ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Mahler's Sym 6/ Sir Georg Solti & CSO (5)

828
は: さて皆様、長々とおつき合いいただいて参りましたマーラー6番聴き比べ大会も本日で最後となりました。世間の祝賀ムードの中ではございますが、最後まで相変わらずのゆうはむ漫談でおつき合いくださいませ。
 さて、最終回は第3、4楽章でございます。なお視聴CDは(3)をご参照下さいませ。では先ず第3楽章ですが、ここへ来てぐっと曲想が和らぎ、転調して明るさも増し、ゆったりとした雰囲気に包まれます。

第3楽章
アンダンテ・モデラート 変ホ長調 4/4拍子
ショルティ: 15'30
インバル: 14'34
バーンスタイン: 16'16
ブーレーズ: 14'47
ヤンソンス: 15'13

ゆ: 1、2楽章とときてここで、というのがTak Saekiさんならずとも良いなあと思いますね。長さもちょうどこのくらいが良いですぅ~、私この楽章好きですぅ~(*^_^*)
は: なにが「すぅ~」ですか全く、歳を考えて下さいませ、歳を
(--〆)。まあ確かにご主人様のようなクラ初心者にも親しみやすいパートではございます。
ゆ: ただしさすがマーラーさん、一筋縄ではいきません、ただの明るい楽章では終わらせませんね。ところどころで短調長調の変調がありますし、半音階の不安定な旋律も挟まれています。
は: 同時期に作られた「亡き子をしのぶ歌」との関連が指摘されております。
ゆ: それで旋律に不安を感じさせる要素があるんでしょうね、そして溜めに溜めて終盤どどっと盛り上げるところなんかーーーん?どっかで聴いた手法だなあ(?_?)
は: ご主人様のお好きなキング・クリムゾンの手法に似ております。ボソッ(-.-)
ゆ: おおっ、そうじゃったのか、プログレ王道の元祖はマーラーと見つけたり~!
は: だからとっくにステサンのF氏に喝破されてますっちゅうに(-_-;)

ゆ: まあ、何はともあれ、各演奏を聴いてみましょ(^_^;)、さすがのショルティさんもここではゆったりと悠揚迫らざる態度で指揮しておられ、楽章全体を通してゆったりとしたテンポを貫いておられます。
は: この楽章はバーンスタイン様に次いでショルティ様が二番目に長うございます。
ゆ: それでいて全体を通して最短時間で終わる、何と言う緩急のメリハリの見事なことよのう。
は: ではメリハリの利いたショルティ盤がお気に入りと言う事で、、、
ゆ: まあアセるでない、はむちぃよ、実はショルティ盤は冒頭でヴァイオリンが妙に左に片寄っておってのう、それがどうにも気になって今一つ集中しきれないのだ。
は: 近代配置では第1、第2ともにヴァイオリンは向かって左でございますよね。
ゆ: それは分かってはいるのだが、他の盤はそれ程片寄ってないしねえ。、、、ま、それにね、実は他にとびきり気に入った盤があるのだ。
は: ほう、それはそれは、で、どれでございます?
ゆ: ブーレーズ盤なのだ。繊細きわまるヴァイオリンの主題演奏、後半の盛り上げ方の映画的高揚感、正直言って痺れましたな。ブーレーズさん、1,2楽章では半歩バーンスタインさんに及ばないかと思っていましたが、この楽章は完璧に私のスイートスポットにはまりました。あっさり過ぎるとか、ひ弱すぎるとか言う批評も出てきそうではあるけれど、私にはこれが最高ですな。
は: では、同じVPOのバーンスタイン様はいかがで?
ゆ: 「美しきこと比類なき演奏」ですが、ブーレーズに感じられるような、ほんの僅かな繊細さの有無で個人的には優劣が分かれました。また、ヤンソンスも悪くはなかったのですが、途中ちょっと打楽器がガチャガチャしている印象があるのが気になりました。
は: ライブゆえの瑕疵でしょうか?
ゆ: このCD、熱気とか、勢いとかのライブらしい雰囲気が殆ど感じられず、まるでスタジオ録音のようなんですけどね(^_^;)、あと、インバル盤は前にも話した様に本当に教科書的に折り目正しい演奏だと思いますが、も一つ訴えかけてくるものがなくて残念でした。
は: ということで、

