ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

南画って何だ?!展@兵庫県立美術館

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兵庫県立美術館3階会場入口、拡大しているのは水越松南の「化粧」の貍)
 さて、話しは少し遡りますが、映画「相棒-劇場版-」にいささかがっかりした私達夫婦は、映画館のすぐ近くにある兵庫県立美術館に向かったのでした。4~6月にかけて「南画って何だ?!」展が催されており、それでも観にいこう、ということになったのです。

 今年は兵庫県ゆかりの画家、村上華岳(1888-1939)、水越松南(1888-1939)の生誕120年に当たり、この二人の作品を中心として南画の歴史と展開を追い、日本人の美意識と自然観を探ろうと言う企画です。

 南画は中国の南宗画、文人画を起源として、18世紀の日本で成立した日本絵画の重要な領域の一つであり、今回の展覧会では江戸時代中期から昭和初期にかけての約70作家約190点の作品が展示されています。なお、前後期に分けて若干の入れ替えがあるそうです。

 中心はもちろん華岳、松南二人で、特に松南の「化粧」はアンドレ・マルローに激賞された名作だそうで、会場にここかしこに貍の絵がプリントされており、本展覧会のマスコットとなっていました(笑。

 日本の美術館で催される美術展の多くは洋画中心で、こういう日本画を見る機会は殆どありません。ですからこういう企画は大変貴重だと思います。と、小難しい事を書いてきましたが、私たち夫婦の楽しみ方はもっと下世話なものです。私たちに「南画って何だ!?」と問われれば即座に

開運!何でも鑑定団で自己評価額100万円が鑑定額5000円に下がる」

のを楽しむもの!と答えます(笑。司会の島田紳助も良く言ってますが、大家の作品になると大体100本に1本くらいしか本物がありません。特に出張鑑定団はそう(^_^;)。今回も鑑定団でお馴染みの名前が続々と出てきました。

池大雅」「浦上玉堂」「谷文兆」「田能村竹田」「小室翠雲」「富岡鉄斎」「冨田渓仙」「土田麦僊」「堂本印象」等々

鑑定団をご覧になっておられる方なら、思わずニヤリとされる名前ばかりでしょう。それにしても何故南画にはどうしてあれ程あからさまな贋作が多いのでしょうか。鑑定団の先生の見分け方をお聞きしていると、大体

1: 絵自体の技量、力量
2: 紙質
3: 墨、絵の具の質
4: 讃の内容
5: 押印の図柄

などで判断されるようです。もちろん一番大事なのは1です。と言うか2-5ではねられるようなものは問題外ですね。確かに私たちも長い間番組を楽しんできて、出てきた途端なんとなく分かるようになって来ました。しかしまあなんですねえ(小枝風)、門前の小僧でも分かる贋作って贋作と呼ぶ資格さえ無いんじゃないでしょうかね?

 と言うわけで、「この崖の描き方にはしっかりとした遠近感がある」とか「鳥の羽根の描写が丁寧」とか「動物に躍動感がある」とか、田中先生や安河内先生でお馴染みの「評価」をしつつ「本物」を結構じっくりと鑑賞することができました。鑑定団をお好きな方にはお勧めです、是非どうぞ。