ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

今井町再び

Shounennji
 昨日実家の母から、「NHKの新日本紀行ふたたび今井町が出るから観て」と電話がありました。私の実家がある奈良県橿原市今井町室町時代から続き、江戸時代からの町並みが残る町です。昨年のお正月に拙ブログで何回かに分けて取り上げた事があるのを覚えてくださっている方もおられると思いますが、昨日の番組を観ると、町並み保存の現実はやはり厳しいものがありました。

 冒頭の写真は浄土真宗称念寺で、この寺を中心にして町人の城下町(寺内町といいます)として興ったのが今井町であったわけです。今回のTV番組はこのお寺を中心に取り扱っていました。
 このお寺は有名な茶人今井宗久の流れを汲む由緒正しい家系で、今も今井姓です。20年前の新日本紀行に登場した前住職の故今井博道先生は今井町の町並み保存にその生涯をかけられた立派な方でした。しかしその分自分のお寺は後回しになってしまい、現在称念寺は老朽化が進み、5年後に大規模な改築が予定され、その費用は何と16億円とのこと。気の遠くなるような数字です。あとで母親に電話して聞いたところ、国が10億円程度出してくれるが、そのほかは檀家が中心になって工面しなくてはいけないようです。私の家は浄土宗で檀家ではないのですが、称念寺の檀家の数を考えると、一軒数百万円という途方もない金額になります。
 更に驚いたのは、跡を継いだ博道先生の長男さんが病に倒れられ、介護職をされていた長女の慶子さんが現在跡を次いでおられるとの事。実は慶子さんは私の小学校の一年先輩で、子供心に日本人離れした凄く綺麗な人やなあと思った記憶があります。今回TVに出ておられたお顔にその頃の面影が残っていて嬉しかった反面、苦労され少しやつれておられるなあと、心が痛みました。どうか此の難局を乗り越えられますように。なんと言っても称念寺今井町の象徴であり、心のよりどころですから。

 また、やはりこの街も空洞化が進み、今、80軒も空き家が出ていることもショックでした。TVで観ると、やはりあの状況では借り手なんかつかないだろうと思いますが、あとで母に訊いたところ、あの状況だから安くで貸せるので改築してしまうと家賃が途方も無く上がってしまうのだという事。難しいものですね、NPOが立ち上がっているとの事ですが、現実は厳しいと思います。
 家内にボヤいたら、「じゃあ、あなたあそこに住める?」と切り替えされてしまいました。確かに。中を石井式オーディオルームに改造して男の秘密部屋にでもするか^^;。

Sugidama1
 おまけで、杉玉今井町の有名な酒造元河合家です。以前の記事で「もうしておられないはず」などと失礼な事を書いてしまいました。今回の番組で、私の子供の頃の名士だったお祖母さんの跡を、孫娘のお孃さんが継いで頑張っておられることを知りました。今井慶子さんともども、頑張っていただきたいものです。