入っております故無理もございません。で、ホルンものったりと滑り込んできます。
ゆ: このホルンのごりっとした音色は良いですね~。マーラーがボートのオールを漕いでいて思いついたテーマらしいですが、その感じがよく出ています。
は: 続く第1主題はホルンとチェロが受け持ちます。
ゆ: 実はここからホ短調となり、転調を繰り返して最後はホ長調で終わるんですが、この転調の繰り返しと「急速に激しく」という指示がフェルツの指揮者魂に火をつけてしまいますね(笑。
は: グランカッサの強打を契機に急速にテンポが変わってトライアングルも入り込んでくるところなぞスリリングでございます。
ゆ: 第2主題は第6番の有名な「アルマのテーマ」を思いだすかのような美しいヴァイオリンの音色を強調したいところなので、予想通りねちっこく来ますねえ。
は: そのあたりは確かに美しくて良いのですが、再び展開部に入りますと打楽器が不気味に咆哮し、その後怒涛の終盤を迎えます。
ゆ: コーダに向かうあたりでの目まぐるしいテンポの変化は「悲劇的」第四楽章の演奏と同じようなあざとさを感じるほどですね。
は: 船酔いしそうな思いでございました。

ゆ: まあ元気があってよろしいんじゃないでしょうか(^_^;)。それはさておき、演奏時間を比較してみると最新の第一楽章はスピード勝負のような情況を呈しておりますね。
は: トーマス様とゲルギエフ様では随分印象が異なりますのに殆ど同じタイムでございます。
ゆ: 「超速シリーズ」のゲルギエフはともかくとして、流麗な演奏が素晴らしいトーマス&SFSOが同じ20分40秒前後なんですねえ。ショルティなんか第6番と一緒で随分突っ走っているように思うんだけどそれでもトーマスより遅いのかあ。
は: 最新のトップクラスはこの複雑な楽章を如何にハイスピードで演奏できるか、そのテクニックを競っているようですね。
ゆ: というか、オケに応募してくる若い演奏者のテクニックの向上が最近は著しいんでしょうね。まあ個人的には一幅の泰西画を見るような悠然としたインバル盤くらいが丁度良いようにも思うんですけどね。

は: とにもかくにも、早くもこの楽章でフェルツ様の個性の全てがいきなり披露された感じがいたしました。
ゆ: 月並みな表現で申し訳ありませんが。磨けば光る宝石の原石のようですね。随分ゴツゴツとして生硬な演奏なんですが、聴いていて面白い。
は: そう言う意味では前回検討した第6番はかなり磨かれてきた印象がございますね。
ゆ: 回を重ねる毎に成長していきそうな楽しみはありますね。とにもかくにもマーラーがその技法を駆使し尽くしたこの難しい楽章を「無難に収める」のではなく「果敢に突破した」所を評価したいですね。

は: 録音はいかがでございましょう?
ゆ: やっぱりサウンドステージは狭いですね。でも意外に楽器の分離はクリアです。その中でもやはり打楽器フェチだなあと思うくらい打楽器にはこだわって録音してますし、ホルンチェロトランペットといったマーラーがこの7番で最も大事だといった楽器の音を丁寧に拾っていますね。

第2楽章 「夜曲」 アレグロモデラート ハ長調

Feltz: 15'06"
Solti: 15'44"
Inbal: 14'40"
Tennstedt: 17"52"
Thomas: 15'32"
Gergiev: 13'43"

は: いよいよ「夜曲」の始まりでございます。
ゆ: 序奏は、ホルンの掛け合いですね。このあたりはマーラーがこだわり続けた遠近法が良く表現されていると思いますが、それにしても冒頭のホルンによるテーマは引っ張りますね~、夜の不気味さを最初に強調したいのかもしれませんが、奏者の肺活量を試しているような気もしますな(笑。
は: その後盛り上がったところで交響曲第6番のモットー和音が出たり、これも第6番で使われておりましたカウベルも鳴らされたりして、第6番との関連の強い楽章でございますね。そのせいかどうかは分かりませんが、「夜曲」という主題なのに巷間言われます如くに「行進曲」風になっちゃいますね。
ゆ: あ、やっぱりそうなっちゃいます~?
は: 鈴木Q太郎はもう飽き飽きでございます(--〆)、さっさと話を進めましょう。
ゆ: かしこ、かしこまりました~、かしこ!というわけで、確かに行進曲を思わせる展開ですね、恩田陸の「夜のピクニック」を意識したんでしょうか?
は: そんな訳無いでございましょっ、それも言うならレンブラント様の「夜警」でございます。
ゆ: た、確かに(^_^;)、で、この楽章も長調短調の転調が目まぐるしくてフェルツも律儀にその不安定さを強調しつつテンポを上げ下げておりますな。
は: 先ほどご指摘のホルンなんかはその後も結構ためて引っ張っているところが多いように思いますのに、流麗なトーマス様や前のめりのショルティ様より時間が短いとはちょっと驚きましたね。
ゆ: そうですね、別にギクシャクはしていませんけれどね。
は: 一方でインバル様は泰然とした演奏に見えて時間が更に短いですね。ゲルギエフ様に至っては何と13分台を記録しておりますが(^_^;)。
ゆ: テンシュテットにしてもそうですがフェルツライブ録音なのでややアゴーギクを強調してスタジオ録音よりも時間が伸びるんでしょうね。それにしてもゲル様は凄いですな、おそらく13分台のというのは世界新記録じゃないでしょうか、仮初めにも夜曲なんですからその辺を考えてもらわないと(苦笑。

