ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ステラヴォックス試聴会@河口無線

Stellavox
 今日は大阪日本橋の老舗オーディオショップ河口無線で催されたステラヴォックスジャパンの試聴会に出かけてきました。今まで一度も聴き込む機会が無かったViolaBravoと、超弩級のお値段を誇るGoldmund Telos2500の機器比べを先日ラッセで十分鳴ってたJBLDD66000で行うというところにそそられたもので(^_^;)

主催:ステラヴォックスジャパン 
会場:河口無線3F「ハイフィデリティ 試聴室」 
日時:2月17日 1部:午後1:15~3:00  2部:午後3:15~5:00

1部: 最新のハイエンドモデルの競演(太字4機種が新製品)
LineUps:
CD/SACD: GOLDMUND 「EIDOS36REF」
PRE: GOLDMUND「MIMESIS22SIG」
PRE: GOLDMUND「MIMESIS27.3ME」、
POWER: GOLDMUND 「TELOS200」
POWER: GOLDMUND 「TELOS600」
SP: VIVID 「B1」
SP: PAWEL ACOUSTICS「ELEKTRA」
TURNTABLE::ROLF-KELCH 「BABY BLUE」
TONEARM: HELIUS「OMEGA-RUBY」(写真)
CARTRIDGE:WILSON-BENESCH「HYBRID」
PHONO EQ: GOLDMUND「 PH3」

Paelektra1部の日本初上陸、パウエル アコースティックの「ELEKTRA」は、小型SPながら厚みのある低域が印象的でした。今後注目されて来るのでは
ないでしょうか。(河口無線HPより)

 うっ、本家のアップ早っ!、私の後頭部も写ってるし^^;。という訳でまずはEnsembleの流れを汲むPawel Acousticsの新スピーカーがお目見え。冒頭写真のように小型でWilson AudioのWATTを思わせる台形SPですが、左写真の如く後ろにパッシブラジエターが付いてるのが特徴でしょうか。その為見かけ以上の低音が出ていましたが、だからといって低音ブリブリのソフトをかけまくるといったタイプではなく、小編成の器楽曲や声楽を美しく聴かせるSPでした。税抜き168万円と言うプライスタグの左端の1が無ければクラシック専用で欲しいです。ステラヴォックスの方のお話によると某評論家先生に

「高いと言われたらマジコよりは安いって言えば?」

と知恵を授けられたそうです(爆。

B1 次のSPは特徴的なフォルムで話題をさらったVIVID AudioのB1です。形状からも想像できるように所謂「SPが消える」タイプの現代型SPでした。個人的にはクラシックの通奏低音などで何か共鳴音のようなボーボーした感じがあるのが気になりました。あの特徴的なバスレフポートが前後についている影響かな、とか思いながら聴いてました。
 このSPの試聴で面白かったのはプリ、パワーの切り替え比較。激変したのはプリ。十分な実力のある27.3MEですが、新製品の22Sigに切り替えた途端雰囲気がガラッと変わったのにはビックリ。これは凄いプリだな、と思いました。デジタルに走っていたレバションさんがまだアナログの需要が多いという理由で22MEをブラッシュアップしただけの事はあります。値段も600万円台に乗って凄いですが。
 パワーのTelos200600の比較は、B1程度のSPでは200で十分と思いました。勿論ギターの胴鳴りの深さや懐の深さで600の優位性は良く分かりましたが、CP比を考えると200の圧勝。ただしプリが22Sigですけどね(苦笑。
 
 しかしまあなんですね~(桂小枝風)、冒頭写真見たらTelos 600が小さく見えちゃいます。という訳でお次は怒涛の超弩級アンプ対決です。

2部: 特別講師:オーディオ評論家 柳沢 功力氏 
 第2部はGOLDMUND 「MIMESIS22SIG」+「TELOS2500」とVIOLA 「CADENZA」+「BRAVO」でJBLの60周年記念モデルDD66000を徹底試聴と言う企画です。ちなみにVIOLA BLAVOは1セットをブリッジ接続でモノラルとして使用しているため2セットで鳴らしてます。めでたく両パワーアンプとも1000万円超(ただし税込み)です!

Bravotelos25002部のJBL「DD66000」をビオラとゴールドムンドの聞き比べでは、「BRAVO」との相性が良かったと感じました。(河口無線HPより)

 身も蓋もない感想だな(爆。実際そうなんですけど。勿論どちらもDD66000をドライブすると言う点においては何の問題もないですし、ビッグバンドジャズや大編成オケでは、先日のルーツサウンドさんのDD66000試聴会で用いていたクラッセパワーアンプとの差ははっきり感じました。その上での話なのですが、Goldmundの方に100Hzあたりに妙に硬質な盛り上がりを感じました。これだけの機種ですから敢えて耳障りとは言いませんが、耳に痛い感じがずっと付きまとって離れませんでした。

 ただ、河口無線のHPに書いてあるのはそのような個人的な感想ではなく、ソフトとの相性の事です。柳沢先生の定番ソフトであるローズマリー・クルーニーの「酒と薔薇の日々」での聴き比べで明らかにBRAVOのほうが相性が良く

「やはりアメリカ人の声にはアメリカのアンプが合う、これは血の問題ですね」

と言う話だったんですね。そしてその他の色々なソフトでもBRAVOの方が概ね良かったのは、やはりアメリカのSPとの相性だったのだと思います。だから逆に言えばムントのフル・エピローグとか、あるいは同じスイスのアクラボやピエガとかで鳴らしてたら結果は逆だった可能性は高いでしょう。でも、カナダのフランスで作っているクラッセも結構JBLに合ってましたけどね。

 柳沢先生のしゃべりは今日も好調でした。あのいかつい風貌に似合わない人懐っこい語り口は健在です。やっぱりついつい話題がJBLにシフトしていくので、ステラヴォックスの人に謝りっぱなしでしたね。
 かけていただいたソフトは定番でハイエンドオーディオショウでもおなじみのものばかりでしたが、一応書いておきます。個人的には4枚組みと聞いて購買意欲の無かったオランダ放送管のラフマニノフの2番がやはり良かったです。アマゾンポイントで買うかな(^_^;)

ローズマリー・クルーニー 「酒と薔薇の日々」
フォン=オッター 「I Am Just A Girl」
フォン=オッター 「鱒」
ハーゲン管弦楽団 「ショスタコビッチ弦楽四重奏8番3rd Mvt」
菅野邦彦 「枯葉」(多分)
カウント・ベイシー・オーケストラ 「CBエキスプレス」
エド・デ・ワールト&オランダ放送管「ラフマニノフ交響曲2番2nd Mvt」
クヴァストホフ&ネトレプコ 「The Mozart Album」より
内田光子モーツアルト幻想曲ニ短調
レべッカ・ピジョン「Auld Lang Syne/Bring It On Home To Me」

Heliusomegaruby_1 アナログをもっとかけて欲しかったですが、今日は一曲、それもステラヴォックスお馴染みのハリー・ベラフォンテだけ(苦笑。写真はロルフ・ケルヒのBABY BLUEに装着されたHeliusと言う会社のトーンアーム「オメガ・ルビー」です。セクシーな曲線を描く逸品ですがやっぱりお値段は高くて80万円程度するそうです。結構芯の太い音を出すようですね。ちなみにカートリッジはウィルソン・ベネッシュのハイブリッド、PEはGoldmundのPH3。
 そうそう、数年前のルーツサウンドの試聴会では「絶対作らない」と言っていたターンテーブルレバションさんついに作る気になっているそうです。来年初めくらいにはお目見えするそうで楽しみ、といっても手の届くお値段ではないんでしょうけど。