ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

馬酔木

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来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり  水原秋櫻子

 現代俳句の巨匠秋櫻子の代表作のひとつで、東大寺三月堂で詠んだ句です。さすが自ら主宰する俳句雑誌に「馬酔木」と名づけただけのことはありますね。私も学生時代を東大寺の境内で過ごしましたので、今頃の季節になるとそこかしこに漂っていた馬酔木のむせ返るような強い匂いを思い出します。

鈴なりの 馬酔木に酔ひし雨上がり ゆうけい

 若い頃にはあの強烈な匂いは生命力の象徴だと感じていましたが、病を得た今は町内の緑道を雨上がりに歩くと馬酔木の香りと犬の尿の匂いでクラクラきます(苦笑。