ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

僕の大事なコレクション

僕の大事なコレクション 特別版
は: 今月の映画レビューは中世イギリス文革中国と来て今回はなんとウクライナが舞台でございます。
ゆ: 今回はまことさんの記事で教えていただいた「僕の大事なコレクション」という映画です。

ジョナサンは、家族にまつわる品物をなんでもコレクションしてしまうという一風変わった趣味の持ち主。ある日、祖母からもらった写真をきっかけにウクライナに旅立つことになる。写真に写った祖父の命の恩人だという女性を捜すために。そんな彼を現地で出迎えたのは、ブロークンな英語しか話せない通訳兼ガイド、目が見えないと主張するドライバー、そして犬嫌いのジョナサンをお構いなしに吠えまくる盲導犬・・・。強烈なカルチャー・ショックを受けながらも、祖父の足跡を辿るジョナサンは、やがて思いもしなかった過去の物語を紐解いていくのだった。(AMAZON解説より)

は: 冒頭の写真はなんと「ロード・オブ・ザ・リング」のフロド役のイライジャ・ウッド様でございますね。
ゆ: そうそう、ビックリしましたねえ。「ロード・オブ・ザ・リング」はたかが指輪一つを捨てに行くだけなのに何でこんなに苦難の道を歩ませるの?と言う映画でしたが、今回はある土地を探しにはるばるアメリカからウクライナ出かける物語です。
は: 最初はコミカルなロードムービーものと思いましたが、、、
ゆ: 思わぬ深い話に展開して行きましたね。あのじいさん、只者ではないと思ってましたが、結局今回の主人公は彼だったんですな。
は: ご主人様、それ以上言うとネタバレでございます。監督のリーブ・シュライバー様は俳優さんで今回が初めての作品だそうですが、大したものでございますね。
ゆ: 姓から察するに、原作を読んでこの映画をどうしても自分の手で撮りたかったんでしょうね。結果ダ・ヴィンチ・コードより余程深みのある映画を作ってしまいましたね、ほんと大したもんです。
は: だからご主人様、ネタバレは御法度でございますってば(-_-;)

ゆ: じゃ、筋の方はあっちゃ置いといて、俳優さんの評価に参りましょうか、と言ってもイライジャを含めたった4人しか主要登場人物はいないんですが。ちなみに原作者ご本人が冒頭墓掃除のおじさんで登場してたようです。
は: 何と言っても強烈な存在感を示したのはウクライナ訛りの英語を駆使する珍妙な通訳にして例のおじいさんの孫役のユージン・ハッツ様ですね。
ゆ: タッパもあるし、ブレイクダンスムーンウォークもうまいし(笑、マシンガンみたいなトークアメリカとのカルチャーギャップを良く表現できていて秀逸だし、強烈な存在感を示してました。そういやウクライナ訛りの英語ってなんか一昔前のパンク野郎の英語みたいだなと思ってたら、彼ホントにパンクロッカーらしいです(爆。
は: イライジャ様の役名「ジョナサン」が言いにくそうでしたね(^_^;)。
ゆ: 「ジョン・ファン」になってたね、まるでヨギータみたいだ、って書こうと思ってたら、homさんに先に言われちゃいました(T_T)。
は: それは映画ピンクパンサーのフランス語訛りの「ハンバーグ」の件でございますね(~_~;)。

は: さて、視点を変えましてカメラワークでございますが、これがまた雄大な自然を丹念に描いていて秀逸でございました。
ゆ: ウクライナと言えば昔社会の授業で「世界の穀倉地帯」と習ったくらいですからな。あのおじいさんの言によると戦前はもっと豊かだったらしいからそりゃ凄かったんでしょうな。
は: 実はウクライナでなくてチェコでロケしたそうでございますよ(-.-)(ボソッ
ゆ: へっ?(゜o゜)が~んorz
は: まあまあそうそうしょげないでくださいませ、老婦人の家の周りのひまわり畑も見事でございましたね。
ゆ: ソフィア・ローレンの「ひまわり」を思い出しましたね。あれも旧ソ連が舞台でしたか。

は: では最後に一言願いします。
ゆ: 原題は

Everything Is Illuminated
(全ては解き明かされた)

と言うのですが、孫役のユージン・ハッツのモノローグにあるように、おじいさんの心の闇だけは完全には照らし出されぬままでしたね、それが大変深い余韻をこの映画に与えていると思いました。もちろん日本人には理解できない部分でもあるのでしょうけれども。
は: おじいさんの犬の名前がヒントでございましょうかね。
ゆ: そうそう、サミー・デービス・ジュニア・ジュニアと言うんですけれど、主人公のジョナサンが途中で疑問点を指摘しますが、それがどういう意味を持っていたのかを観る方が推測してその機微を楽しんでいただきたい映画ですね。