第3楽章 スケルツォ 影のように ニ短調

Feltz: 11'09"
Solti: 9'14"
Inbal: 10'21"
Tennstedt: 11'10"
Thomas: 10'03"
Gergiev: 9'07"

は: さてABCBA形式のカナメとなります第3楽章でございます。序盤の高音弦による影のような旋律、木管の悲しげな響き、低音弦のバルトーク・ピチカート、打楽器の不気味に抑え気味の響き、いずれも「」には程遠い気がしますね。
ゆ: フェルツは幽霊、精霊の跳梁跋扈と捉えて不気味さを表現していると書いてますね、テンシュテットもそのような捉え方をして入るようです。このあたりはドイツを中心とした中央ヨーロッパの方にしか分からない音に対するイメージがあるのかもしれませんね。
は: とはいえ技法的には多彩な手を尽していて、マーラーの各楽器への細やかな気遣いさえ感じさせますので、通の方にはたまらない楽章なのかもしれませんね。
ゆ: そのあたりを透視図のように明晰に分析しているのはおそらくブーレーズあたりが嚆矢だと思うんですが、トーマスも明らかにその流れを汲んでいますね。彼の演奏が今回聴いた中ではこの楽章を一番理解しやすかったですね。

は: さて、この楽章もニ短調で始まりニ長調で終わるという転調を行っております。ここまでの楽章の最初と最後の調性の変化をまとめますと、

I: (Bm→)Em→E
II:  C→Cm
III: Dm→D

と、必ずメジャー⇔マイナーの転換を行いつつ次の楽章には必ず同じ調性で受け渡しております。
ゆ: 凝り性だったんですかね、律儀なA型だったりして(笑。
は: またまたそんなクラマニアを敵に回すような事を(-_-;)。明暗法の技法の限りを尽くしておられるのでございます。
ゆ: 第五楽章だけ明るいように見えて、その実いろいろと手の込んだ細工をしておりますな。

第4楽章 「夜曲」 アンダンテ・アモローソ ヘ長調

Feltz: 13'47"
Solti: 14'28"
Inbal: 13'13"
Tennstedt: 15'30"
Thomas: 13'30"
Gergiev: 11'45"

は: 第2楽章が「夜の行進」とすれば、この楽章は純然たるナハトムジーセレナーデでございますね。
ゆ: 「わいね~、暗いねん」ですな。
は: それも言うならアイネ・クライネ・ナハトムジークでございます、それもモーツァルト様ですから(--〆)。
ゆ: まあまあそれはそうとようやく桶の花ヴァイオリン独奏が冒頭に出てきますな。
は: 桶じゃなくて、オケですから(;一_一)。ちなみにこの独奏はオクターブ上昇し、なだらかに降りてくる所謂アーチ音型でございますね。この楽章にはギターやマンドリンも入りますし、求愛のセレナーデに相応しい楽器を持ってきたというところでございましょうか。
ゆ: アモローソとは「愛情をこめて」という意味ですので、その通りでしょうね。

は: さて、フェルツ様、前回の第6番第3楽章から想像できる通り、思い入れたっぷりに愛を歌い上げておりますね。
ゆ: スケベ心満載ですな。我々草食人種からするとかなりのねちっこさです。その点殆ど演奏時間は変わらないんですが、やっぱりトーマス君はこの辺スマートですね。
 ところで第2楽章でも第6番のモットー和音が出て来たけれど、この楽章でも第6番のフィナーレの音型が使われているんですね。
は: 第2、4楽章は第6番と同じ1904年に完成しておりましたから密な関係があるんでしょうね。
ゆ: 同じ音型を使い回すとはええ根性しとりますな、それも「悲劇的」と「愛情をこめて」の両方に(笑。
は: 最後が「ersterbend(死に絶えるように)」ですので首尾一貫しております(-.-)。
ゆ: ちゃんちゃん、お後がよろしいようで~(^O^)/
は: まだ最終楽章が残っております(--〆)。
ゆ: 分かってますって、いよいよ「めちゃめちゃ明るいで~」の第5楽章です。

