前回記事にしたのだめコンサートで一番良かったと書いたラヴェルのピアノ協奏曲ですが、オラシオさんに教えていただいたミケランジェリ(p)盤を早速購入してみました。ちなみに音友社の21世紀の名曲名盤 (3)では5位となっていますが、そんな順位はどうでもいいですね、歴史的感動的名演です。
ラヴェル:ピアノ協奏曲&ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番
1:ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調
2:ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第4番 ト短調 作品40
アルトゥーロ・ベネディッティ・ミケランジェリ(p)
エットーレ・グラチス指揮
フィルハーモニア管弦楽団
1957年3月 録音 (EMI)
歳がばれますが、私の生まれる数ヶ月前の録音なのですが、少しも古さを感じさせない素晴らしい録音です。EMIレーベルから予想のつくように、場所はやはりアビーロードNo.1スタジオ、プロデューサーはなんとDECCAの代名詞のようなヴィクター・オロフ氏です。EMIでも仕事していたんですね。エンジニアはネヴィル・ボイリングと記載されています。もちろんCDですので、リマスタリングされていて、アンドリュー・ウォルターが担当しています。ステサンのライターとしても有名だった岡俊雄先生が詳細な解説をかいてくださっていますが、菅野沖彦、故山中敬三、故瀬川冬樹の3氏が
1957年にこれほどのピアノの音が録れていたとは信じられないと唖然としそして感嘆した
そうです。
ラヴェルが書いた初の協奏曲ト長調は、解説によると、有名な左手のための協奏曲とほぼ同時に完成したそうです。3楽章からなり、
第1楽章: アレグラメンテ
第2楽章: アダージョ・アッサイ
第3楽章: プレスト
となっています。1と3が大変賑やかです。詳しくはオラシオさんの解説をどうぞ。先日第2楽章だけを聴いていたのでかなりショックでした(^_^;)。特に第3楽章は春の祭典とジャズとゴジラのテーマをごった煮にして猛烈なスピードで駆け抜けてしまう感じで、最終楽章にもかかわらず最短の3分50秒で終了します。
先日のコンサートで感動した第2楽章のピアノですが、さすがに稀代のヴァーチュオーゾミケランジェリ、これ以上ないと言うくらいの素晴らしい演奏です。右手を3/4拍子、左手を3/8拍子という独特のリズム・パターンでかなり長いソロ・パッセージが続くのですが、その深い慈愛に満ちた透明感溢れる旋律は、心の奥に宿る哀しみを少しずつ少しずつ洗い流してくれるかのよう。やがて木管や弦が加わって曲は盛り上がって行きますが、正直言ってミケランジェリのピアノの前では添え物に過ぎない感じも否めません。最後のこれまた長い長いトリルが深い余韻を残して終わります。、、、、、やっぱりこの前ののだめコンサート、
この曲で終わるべきだったんだ!