ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

中原の虹(1) 浅田次郎

中原の虹 第一巻
中原の虹 第一巻

英雄たちが、大地を駆ける。
隠された王者の証「龍玉」を求めて、壮大な冒険が、いま幕を開ける。
人間の強さと美しさを描ききった中国歴史小説、刊行開始!
「鬼でも仏でもねえ。俺様は、張作霖だ」
「汝、満州の覇者となれ」と予言を受けた貧しき青年、張作霖。のちに満州馬賊の長となるその男は、大いなる国の未来を、手に入れるのか。
栄華を誇った王朝に落日が迫り、新たなる英雄が生まれる。 (AMAZON解説より)

は: おや、ご主人様、何を感涙に咽んでおいででございます?
ゆ: ううっ、はむちぃよ、私は嬉しいぞ、まさかあの傑作「蒼穹の昴」の続編を読める日がくるとは、ううっ、生きててよかった(ToT)
は: 蒼穹の昴と申しますと、浅田次郎先生がお書きになられた清朝末期の中国歴史小説でございますね。ははぁ、先日のサブタイトルで「春児(ちゅんる)再び!」と書かれていたのはこの小説でございますね。
ゆ: そうなのだ、蒼穹の昴で餓死寸前の貧民から宦官になり、西大后に気に入られ出世していく主人公が春児なのだな、残念ながら今回はちょっとだけの顔見せに終わってしまったがのう、第2巻以降が楽しみじゃ。
は: 全4巻の予定でございますからね。

ゆ: そうそう、今回は生き別れになった春児の兄で馬賊李春雷(リイチュンレイ)にスポットが当たっておりました。
は: 本巻の主人公とも言える張作霖(チャンヅオリン)の子分になるのでございますが、このあたりの馬賊の活き活きとした活写は浅田先生の独壇場でございますね。
ゆ: そうそう、日本史の教科書なら張作霖

馬賊で日本軍に爆殺された

で終わってしまうんだよね。
は: それでは、何で日本史の教科書にいきなり馬賊の頭領が出てきてその頭領を暗殺する事が、歴史上の転換点になるような大事件なのか、何の説明も無しではさっぱりわかりませんよね。
ゆ: そうそう、それがまだ序章に過ぎないこの小説を読むだけであっという間に納得できるよ、これこそが生きた歴史を勉強すると言うことなんだと思うね。
は: 本当にその時代を追体験しているかのような気分になりますね。
ゆ: それには気の遠くなるほどの取材勉強が必要だったのだろうと思います。浅田先生のこの時代にかける情熱の凄さをひしひしと感じました。

は: あと3巻が待ち遠しいですね、ご主人様。
ゆ: いやいや、この小説がいつか終わってしまうと思うと悲しいよ、第4巻が出る日が逆に怖いくらいです。