ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

相棒-劇場版-

 家族一同水谷豊とTVドラマ「相棒」のファンなもんで、「相棒劇場版」を観てきました。GW公開の映画の中ではぶっちぎりの人気だそうでTV朝日には御同慶の至りです。TV朝日系の総力を挙げての宣伝が見事効を奏したようですね。特に探偵ナイトスクープの顧問に水谷豊が出演されたのには本当にびっくりしました。でも。。。見事な駄作でした(涙。いつもは映画レビューははむちぃと一緒にやってますが、今日は呼び出す気もしません(苦笑。

『東京郊外の巨大なテレビ塔で、元・人気ニュースキャスターの仲島孝臣が死体で発見された。現場に残されていたのは、「f6」という不可解な記号。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫寺脇康文)は、小包爆弾のターゲットとなった衆議院議員・片山雛子の護衛を命じられた。雛子は爆発物で襲われるも、襲撃現場にはまたしても「d4」という謎の記号が。右京と薫は、会員制WEBサイトに「処刑リスト」と名づけられた掲示板があることを知り、仲島と雛子の事件が予告殺人だったことを突き止め、一連の事件は連続殺人であると確信する。そして右京は「処刑リスト」サイトを乗っ取ったという正体不明の人物と真剣勝負の対局へ。その投了図から驚愕の事実が発覚、未曾有の大事件の始まりを告げる! 右京と薫が史上最大の難問に挑む、人気TVドラマ「相棒」待望の劇場版。(CinemaCafe.Netより)』

監督:和泉聖治
脚本:戸田山雅司

キャスト:水谷豊、寺脇康文鈴木砂羽高樹沙耶岸部一徳木村佳乃西田敏行、西村雅彦、原田龍二松下由樹津川雅彦本仮屋ユイカ柏原崇、川原和久、山中崇史、山西惇、六角精児 、平幹二朗

 TVの常連は映画でもそれなりにそれぞれの役割を果たしています。そのTV陣からはいささか浮いてはいますが、西田、津川、平などの名優の映画俳優らしい重厚な演技はさすがだなと思います。本仮屋ユイカとか言う若い女の子のたどたどしい演技も御愛嬌でしょう。

 そしてテーマは悪くないし、とりあえず導入部はスリリングで、これはひょっとしたら瓢箪から駒的傑作か?と言う期待感を抱かせます。

 でも、ここまでで脚本が力尽きてしまうんですねえ(嘆息。まず真の犯人が途中で容易に推測できてしまいます。そしてその犯人が壮大な数のエキストラを動員したと思われるマラソンに仕掛けた数々のトリックの悉くが、結果的に何の必然性も無いのです。派手な爆発などのアクションシーンもまあネタバレにならない程度で言うと

「マラソンと何の関係も無い」

そして犯人はあっさりつかまり、その後は尻すぼみもいいとこ。

 脚本家は社会派を気取ってるのかもしれませんが、正直なところ映画ファンをなめてるとしか思えませんね。最近のTVドラマの映画化の特徴である小ネタをあちこちに仕込んでネットと連携して楽しませるやり方も踏襲していますが、それよりはもっとまともな脚本を書くことに全力を挙げてほしかったと思います。

 結局のところ、TV人気に便乗してド派手な大作にして、いくいくは「踊る大捜査線」のようなドル箱映画シリーズにしたいという根性がミエミエなんですよね。まあ、相棒ファンにならお勧めできないことも無いですが、相棒を御存じない方にはもう少しまともな映画を観た方がいいです、と申し上げておきます。