ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

80年代邦楽ベスト25(1)学生時代編

Tkonightlight
 まことさんが80年代ロックベスト25の連動記事を書いてくださったのですが、その勢いで「邦楽ベスト2」をリクエストされてしまいました。わおっ!

 困った事に邦楽に関しては全く参考となる資料を持ち合わせていないので、全くの個人的嗜好を反映したものとなってしまいますが選んでみました。1アーチストで4、5枚選びたい人も複数いますので、今回も1アルバムの縛りを設けました。それでも結果的にはやっぱり学生時代だった80-82年に集中してしまいましたが、まあまあ王道かな(ホントか?
 という訳で、今回は一作ごとに簡単なコメントをつける形にしました。長くなりますので二回に分けさせていただきます、先ずは学生時代編を。

1980年 (順番は単にあいうえお順です)
RC Succession 「Rhapsody」
RHAPSODY NAKED (DVD付)
 初期の名曲「スロー・バラード」を産んだアルバム「シングル・マン」時代から様々のメンバーの変遷を経て完全にイメチェンし、80年代ロックの幕開けを告げたRCの傑作。一曲目「よォーこそ」なんて、バンド紹介だけでどうしてこんなに熱いの(笑、というわけでライブをスタジオ編集したアルバムなんですが、リンクは新作「Naked」、これも近々レビュー予定です。

大貫妙子 「Romantique」
ROMANTIQUE(紙ジャケット仕様)
 ター坊がYMOファミリーのバックアップを得て新境地を開いたアルバム。「Carnaval」は何回聴いても鳥肌が立ちます。

加藤和彦 「うたかたのオペラ」
うたかたのオペラ(紙ジャケット仕様)
 トノバンのヨーロッパ三部作の中核をなす作品。以前記事に取り上げた事がありますが、バブル前の時代によくこれだけの作品が作れたものだと今でも思います。

坂本龍一 「B-2 Unit」
B-2 UNIT
 YMO活動と平行してこんな過激で前衛的な作品を作っていた教授はさすがですね。アンディ・パートリッジやデニス・ポ-ヴェルの名前もクレジットされてます。通して聴くと疲れますがラストのプログレ風味漂よう「the end of Europe」で和んだりして^^;。

NACHIKO 「お花畑は水びたし」
 
80年代初頭に忽然として現われ、わずか3作品を残して姿を消した伝説のロック・シンガー、NACHIKOの第2作。以前記事にしたことがありますが、シュールな歌詞と四人囃子人脈のサポートを得て繰り広げられる演奏は圧巻、個人的には80年代最高のロック・クイーンだと思ってます。

PANTA & HAL 「TKO Night Light」
 和製ロックの極北を示す傑作中の傑作。今の人には信じられないでしょうけど、60-70年代には「日本語でロックは可能か?」という命題が大真面目で論じられていたのです。その命題に対して完璧な落とし前をつけたライブを2枚組LPにした作品で、私はこれ以上の邦楽ライブ・アルバムには未だに出会えていません。
 表ジャケット(冒頭写真)も最高、これ、デビッド・ボウイの「Heroes」を撮った鋤田正義氏の作品です。

ヒカシュー 「ヒカシュー
 おそらくDevoあたりに影響を受けたテクノポップの代表がヒカシュー、プラスティクス、P-Modelでした。本音を言えばP-Modelの「In A Model Room」に一票を投じたいのですが生憎1979年リリース、という事で、ヒカシューのデビュー作を御三家代表という事で(爆。もちろん巻上公一さん好きです。

松原みき 「Pocket Park」
Pocket Park
 これがデビュー作とは思えないほどの洗練された歌唱力には驚きました。林哲司作編曲の一曲目「真夜中のドア~Stay With Me」は今でも全く色褪せる事のない名曲。惜しい人を亡くしました。

MARIAH 「Yen Tricks」
 清水靖晃笹路正徳土方隆行をはじめとするマライア・プロジェクトと呼ばれる人脈はYMO人脈と並んで日本のその後の音楽界を支配する影響力を持っていきますが、これはMARIAH名義のデビュー作にして邦楽プログレの最高傑作だったと思います、、、と書くのも、当時借りてカセット録音で聴きまくっていたもので今持ってないんです(涙。自分の「LP探してますリスト」の邦楽最高ランクに位置しております。

吉田拓郎 「アジアの片隅で」
アジアの片隅で(紙ジャケット仕様)
 この年アメリカで録音した「シャングリ・ラ」も良いんですけど、やっぱり「アジアの片隅で」が入ってますから外せませんね。

 という訳で80年だけで10枚!1アーチスト1アルバムの縛りで選べなかった作品も多々あり、邦楽も洋楽も80年と言うのは奇跡のような年だったんですね。

1981年
Kazumi Band 「Talk You All Tight/頭狂奸児唐眼」

TALK YOU ALL TIGHT
 数ある渡辺香津美の作品の中でも個人的には一番好きです。先述したマライア人脈が全面参加というより、MARIAH featuring KAZUMIと言った方がいいとさえ思える作品で、最も彼がロックに近づいた時期かも。ちなみに漢字は「とうきょうがんじがらめ」と読みます。

吉田美奈子 「Monsters In Town」
モンスター・イン・タウン
 CCCD擁護発言ですっかり味噌をつけちゃったミナコ姐さんですが、当時は「ファンクの女王」として君臨しておられました。サポートするのはこれまたマライア人脈で最高にクール、土方隆行のカッティングギター最高です。「Town」を聴いた時の衝撃は今でも忘れられません。

Yellow Magic Orchestra 「Technodelic」
テクノデリック(初回限定紙ジャケット仕様)
 この年初頭に発表された「BGM」を陰とすれば見事に「陽」に転じた作品でどちらも傑作だと思いますが、こちらの方が面白いです。世界で初めてサンプリングマシンを導入したとか話題になりましたが、そんな事よりバリ音楽を取り入れた「Neue Tanz」の心地よさや、無駄に明るい「Taiso」なんかを単純に楽しんでましたね。

1982年
IPPU-DO 「LUNATIC MENU
 和製Japan(笑)一風堂の代表作、かな。シングル・ヒットした「すみれセプテンバー・ラブ」に騙されちゃいけません、実はこのアルバム、恐ろしくとんがった演奏が聴けるんです。B面一曲目の「ジャーマン・ロード」の疾走感なんか最高、「ラジオ・ファンタジー」も当時ファンには人気ありました。そう言えば土屋昌巳はその後本当にJapanに入っちゃいました。

という訳で、学生時代を思い出しながら14枚紹介しました。何れ劣らぬ傑作ばかりでしたが、後半には果たしてこれらを越えるアルバムがあるんでしょうか、お楽しみに。

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