ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

カンフーパンダ

カンフー・パンダ スペシャル・エディション [DVD]
はむちぃ: 皆様、こん**は、はむちぃでございます。本年最初の映画レビューはお正月という事でお気楽な「カンフーパンダ」から始めましょう。
ゆうけい: ハリウッド版パンダ映画で本家中国で賛否両論を巻き起こしたそうですが、果たしてどんなもんでしょう、若干の不安はございますが観てみましょうかね。

『 信じる心が奇跡を起こす!最強のカンフー戦士、“龍の戦士”に選ばれたのは、ぐうたらで食いしん坊のパンダだった!?
 美しい安住の地「平和の谷」には龍の巻物の奥義を得たものが史上最強の“龍の戦士”になるという伝説があった。ある日、極悪カンフー戦士のタイ・ランユキヒョウ)が刑務所を脱獄、巻物を狙って平和の谷に迫り来る。タイ・ランに立ち向かう“龍の戦士”に選ばれたのは、何と、ぐうたらで食いしん坊のパンダのポーだった!カンフーを愛する心は人一倍、でもカンフー・マスターなんて夢見るだけのポーは、師匠のシーフー老師(アライグマ?)、憧れのカンフーの達人“マスター・ファイブ”(虎、猿、蟷螂、蛇、鶴)の力を借りながら、厳しい特訓を受け成長していく。
果たしてポーは史上最強の戦士となり、平和の谷を守ることができるのか!?そして、龍の巻物に記された、ある真実とは・・・?』

声優:
ポー: ジャック・ブラック
シーフー老師: ダスティン・ホフマン
マスター・タイガー: アンジェリーナ・ジョリー
タイ・ラン: イアン・マクシェーン
マスター・モンキー: ジャッキー・チェン
マスター・カマキリ: セス・ローガン
マスター・ヘビ: ルーシー・リュー
マスター・ツル: デヴィッド・クロス
ウーグウェイ導師: ランダル・ダク・キム

は: 。。。。。(-_-;)
ゆ: 。。。。。(--〆)
は: しょっぱなからトホホ賞の有力候補が現れましたね。
ゆ: Dreamworksも落ちたもんですな、というか、やっぱり西洋人からみりゃこんなもんですよ、みたいな。

は: 脚本は一応カンフー映画の作法を守っておりましたが少々安っぽかったですね。
ゆ: 少々では失礼でしょう、安っぽさ満点と言わなくちゃ。
は: 大体から

パンダの親が鳥

と言う設定からして訳分かりませんね。
ゆ: そうそう、出だしからしてナメてますね。スタッフが企画会議で

「ん?中国市場を開拓すんの?じゃ、パンダってやつを主人公にしたら?」
「人気No1の動物らしいしね、で内容は何にする?」
「やっぱ中国ったらカンフーでしょ!」
「じゃあ適当にジャッキー・チェンナントカ拳の動物をからませてみますか」
「いいねえそれ、でもって格闘シーンのCGで中国人の度肝を抜いてやると」
「でもアニメでカンフーシーンって結構ムズイよ」
「そんなもん日本のアニメ見りゃ大抵見当つくでしょうよ」
「ま、そうだね、で老師みたいなのに適当に悟りの境地を語らせりゃ一丁出来上がりか」

ってなブレインストーミングしてるのが目に見えるようです。

は: とりあえずハリウッドですからそのCGはお得意のものかもしれませんが、それも見事に空回りしておりましたね。
ゆ: いくら格闘シーンで3D-CGに凝ったって、拘束されて20年も身動き一つ出来なかったユキヒョウがいきなり落下する岩石群をつたって上に登っていったり、蟷螂が吊り橋を一匹で支えたりしてちゃ、そりゃ物理上有り得んだろうと子供でも突っ込みたくなりますよ。
は: まっ、そんな事言ったら全ての修練・格闘シーンが成り立ちませんが(^_^;)
ゆ: いや、その辺にハリウッドの勘違いしてるところがあると思うんですよ。ああいう荒唐無稽な格闘シーンがそれこそ「絵空事」として成立するのはドラゴンボールのような2Dの世界だからこそだと思うんですよ。それを3Dの精密なCGでやるとかえって嘘臭くなっちゃう、という日本のオタクなら肌身に沁みて分かってる事が分かってないんじゃないですかねえ。

は: まあ、それもさることながらパンダ映画としてはパンダがあんまり可愛くないのが致命的な欠点でしょうね(笑。アメリカ人から見たパンダってあんなものなんでしょうか?
ゆ: ハリウッドも中国を巨大な市場とみて媚を売ったつもりなんでしょうけど、顔と体つきが声優やってるジャック・ブラックそっくりでしたな(爆。しかし、私がもっと許せなかったのは

絶滅危惧種パンダユキヒョウを善悪に分かれて戦わせる」

と言う点で、これは傲慢もいいところですね、ハリウッドだから何やっても良いってもんじゃないでしょう。
は: どうせなら谷口ジローの「約束の地」でのユキヒョウの表現を見てほしかったですね。
ゆ: おっ、はむちぃ君渋いところついてくるねえ。まあそれはともかく絶滅危惧種をあんな風に扱われて中国政府がよく怒らなかったもんですな。
は: ところがその中国政府が

「なぜ『カンフー・パンダ』のような作品が中国で製作されないのか」(Wikipediaより)

と言ったそうです。
ゆ: バカじゃないの?
は: CGの技術は劣っても中国映画もレベルが高いことを誇るべきですよね。
ゆ: ところがその中国をはじめとしてアジア諸国で軒並み史上一位の興行収入をあげたらしいんだよ(嘆息。さすがにアニメ先進国の日本ではそれほど話題にならなかったけどね。

は: 媚を売ると言えば声優陣も豪華絢爛でございますね。
ゆ: まあシュレックもそうだったからDreamworksの得意技なんでしょうね。ジャック・ブラックはまあこういう役にはぴったりですけど、ダスティン・ホフマンくらいの超大物になれば、担ぎ出される前にもうちょっと考えなきゃね。
は: ジャッキー・チェンルーシー・リュウもこんな映画に協力してちゃ「SAYURI」のチャン・ツイィーの二の舞になってしまわないか心配でございます。
は: ジャッキーがでルーシーがですからねえ、なんか無意識の差別感覚を感じますね。まあ二人ともあんまり台詞無かったけど(苦笑。でもってマスター5で一番活躍するのはなんですけど、これも絶滅危惧種だし、アンジェリーナ・ジョリー国連難民高等弁務官事務所の親善大使までやってるのなら、もう少し脚本を吟味して欲しかったですね。

は: と言うわけで新年早々ご主人様ともどもぼやき倒してしまいました。
ゆ: まるでマシンガンズの漫才みたいでしたな(笑。まあ、子供だまし+黄色人種だましの映画であると申し上げておきましょう。