ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

三菱電線デジタルケーブル

Mitsubishicx1
  さて、アキュフェーズのデジタル・ヴォイシングイコライザーDG-38の調整も一段落した訳ですが、、一つだけ残された課題がありました。それは同軸75ΩのRCAデジタルケーブルの選択でした。

 もちろんHS-linkケーブルでCDの伝送も出来るわけですが、DSD録音のSACDと良く似た柔らかい音質になってしまい、PCM録音のCDの長所であるカチッとした歯切れの良い音が出にくいです。クラシックだけ聴かれる方ならこれだけで十分かもしれませんが、ロックをよく聴く私のようなものにはこれだけではちょっと辛い。。。

 という事でCDは同軸ケーブルで聴きたいと思うようになりました。ところが、アキュフェーズの付属のデジタルケーブルはHS-linkに輪をかけて音が柔らかすぎ、手持ちのAV用のカナレは情報量があと一歩というところで、HS-linkと同じくらいの1マソ円前後で物色していました。
 オーディオアクセサリ社の「ケーブル大全」も3、4年も読んでいると大体どれくらいがヨイショでどれくらいが本音か分かってきますし、今はネットでの評判も参考になりますし。という事で目をつけたのが三菱電線DCX-1と言うケーブル。

固有の音作りをしていない
情報量、音数が多い
取り回しがしやすい
極端に太くない
端子がしっかりしている
余計なノイズフィルターがついていない

と言う条件を満たしそうな雰囲気を「ケーブル大全」の行間から読み取りました(笑。通販のみでコスト削減しているのも好感度大。マイミクさんの情報では、内外の高純度系銅線の殆どの出元はこの会社で、OEMで出している他社に気を遣ってオーディオ店に卸さないそうです。

 で、コンビニ支払いにしたためか申し込んでから大分時間がかかりましたが先日やっと到着しました。

Hslinkcoaxial
 写真の如く、端子は意外に大きかったですが、丁寧な作りのコレットチャック方式でしっかり接続できます。取り回しは容易で、これも狙い通りです。

 さて、音ですが繋ぎはじめは何と言うことのない普通の音、すまわち固有の色付けがなく好感触です。そして、ものの30分も聴いていますと、さ~っと音場が澄み渡ってきました。
 熱帯魚を飼った事がある方なら、水作りが落ち着いてくると濾過バクテリアの働きにより、水が輝く如く澄みきってくるのをご存知だと思います。まさにそんな感じの輝くような透明感です。こりゃとんでもないケーブルかも、と思わず鳥肌が立ってしまいました。

Ishii3db2pattern
 当然ながらDG-38イコライジングをしなおすつもりだったのですが、CX-1接続では先日の記事で最終的に作った「ISHII -3dB」カーブ(写真上段)がドンピシャでした!HS-linkケーブルでは緩く膨らんだ低音を引き締める必要があり、写真下段のような小変更を行ったのですが、こちらはPCM録音特有の音の硬さをそのまま表現してくれるためか、全く変更の必要を感じません。

 この状態で二日間聴きこんでみましたが、その印象は

1: 綺麗に音場が澄み切り、見通しが良い
2: 奥行きはそれ程変わらないが上側方への広がりを感じる
3: 楽器の倍音成分がとにかく美しい(スーパーツイーターを足したような感じ)
4: コーラスの分離が良く濁りがない
5: ややクールな音だが音数は十分でHS-linkと比しても情報量は落ちていない
6: カチッとしているので量感はそれ程ないが低域までちゃんと出ている

 あえて欠点を挙げると音が輝き過ぎることでしょうか。ケーブル類を全部この素材にしてしまったら音が眩しすぎてクラクラ来るかもしれません(笑。音楽のジャンルを問わず聴く方なら、一点ここぞという場所に使うのが正解だと思います。それにしてもこれが1万円そこそこのケーブルとは本当に信じ難い思いがします。

 という事で、Dynaudio Sapphireの性能を可能な限り搾り出すべく行ってきたセッティングは約4ヶ月を要しましたが、このDCX-1を画竜点睛としてひとまず糸冬了~(^O^)/、これからしばらくはこれで音楽を存分に楽しみたいと思います。誰ですか、DP-800が残っているぞなんて囁く人は(笑。