ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ドリームガールズ

ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション
はむちぃ: 皆様お待たせいたしました、本日は主人ゆうけいが正月に予告しておりながらほったらかしていた映画「ドリームガールズ」のレビューでございます。
ゆうけい: 1年前に話題になった映画を今頃やるのもどうかなとも思うのですが、お付き合いくださいませ。

『1962年。音楽での成功を夢見るエフィー、ローレル、ディーナの3人は「ドリーメッツ」というグループを結成し、新人オーディションへの挑戦を繰り返していた。そんな彼女たちに大きな可能性を見出したのが、中古車販売会社を経営するカーティスだった。マネジメントを買って出た彼は、地元の人気シンガー、ジェームス・アーリーのバックコーラスに抜擢する。パワフルなステージは全米の注目を集め、「ザ・ドリームズ」に改名したディーナたちはスター街道を歩み始めるが……。

スタッフ:
監督・脚本……ビル・コンドン
製作……………ローレンス・マーク
製作総指揮……パトリシア・ウイッチャー
音楽……………ヘンリー・クリーガー
歌詞……………トム・アイン

CAST:
カーティス・テイラーJr. …… ジェイミー・フォックス
ディーナ・ジョーンズ…………ビヨンセ・ノウルズ
ジェームス・"サンダー"・アーリー…エディ・マーフィ
マーティー・マディソン………ダニー・グローバー
エフィー・ホワイト……………ジェニファー・ハドソン
AMAZON解説より)』

は: スプリームスメアリー・ウィルソンの自伝を元にしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化で、スプリームスモータウン・レコードを髣髴とさせる登場人物達の栄光と挫折を描いております。
ゆ: 映画ではカーティス・テイラーJrとなっていますが、明らかにベリー・ゴーディー・ジュニアがモデルで、彼が起こしたモータウン・レコードの花形スターだったのがスプリームスでした。昔はシュープリームスと言ってましたが今はスプリームスと表記するようですね。前回も申し上げましたが、随分前のミュージカルでどうして今頃?という気がしないでも無いんですが、ダイアナ・ロス役のビヨンセ・ノウルズフローレンス・バラード役のジェニファー・ハドソンと役者が揃ったので満を持して、と言うところなのかもしれません。

は: 実際ジェニファーは圧倒的な歌唱力でアカデミー助演女優賞まで獲ってしまいましたしね。
ゆ: 全く凄い歌唱力で、ビヨンセも喰ってしまいましたね。
は: 勿論ビヨンセ様も素晴らしい歌唱力を持っておられるのですが、実は声量が無く歌唱も平板だったというダイアナがモデルの為にわざと抑えざるを得なかったのが気の毒でしたね。
ゆ: 序盤は美貌まで抑えていて本当にビヨンセか?と思いましたね(笑。スプリームスダイアナ・ロスデスティニーズ・チャイルドビヨンセと、どちらも女性トリオの花形スターという共通点があってだぶるところはありますが、この映画を見る限り歌唱力はビヨンセの方が上なんでしょうね。演技力の方は、まあ今回は歌がメインでしたし、「ピンクパンサー」は地でやってたし、まだ分からないところはありますけどね。

は: この二人だけがクローズアップされがちですが、その他の女優さんも皆様歌唱力抜群でございました。
ゆ: それに加えてレイ・チャールズの生涯を描いた「Ray」でアカデミー賞をとったジェイミー・フォックス、歌手もやってたエディ・マーフィーと男優にも歌える役者を揃えたところが実はこの映画の成功のミソなんじゃないかと思いました。

は: 映画としての出来はいかがでございましょう?
ゆ: それがこの作品の評価の分かれるところでしょうね。はじめからミュージカルの映画化と観点で見通せば、それなりに優れた作品なのでしょうけれど、何か歌の部分とストーリーがかみ合わない違和感がありましたね。こちらは映画としても優れていた「シカゴ」を書いたビル・コンドンとは思えないような脚本だなあと思って観てました。
は: 最初は普通のドラマ仕立てで話が進んで、途中シリアスな場面で突然予期せぬ人物が歌いだしたりしてびっくりする事もございましたね。
ゆ: そうそう、登場人物も今ひとつ感情移入しにくいところがありますよね、結局みんな嫌なやつだなあ、みたいな。
は: 確かにジェニファー・ハドソンが演じるエフィーは見方によってはタダのわがままな女みたいな感じがしますね。
ゆ: そうですね、それに歌を除けばそれ程大した演技をしているようには見えないんですが、本当に歌唱力だけでオスカーを獲ってしまった感があります。
は: 虐げられ続けてきた黒人社会から栄光をつかむ話なので、黒人の方でないと分かりにくい演技の綾のようなものもあるのでございましょう。
ゆ: 確かに私達日本人にはちょっとその辺は難しいですよね。エフィーの姓がホワイトなのはそういう意味ではとても皮肉ですな。

は: ちょっとした余興ではジャクソン5そっくりのグループが出ていましたね。
ゆ: あのかわいいマイコー少年が後年「Dirty Diana」などという歌を作るとは誰が予想したでしょうか(笑?
は: ご主人様現実と映画を混同しておられます(-.-)。というわけで、モータウンサウンドに思い入れのある方には色々と楽しめるミュージカル映画、という結論でお開きでございます。
ゆ: ありきたりの結論で申し訳ございません。やはり人種問題が絡むとレビューも難しゅうございます。