ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Mahler's Sym 6/ Sir Georg Solti & CSO (3)

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は: さて、いよいよ今回はマーラー交響曲6番のレビューの開始でございます。まずは比較試聴の為に用意いたしましたディスク(全てCD)をご紹介いたしましょう。西暦年数は録音年、通算時間は4楽章の総和でございまして、CDの記載時間と異なる場合がございます。

課題CD:Solti & CSO ( Decca, 1970 ) 76'49''
比較試聴盤:
Imbal & Frankfurt Radio SO ( Denon, 1986) 83'44"
Bernstein & VPO ( DG, 1988 ) 86'40"
Boulez & VPO ( DG, 1994 ) 79'12"
Jansons & LSO ( LSO Live, 2002) 81'52"
CSO: Chicago Symphony Orchestra, VPO: Vienna Philharmonic Orchestra, LSO: London Symphony Orchestra)

以上5種類を用意いたしました、インバル様以外は全て輸入盤でございます。試聴は主にプロフィール欄に記載のメインシステムで行っておりますが、今回は大変長時間にわたりますので奥様やお孃様への配慮から、Stax Earspeaker System SRS-4040をかなり併用いたしております。では、ご主人様、比較試聴盤につきコメントお願いいたします。

ゆ: うむ、はむちぃ君、長尺の解説ご苦労であった。まずインバル盤ですが、やはりマーラーショルティユダヤの方でございますから、もう一人はユダヤ系の方をと、、、
は: なるほど深い考察でございます。
ゆ: 言うのは後付けの理屈で、CD屋さんの閉店セールで30%引きと「DENONのワンポイントマイクによる素晴らしい録音」というキャッチコピーに惹かれて買ってしまいました。
は: はあ、さよですか、さすがご主人様(-_-;)、あとの3枚もHMVの輸入盤3枚セールでございましょ、きっと。
ゆ: 図星ですな(*^_^*)、でも結果的には同じユダヤ系の方の演奏でもこれだけ違うか、と勉強になりました。

は: VPOが2枚ございますね。
ゆ: VPOは以前はマーラー嫌いで有名だったそうですが、やっぱりマーラーの故郷ですし、弦の美しさも一級品ですからね。Tak SaekiさんはVPOをあまりお好きではないらしいのですが、それでもバーンスタイン盤はお持ちのようです。VPOのマーラー嫌いを払拭したのもバーンスタインだそうですし、おまけに「我が子をしのぶ歌」も入っておりお得でございます。
は: バーンスタイン様はアメリブーレーズ様はフランスと国際色も豊かでございますね。
ゆ: ちなみにこの2枚でVPOはレコ芸

21世紀の名曲名盤ランキング1,2位を独占

しております。バーンスタインに引けを取らないブーレーズの演奏も楽しみです。
は: 最後のヤンソンス様はラトビア出身の新進気鋭の指揮者でございますね。
ゆ: これで北欧バルト系の方も揃って大変バランスがよいですな(^o^)、まあ主な理由としては中間楽章がアンダンテースケルツォになってる最新のが一つ欲しかったというだけなんですけどね。

は: 先ずは率直なご感想をお願いいたします。
ゆ: さすがにクラシックだけあって、、、
は: ラクラしました、、、ではございませんでしょうね?
ゆ: 、、、、、(^_^;)
は: 図星のようでございます(-_-;)、まあ、平均時間約80分でございますからご主人様には無理もございませんが。
ゆ: 平均80分とは言え、同じスコアで良くぞこれだけ時間が違うものですな、最短のショルティ盤と最長のバーンスタイン盤では約10分も差があります、こりゃあ

高校野球プロ野球の平均試合時間の差

に匹敵するんじゃないでしょうか。
は: なるほど、Tak Saeki様が

この演奏を聴いた後ではどの演奏も遅くてイライラ してしまう

と感想を述べられておられるのもむべなるかなでございます。具体的には70分台のショルティブーレーズCD1枚、80分代の他が全て2枚組みと言うところにも現れておりますね。
ゆ: ソニー帝王カラヤン様にお伺いを立てて彼の第9でCDの最長収録時間を決めたと言う逸話がありますが、それをまたぐ時間差があるわけですね。ところで面白いことには、この曲の肝とされる第1,2(S)楽章のテンポで全てが決まっているか、と言うとそうでもないんですね。如何にこの交響曲の進行に緩急強弱が入り乱れてるかがわかりますな。第3楽章(アンダンテ)なんかあれほど勢いのあるショルティ盤が二番目に長いですしね。

は: では、御主人様はどの盤の時間が最適とお考えですか?
ゆ: そこなんだよ、はむちぃ君!!!
は: わおっ(>_<)、久しぶりの大声、クリビツでビックル飲んでしまいそうでございます、何でございます?ご主人様、トホホ。
ゆ: 言ってみれば、この5人の演奏はマーラーの名曲のカバーなわけだ。
は: はあはあ、マーラー様がどういう風に指揮してたか判らないと比較しようがないと。
ゆ: イエ~ス、さすがはむちぃ君、ビックルの飲み込みが早い!
は: もう長いおつきあいでございます故(-"-)、まあ確かにマーラー様も指揮者でございました故この曲を振った事もおありかもしれませんが、音源が残っていない以上どうしようもございませんね。
ゆ: これがクラシックの困ったところなんだよね~
は: またまた偉そうに、トホホ。
ゆ: その上であえて推測すると、指揮者の思い入れのようなものを極力排除して教科書的に指揮棒を振っているのはインバル盤のような気がするんだよね、面白みはないけど100点満点の模範解答を見るような気がしますた。そう言えば録音してるDENONにもそう言うところがあるな(^_^;)。

は: そう言えば録音はオーディオ的に見て如何でございました?
ゆ: クラシックの録音についてあまり大きなことは言えないんだが、そのDENONが一番平板でおまけにもこもこしてる気がしたなあ、まあ廉価再発盤だと言う事を差し引かなくちゃいけないんだろうけど、他の4つが全て輸入盤と言う事も大きいかもね。
は: 先ずはショルティ様のDecca盤はいかがです?
ゆ: Tak Saekiさんお勧めですからね、悪かろう筈がございません。リマスタリングしてあるんですがとても1970年と言う一番古い録音とは思えません。特にティンパニの革の張り具合、響き具合が抜群に気持ち良かったです。
は: 他に感銘を受けられた盤はございましたか?
ゆ: 他ではSTAXで聴いた時のバーンスタインの第一楽章の底知れぬ深みに大変感銘を受けました。ただS/N比が良いとか言うだけではなく演奏の深みまで心得てCDに刻んでいるような、、、
う~ん、なんていうんだろうなあ、透明度と陰翳の次元が違うと言うのかなあ?ダイビングの経験のある方はコンディションの良い時の沖縄の海と本土近海の透明度の違いを想像していただければと思いますが。
は: さすがクラのボキャブラリに乏しいご主人様、そこへ持って行かれますか(;一_一)
 さて、今回も思いのほか長くなってまいりましたので、具体的な検討は次回に持ち越しさせていただきます、皆様、飽きずにご覧下さいませ。m(__)m