ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

CAPA IN COLOR@神戸大丸

Capaincolor2
(カード集とチケットをコラージュ)

 神戸大丸でロバート・キャパの写真展が催されているので出かけてきました。

リンク: ロバート・キャパ写真展 CAPA IN COLOR

Capadaimaru_1開催場所:大丸ミュージアムKOBE(大丸神戸店9階)

 戦争写真の歴史をひもとけば、カラーフィルムの特性と印刷技術の限界から、仏領インドシナ戦争(1954~)の時代までそのほとんどがモノクロ作品でし た。しかし60年の時を経て、キャパが撮影した第二次世界大戦時の未発表カラー作品が、ニューヨークのマグナムの事務所で大量に発見されたのです。

これら作品群はその存在自体もまったく知られておらず、しかもネガでなくカラースライドで保存されていた為、フィルムの劣化もほとんど認められませんでした。
色鮮やかなカラーの世界に、1941年当時の兵士達が蘇り、“歴史上最も悲惨な戦争”といわれる第二次世界大戦においても、キャパが色彩豊かで感覚的な美しさを、きわめて巧みに写真に表現していたことが見て取れ、我々に深い感銘を与えます。

本 展では歴史上貴重な発見でもある、世界初公開の第二次世界大戦のカラー写真を中心に、友人でもあった文豪ヘミングウェイとその家族の肖像や、戦後復興しつ つある日本、また最後の地となった仏領インドシナ(現ベトナム)で、地雷を踏む直前の写真まで、すべて“フルカラー”で約130点を展示します。(上記リンク先解説より)

 あの時代にもうこれだけの綺麗なカラー写真の技術が確立されていたのかと感心しました。
 キャパもカラー写真を意識してか、多くの写真で空の青、海の藍、草原の緑を意識的に強調して撮っているように思えます。彼の代表的著書「ちょっとピンボケ」という本のせいか、モノクロのちょっとピンボケの写真が彼の特質であるかのような先入観を抱きがちですが、今回のカラー写真群にはピントの曖昧なものは一枚もありません。また、ネガではなく、スライドの形で保存されていたため、保存状態もとても良好です。

 特に大西洋の輸送船上や英国空軍基地の突き抜けるような空の青さは、眼に沁みるほどでした。
 日本の写真は1954年、まだ私は生まれておりませんが、京都や故郷の近くの天理市等とても懐かしい気持ちになりました。
 そして、最期の地仏領インドシナでの死の直前まで撮影されていた写真にはーーーやはり感慨を禁じえませんでした。

 6月12日まで開催されています。デパートの中での開催ということで規模は小さいかな、と思われるかもしれませんが、写真の数は多く、とても見応えがあります。お近くのかたは是非どうぞ。