第3楽章はブーレーズ盤に止めを刺す

と言う結論でございます。
ゆ: 付け加えますと、特に感銘を受けたのはSTAXで聴いた時でした。機会があれば是非石井式オーディオルームで聴いてみたいものです。

は: ではいよいよラストスパート、、、なるでしょうか(・_・;)、とっても不安な最終楽章に参りましょう!

第4楽章
終曲 アレグロモデラート ハ短調 2/2拍子
アレグロ・エネルジコ イ短調 4/4拍子
ショルティ: 27'40
インバル: 30'02
バーンスタイン: 33'06
ブーレーズ: 29'10
ヤンソンス: 30'43

ゆ: をい、はむちぃよ、何が不安なのじゃ(・・?
は: はっ、第4楽章を聴いておられるご主人様を見れば誰でも不安になられようかと、、
ゆ: うっ、そう言えばはむちぃよ、わしは病気かもしれん、この楽章を聴いていると時々度々

気を失ったり、あとで記憶が飛んでいたり

するのじゃ~(ToT)
は: 本職のご主人様には失礼ながら率直に申し上げてそういうのを

睡魔に襲われている

と言うのですっ(--〆)
ゆ: そ、そうだったのか(゜.゜)、わしがスイマーであるばっかりに。
は: 違いますっ(断言。ただ単にこの楽章が長いからでございましょっ!
ゆ: だからこそTak Saekiさんは一番短い怒涛のショルティをご紹介くださったのか、温かいご配慮じゃのう(゜.゜)(遠い目)
は: きっとTak様お得意の「 (違 」と言うコメントを頂く予感がいたします。何はともあれ、記憶の飛んでいるご主人様ではもう埒が開かない様でございますね。
ゆ: 一言だけ弁解させていただくと、マーラーのスコアって、特にこの楽章が際立っていると思うのですが、長さから緩急から強弱から実にアトランダムで、構想を考える前に次々に音符が頭の中に湧いて出てそのまんま楽譜に写してるんじゃないかというような気さえします。どこで一区切りつけるかどこで盛り上げるかどこで終わるか、素人にはサッパリわからんのですわ、ホンマ。この楽章なんか何度ああ、これで終わりか!と思った事か、トホホ、こう言ったフェイクをやられると最後は眠くなりますって^^;。
は: しつこいようですがフェイクではございません(-_-;)。仕方ございません、皆様にはお詫びがわりに、ここにTak Saeki様の感想を引用させていただきましょう。

何より素晴らしいのが、オケのアンサンブルとパワーである。この速いテンポでこの複雑な曲を演奏しておきながら、弦は揃い、金管は吠え、打楽器は叩き付けられる。特に両端楽章はこれ以上ない出来栄えである

4楽章の20'00"以降など、Soltiがシャカリキになって指揮している姿が目に浮かぶようである。これがCSO音楽監督になってから1年も経つかどうかの録音というのは、ちょっと信じ難いものがある。

ゆ: 実に見事な文章、さすがTakさん、って感心ばかりしていてはいけないのですが^^;、その通り!としか申し上げようがございません
m(__)m
は: というわけで

「未完成」

という雰囲気プンプンの尻すぼみで申し訳ありませんが、Tak Saeki様5Nゲット記念リクエス、この辺でお開きにさせていただきます。Tak様並びに読者の皆様、

「そんなつまらん漫才やめてまえ!」のお叱りの言葉もなく(by 人生幸朗師匠)

長のおつきあい、まことにありがとうございました。
ゆ: クラファンの皆様にはご無礼の数々、失礼いたしました。次のクラシックレビューがこわくて書けないなあとか思ったりもして、でも本当に大変勉強になりました。Tak Saekiさん今後ともよろしくお願いします。でも150000番は獲らないで(爆。