ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ビートサウンドNo.9

BEAT SOUND NO.9 (2007)―ロック世代のサウンド・マガジン (9) (別冊ステレオサウンド)
BEAT SOUND NO.9 (2007)―ロック世代のサウンド・マガジン (9) (別冊ステレオサウンド)

 ステサンは毎号買っているんですが、ビートサウンドは正直なところあまり買ったことがありません。しかし最新号の「音の革命を起こしたロック・ギターアルバム100選」という特集に惹かれて買ってみました。

 100選には特段の驚きも無かったですが、掲載されているギターは垂涎ものばかりで目の保養にはなりました。私の好きなマーク・ボランは「SPACEBALL RICOCHET」という歌の中で

「僕はチビだけど、レスポールさえあればとにかく生活をエンジョイできるんだ」

と歌っていますが、この特集ではもう一つのトレードマークだったGibson USA V-Factor Xが掲載されていました。所謂フライングーVというやつで、60年代後期型を愛用していたようです。

 もう一つ読んでいてなるほど、と思ったのはLED ZEPPELIN時代のジミー・ペイジのギターの音の解説。ペイジ兄さんといえば何といってもGibson Les Paul 58、59年型ですが、ピックアップの改造やエフェクタやアンプでの色々な工夫で自身のサウンド、ひいてはハードロックサウンドを確立していきました。その詳細をコピーバンドで活躍しておられるギタリストジミー桜井さんが解説しておられます。

 例えば代表的なロックンロールナンバーの「Black Dog」。オリジナルの「IV」とライブ「狂熱のライブ」でのギターの音はずいぶん違って聞こえますが、ライブでは58年型レスポールに、トランジスタ型のエコープレックスEP-3トレブルブースターかましマーシャルのアンプに繋いでいるそうです。まあ、レスポールとマーシャルだけではあんなに野太くてオーバードライブのかかったような音は出ませんわね。ちなみにこの時のレスポールではピックアップの改造はしていないそうです。(その後に59年型のレスポールで改造が行われたとのことでした。)そのほかにもハイアットのA級動作アンプでの音の歪ませ方とか、色々面白い話が満載でした。

 また、この本はステレオサウンドの別冊なので、和田博巳さんがオーディオ関係の記事を色々と担当されているんですが、本号ではアナログプレーヤーの聞き比べが興味深かったです。私が今注文中のXERXES20に満点をつけられていたのは嬉しかったですね。もちろんロクサンユーザーの和田さんの贔屓目もあるんでしょうが、もう一人の音楽評論家の方も褒められていたので、ロックサウンドにベストマッチであるのは間違いないようで、納品が楽しみです。