ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Sapphireのセッティング変更

Rtsapphire080727
(セッティング変更後右サファイアをリスニングポジションより見る)
 Dynaudio Sapphire納入されて一週間が経ちました。とりあえず平行セッティングのままで過去数年間リファレンスとしてきたSACD,CD,LPの色々なソフトを一通り聴いてみました。2回ほど大音量を入れたお陰かウーファーが良く動くようになったように思います。

 まだまだ見惚れて飽きないですが(笑、音に関しても最初の印象どおりで、3つのユニットの音色に統一感があり、クリアで癖が無い点に好感が持てます。セッティングにも敏感でスピーカーケーブルのSP側の金属部分を浮かせてやるだけで随分S/N比が上がりました。面白いのはMONOモード。見事真ん中にバッフル面の面積通りの音場が出来上がります。パワーアンプより狭いので思わず笑ってしまいました。ユニットのマッチングとエンクロージャーが良くできているのでしょう。
 ジャンルは問わず鳴ってくれます。やはりクラシックとの相性が最高ですが、さりとてロックがよそよそしいと言った事もなく、熱気を持って私の好きな70年代ブリティッシュロックを鳴らしてくれたので嬉しかったです。「キング・クリムゾンUSA」の「Lark's Tongues in Aspic part II」などは「おおっ!」と唸ってしまいました(笑。

 先代のWilson Audio Cub IIがいささかやんちゃでやや分野を選り好みする傾向があったので、買い替えの目論見はある程度成功だったと言えます。見た目第一だと言ってたのは誰だと言われそうですが(^_^;)。どうしてこんなに上手く鳴ってくれないんだろうと悩んでいたザ・リアルグループの「コモンリー・ユニーク」が初めて納得のいくハーモニーを奏でてくれた時は「しめた!」と思いました。

Data0807272  ではもう何の問題も無いのか、と言われるとやはりそう甘くは無いのですね。ジャンルを問わなくなったのはピラミッドバランスの音を出してくれるからだと思うんですが、逆に言うと40Hzくらいまでの重低音が入っているソフトだとかなりブーミーになります。主にフュージョンですが、マーカス・ミラーの「M Squared」とかジェニファー・ウォーンズの「The Hunter」など自分の好きなソフトで聴き疲れするとちょっと困ってしまいます。(ロックはどうなんだと言われそうですが、70年代のロックには実はあまり重低音は入っていないんです。)

 Hotei's Websiteで公開されているStndWave2を拙宅に当てはめるにはかなり無理があるんですが、それを承知で計測してみると今の位置では40-50Hzあたりがやや持ち上がっており、それにリアバスレフが輪をかけて低音を増幅しているものと思われます。そこで、付属のスポンジプラグをバスレフポートに挿入してみると低音は程よくなりますが中域まで痩せてしまい高音がややきつくなります。

Spsetting0807271_2  そこでいよいよセッティングを変更してみる事にしました。ディナウディオは

1: SPを両側とも壁から0.5m以上離す。
2: SP間の距離よりもリスニングポイントまでの距離が長い二等辺三角形にする。
3: SPは「Toe In」する事

を推奨しています。

 1,2はもうしていますのであとは3です。Toe Inとは内振りにすることですが、いつもの松浦式だと極端な内振りになります。しかし今回は美観優先でリスニングポイントにピタリと照準を合わせる事にしました。
 経験上内振りにするとフォーカスが合うとともに中低域に張りがでますので、その上で出過ぎる低音をプラグで引き締める事により適度なピラミッドバランスになるかも、と言う目論見もありました。

 朝から家の設計図を持ち出し、メジャーで測りまくり計算した結果、内振りの角度は

18°

と決定しました。家内に手伝ってもらって両方を合わせ終わった頃には汗だくになっていました(笑。冒頭写真の通り、スピーカーのバッフル面がまっすぐリスニングポジションに向かっています。

 まずは手嶌葵の「The Rose」でフォーカスを確認すると明らかに良くなっています。平行セッティングでも結構フォーカスは合ってるなあと思ってたのですが、左右方向はより狭まり、逆に前後方向への深さが出て立体的になりました。響きも柔らかくなった感じです。「Fourplay」の楽器の定位も良好です。
Pluggedport  さてそこで先程の低音がビシバシ入って入るソフトをかけてみると、予想通りボワンボワン重低音が鳴り響いて耳が痛いくらいです。ここで満を持してプラグでバスレフポートを塞いでみました。。。

良い感じです!程よく低音が締まりかつ音階もクリアに聴き取れます。高音部にも平行セッティングの時のようなきつさが無く、ボーカルや弦などの艶やかさが失われずにちゃんと出ております。私好みのピラミッドバランスになったようで、とりあえずこれでしばらくの間また聴きこんでみようと思います。