第5楽章 ロンド・フィナーレ ハ長調

Feltz: 17'36"
Solti: 16'27"
Inbal: 16'49"
Tennstedt: 19'53"
Thomas: 18'06"
Gergiev: 16'13"

は: 冒頭部分は先程検討済みでございますが、演奏自体は悪くないですね。
ゆ: 元気があって良いですよね、それにしてもなんともはや威勢の良いティンパニですねえ。
は: それにすぐ金管が呼応しますね。
ゆ: この辺のかかり方はさすがにショルティ&シカゴ響大リーグ・スラッガーの咆哮には敵わないんですが、それでもトランペットとホルンの主題演奏は予想通り骨太で良いと思いますね。
は: この主題はワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』との関連が指摘されているそうでございます。
ゆ: 確かにそうですね、その明快な元気良さが果たして本気なのか、それともパロディなのかいろいろと議論はあるようですが、今回のフェルツのようにこの辺りを楽天に演奏しても悪くはないと思うんだよね。第6番のように「悲劇的」に終わると誰も文句も言わないくせに、どうも芸術とは暗くあらねばならんようですな(苦笑。

は: さて、駆り立てられるようにどんどんと演奏は進みまして終盤に第1楽章の第1主題が再びホルン斉奏によって示されます。
ゆ: 初めて聴いた時は第一楽章の主題なんてもう忘れてしまってましたけどね(笑。さてここからがフェルツの腕の見せ所、ライブということもあってか、ここぞとばかりにオケ全体を高揚させていく指揮振りが目に見えるようですね、そしていよいよフィナーレ。
は: 第6番にもましてケレン味たっぷりのディミヌエンドの後に、、、
ゆ: 地の底から湧き上がるような打楽器の轟音が床を振動させますな。まるでボディソニック椅子で聴いているようです(爆。
は: この打楽器の咆哮には低音派のゲルギエフ様もビックリでございましょう。
ゆ: 個人的にはライブ演奏ではテンシュテットのラストが最高に熱いと思いますけれど、ゲネラル・パウゼの後の展開はそれ並みの迫力がありましたね。観衆のアプローズに相応しい、いかにもライブらしい終わり方だと思いますね。

は: という訳でして、とにもかくにも無事に眠ることなく全楽章聴き終えました。聴く順番が逆になりましたが、何度も申し上げておりますようにこの7番がこのオケでのマーラー・チクルス初録音、それにしては破綻の無い演奏だったのではないでしょうか?
ゆ: まあ2日間のライブを編集してあるようですので細かなミスはところどころあったのかもしれませんが、聴く限りこれはまずいと思うようなミスは無かったですね。
は: 初マーラーで良くぞフェルツ様の個性的な7番の解釈に共感してついていったものでございますね。
ゆ: 同感ですね、際立った個性こそまだ見られませんがこのシュトゥットガルト・フィル、若くてきびきびとした良いオケだと思います。ちょっとブースカとラハティ響の信頼関係を思い出して微笑ましかったです。
は: ヴァンスカ様でございますから、使い古したネタを(`´)。
ゆ: そう言えばラハティ響にもお一人日本人がおられましたが、このシュトゥットガルト・フィルのメンバーの集合写真にも、お二人ほど日本人っぽい顔立ちの方がおられますな。
は: 世界各地で日本人が活躍しておられるのは嬉しゅうございますね。
ゆ: というわけでございまして、録音が今一つなのは残念でございましたがなかなか面白い第7番を聴く事ができました。リクエストいただいたパリンドロームさんに心よりお礼申し上げます。

は: では恒例によりまして、故人生幸朗・生恵幸子師匠風ご挨拶をご主人様どうぞ。
ゆ: 皆様、長丁場にも関わりませず、

こんな漫談おもろうも何ともないぞ!

のお声も無く、お付き合いありがとうございました。
は: 感謝感激いたしつつ、ゆうはむ漫談、これにて無事終了でございます。
ゆ: 皆様のご健勝をお祈りしつつ、これにて、バイチャ!
は: 何がバイチャや、この~、泥亀!
ゆ: 母ちゃん、ゴメン!

は&ゆ: これにてマーラー5番勝負Part II、千秋楽にてございますm(__)m

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