ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

(続)Sapphireのセッティング変更

Livingroom080803
 先日ディナウディオのマニュアルに従ってセッティングを変更して数日聴き込みましたが、サウンドステージが広くクリアな音ではあるものの、やはり単純な直方体でない拙宅のLDKには単純に適応はできないと感じます。特に左右のSPの天井高が倍近く違ってしまうのが致命的で、左右のスピーカー付近の音のバランスがおかしく感じます。また、部屋の低音の節を無視してセッティングしているため100Hz以下の領域に凸凹が多いのか、今一つ音が弾まずソースによっては音楽を楽しめず聴き疲れします。

 そこで、基本に立ち返って一からセッティングを見直してみる事にしました。数日間かけて下記のプロトコルで行いました。なお、これまでの経験からバスレフポートは付属プラグで塞いだままにしました。

Settingrecord0808031: 部屋の掃除
2: 接点クリーニング
3: 平行セッティングに戻してグリルを外す
4: スピーカー周囲を回り低音の節を確認してそこにウーファーのボイスコイルが来るように移動する
5: ツイーターを抱え込むように試聴し音軸が揃う角度を探り内振りにする
6: リスニングポイントでボーカルのフォーカスを確認
7: 一旦クリーン電源を外し、電源ケーブルを純正品に戻して試聴
8: クリーン電源を戻し、パワーアンプ電源ケーブルのみ元に戻す
9: ついでに外した電源ケーブル交換試聴(パワーアンプで)
10: 一晩電源ケーブルエージング
11: もう一度3、4、5を微調整
12: スパイクの位置と内振り角度を測定
13: いろんなソースを試聴、問題点洗い出し
14: CDPの位置を微調整、ケーブル等に負荷がかかっていれば軽減処置
15: 再試聴、SP位置最終微調整
16: スパイクの位置と内振り角度再測定、記録のため製図

試聴ソース:
3: ジェニファー・ウォーンズ:「The Hunter」より 「Way Down Deep
  パルシブな重低音が連続するので低音の節を確認しやすい
4: Fourplay:「Fourplay」より 「101Eastbound
  できるだけ高中低音が揃っていて、かつ一番聴き込んでいて隅々まで知り尽くしている曲を選びます。ちなみにこの曲はツイーターでキーボード、スコーカーでエレベ、ウーファーでキックドラムの音が出てくるので非常に分かりやすいです。
5: 手嶌葵:「The Rose」より 「The Rose
  これはボーカルがセンター定位していて自分の好きな曲で。手嶌葵はマイブームですが、ちょっとリバーブがかかり過ぎている気もします。今まではメアリー・ブラックやフォン=オッターを選ぶ事が多かったです。

 ここまで書くとお気づきの方も多いと思いますが、私の師匠のHotei(松浦正和)さんのセッティングを見よう見真似で行った、間接音を上手くコントロールするタイプのセッティング方法です。
 ステレオサウンドに以前連載されていた石井伸一郎先生のクリニックでスピーカーを抱え込んでいる松浦さんの写真をご覧になった方もおられると思います。その結果に「信じられない」「魔法のようだ」とかオカルトチックな表現をされていましたが、決してオカルトではなく理論的にも納得できるやり方だと思っています。
 もちろんHoteiさんの大事な商売道具なので本当のやり方は絶対に教えてもらえませんし、彼のような凄耳も持っていないのですが、拙宅や出張クリニックで何度も見せてもらい、長い付き合いなのである程度のサジェスチョンもいただいて、門前の小僧程度には出来るようになったかなと思っています。

 Hoteiさんは全くのフリーハンドでひょいひょい動かしてほぼ一発でフォーカシングしてしまいますが、私にはとても無理で計測・記録を繰り返しては少しずつ詰めています。今回は最初のセッティングでフォーカスがある程度決まったにもかかわらず、音が楽しくないのでその時点で一番落ち込んでしまいました。やっぱり自分の手に余るスピーカーを買ってしまったのかという思いも脳裏をよぎりましたが、「音が悪いのはセッティングが間違っている」のだと信じ、仕事と水泳の時以外はずっとその事を考えていました(笑。

 そしてある夜ふと「音が厚化粧だ」と思いつきました。拙宅で音のチューニングで過去色々といじってきたところといえば電源周りです。そこで次の休みの日を利用して全ての電源ケーブル、クリーン電源を取っ払って、付属ケーブルに変更してみました。本当に

「すっぴん」

の音になりました。でも素直ないい感じで、今まで気になっていた嫌な感じの部分がかなり消失していましたので、この段階からセッティングを煮詰めて行けば大丈夫かも、と少し手応えを感じました。しばらくケーブルを馴染ませてから、これだけは譲れないという部分を戻していきます。まずは電源クリーナー、これは必須です。次いで信濃のGPC-1500、これはある無しで全く音が変わらず便利なので残しました。
 そして最後はやはりワイヤーワールドSEP 3+を引退に追い込んだハーモニクス電源ケーブルHarmonix  X-DC SM350)です。これだけは純正品では我慢できませんでした。ついでに外したケーブル(PSオーディオ、S/Aラボ、キャメロットテクノロジー)を比較試聴してみましたが、全く勝負になりませんでした。

 大体電源のセッティングが決まったところで色々と試聴し、CDPの位置をいじったり、ケーブルに負荷がかかっていないか確認したりを繰りかえします。Hoteiさんはトラポ、DAC、プリと三機種の位置変更で自由自在に音を作り上げていけますが私にはとても無理。私がCDPをトラポとDACに分けない最大の理由はそこら辺にあったりして(^_^;)。ちなみにプリのC-290Vはラック一杯一杯で動かせません(爆。昨日の晩はそのあたりで力尽きました。

Rtsapphire080803  そして今朝もう一度4、5、6を繰り返し低音の節と内振り角度を最終的に決定しました。プロトコルのところの写真の右下の作図の赤線が最終的な前側スパイクの位置です。ちなみに内振り角度は左が36.5°、右が35°でした。左右で違うのは聴感上で決めているからでむしろ良くこれだけ対称に近くなったなと驚いています。

 左写真は右側サファイアです、7月27日の記事の写真と随分違っているのがお分かりでしょうか?横方向が予想通り低いほうの天井の奥から庇ぎりぎりまで移動しており、縦方向は壁に近づいています。バスレフをあけると凄い低音が出ますが塞いだままの方が聴き疲れせず、なおかつ高音のきつさもセッティングでとれましたので、しばらくはセミクローズドのまま行く予定です。実はファイルウェブのコミュニティでプラグの素材を色々検討中の方がおられますので楽しみです(^^♪。

 そしてもちろん内振りが強くなっていますが、以前OTさんが「極端な内振り」と表現されておられたCub IIの事を思えばこれくらいの内振りはまだ甘いくらいでしょう(笑。もう少し内振りに出来そうにも思ったのですが、ツイータの位置が高い上に内振りが強くなるとボーカルの定位がかなり高位になってしまうのである程度妥協しています。もちろんある程度サファイア自体の美観も考慮してますけどね。

 とりあえずこの状態で色々試聴していますが、まずまず満足できる音となっています。この後詰めていかねばならない課題はもう幾つか分かっていますが、まあじっくりと攻略していくつもりです。お楽しみはこれからだ、と言う事にしときましょう(*^^)v。

 長文お付き合いありがとうございました。マイフォト(オーディオ選集、歳時記、お絵描き)も更新しましたのでお暇ならどうぞ覗いてください。