ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

DG-38導入記(2)計測編

Micsetting
 さて、ゆうはむ漫談はあれくらいにして(笑、今回は測定編に参ります。購入翌日は休暇をとっていたので早速朝から計測にかかりました。先ずはスピーカーの裸特性の測定です。Dynaudio Sapphireのグリルを取り、1m前方にマイクを置き、マニュアル通りツイーターとミッドの間にマイクの先を向けます。

Sp_data_plug080922
 上が左、下が右SPです。右の方が部屋特性の影響が少ないのですが、200Hz~1.5KHzはほぼフラットです。低音は部屋の特性(次の写真)の凸凹とほぼ同じですので、無響室で計測すればおそらく、ステレオサウンドのレビューで和田博巳先生が

「定規で真っ直ぐ線を引いたようなフラットバランス」

と表現されたとおりだろうと推測できます。性能表には30-2.5KHz:-3dB以内を保証していますが、たしかにきっちり30Hzあたりまで出ていますね。サファイアのユニットとクロスオーバー・ネットワークの優秀性を再認識させられました。

 さて、いよいよリスニングポイントでの計測です。ちなみにSP間距離は約2.5m、その中点からリスニングポイントまでの距離は3.1mです。内振りは右42°左43.5°と極端な内振りで、軸の交点は随分前の方にあります。冒頭写真は左SPで、右SPは側面が左SPより2cm程度離れています。

Room_data_080922
 部屋の定在波の影響により、60Hzを中心にピークが、150Hzを中心にディップが出来ています。左側の方が側面が壁に近いのでその影響が大きいようです。200Hz以上は概ね満足できる範囲の特性ではないかと思います。

 実はこれ、種明かしをするとやっぱりHoteiさんのお助けあればこそなんですね。先日Hoteiさんが来られ、バスレフポートのプラグのある無しで聴き比べてみたのですが、やっぱりプラグ無しの方がボーカルが自然であり、このスピーカーはバスレフでゆったり鳴らすのがデフォルトでしょうという結論になりました。

 で、100Hzあたりの低音の節に合わせて置いてあったスピーカーを移動する事になったのですが、

「テーマは柔らかいボーカル情報量は落とさずに、でいきましょか。」

と言いつつ、より壁に近づけて決めていただいたのがほぼ今の位置と内振り角度なんですね。リアバスレフでより壁に近づけると言う発想は、なかなか凡人にはできません。

Room080922

 さて、もう一度部屋特性を見てください。ピークが100Hz以下にあるのはそのセッティングのお陰なんですね。

1: ディップは承知の上で、ピークをより下の帯域に移した事(壁に近づけた)
2: 1KHz以上がゆるやかにロールオフしている(内振りを強くした)

のが「柔らかい音」につながっていると思います。多少は自分でもその後いじってはいますが、見事に松浦さんの目論見どおりの特性で計測結果を見て鳥肌が立ちました。

 ちなみにプラグでバスレフポートを塞いで計測してみたのが下図です。

Pluggedroomdata2
 100Hz以下の低域の山がガタッと痩せてしまっています。先日のオフ会の時には山が100Hzあたりにあり、高域側のディップはそれ程深くなかったでしょうから、それほど酷い音にはならなかったのだと思います。しかしこの位置で聴くとやっぱり悲惨でした。

 ということで、良いスピーカーでも上手く鳴らすのは如何に難しいかを視覚的に再確認できました。さて次回はいよいよヴォイシングを中心とした補正編です。果たしてどんな音になるのか(^_^;)?