ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

パプリカ

パプリカ
は: 久々のゆうはむ映画レビューは話題作を提供し続けておりますマッド・ハウスのアニメ「パプリカ」でございます。
ゆ: 何しろ「パーフェクト・ブルー」の今敏監督に原作が筒井康隆大先生ですからね~、家内と見ていいものか、借りる時かなり勇気が要りました(^_^;)。
は: おまけにお嬢様が「絶対見る!」とご一緒されましたし(^.^)
ゆ: でもまあ、結果的にはそれ程目をそむけるような場面も無く、家族で楽しめました。

『  医療研究所が開発した他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”。だがそれが盗まれ、悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するように。一体、犯人の正体は? そして目的は何なのか?事件の解明に挑む美人セラピストの千葉敦子は、クライアントの夢の中へ容姿も性格もまったく違う夢探偵“パプリカ”となって入っていくが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていたのだった…。』 (AMAZON解説より)

原作/筒井康隆
監督・脚本/今 敏
脚本/水上清資
音楽/平沢進
音響監督/三間雅文
アニメーション制作/マッドハウス

声優:
千葉敦子・パプリカ:林原めぐみ
乾精次郎:江守徹
島寅太朗:堀勝之祐
時田浩作:古谷徹
粉川利美:大塚明夫
山内守雄:山寺宏一

は: 他人の夢に入り込む事によって生まれる悪夢のような世界、というのが一つのテーマでございますね。
ゆ: そう言うネタは昔からあるオーソドックスなものなんだけど、それにネットの虚構世界、所謂サイバー・パンクネタを無理のない程度に絡ませてありました。
は: ですから展開としてはそれほど無理も無く、かと言って飽きさせる事も無く、最後の夢世界と現実世界が通じてしまうシーンまで一気に観客を引きこむ力がございましたね。
ゆ: 記憶がもうおぼろですが、原作はもう少し話が込み入っていたと思うんです。そこを映画用にうまく枝葉を落として、すっきりとした話の展開にもっていきましたね。惜しむらくは最後の解決シーンのインパクトが弱くて、今ひとつカタルシスが得られなかったのが残念でした。
は: もう少しどろどろと壮絶な闘いを繰り広げて欲しかったところでございましょうか^^;。
ゆ: まあ一家揃って見るにはあの程度に抑えといたほうが良いですけどね(苦笑。

は: さて、その悪夢の映像ですが、総天然色オールカラーと言う古い映画の宣伝を思い出してしまうほど絢爛豪華な映像のオン・パレードでございました。
ゆ: 無機物のパレードあたりのきらびやかさや、主人公が空を翔けるシーンなんか爽快感がありますね、それがグロテスクな映像に刻々と変化して行く様も良く計算されていましたし、また筒井先生お得意の呪文のような言葉遊びも上手く採り入れてありました。
は: 筒井康隆様の作品で言いますと「虚構船団」あたりも髣髴とさせるようなパレードでございましたね。
ゆ: そうそう、それにジブリ平成貍合戦ぽんぽこをミックスさせたような映像でしたね。
は: ジブリと言えばラスボスの造形がもののけ姫ダイダラボッチぽい気もしました。
ゆ: 攻撃方法は巨神兵かな(爆。まあ、ストーリーはジブリとは似ても似つかわないものですし、パクりとか文句つけるような低レベルのものじゃないから良いんですけどね。

は: 映像に合わせて音楽もなかなか凝っておりましたね。
ゆ: オリエンタルムードあふれるシャントっぽいアンビエントをうまく使ってなかなか素晴らしいBGMだなあ、と導入部で感心してたんですけど、平沢進ってクレジットがあったので、どっかで聞いた事あるなと調べて見たら、なんと!
は: 「美術館であった人だろ」!でございましたね(^o^)
ゆ: 懐かしいねえ~、久しぶりに「In A Model Room」を聴きたくなりましたね。なお、魅惑のエンディングテーマ曲「白虎野の娘」はこちらでDLできますから是非聴いてみてください。

は: 声優さん方はもう一流どころでございますので安心して見ていられましたね。
ゆ: 綾波レイアムロが恋仲なんて変な感じでしたけどね(笑。
は: という訳で、最後に一言お願いします。
ゆ: 天才デブオタク、東京にあれだけ甚大な被害を出したのは元を糺せばあんたのせいじゃ(怒。
は: たしかにあれでハッピーエンドは無責任でございますねえ、賠償額を空想科学研究所に分析を依頼してはいかがでございましょう(苦笑。