ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

クラブステラヴォックス年末大試聴会@神戸

germanphysiks
 18日の日曜日にルーツサウンド主催の試聴会に出かけてきました。

クラブステラヴォックス年末大試聴会
Date:  Dec.18th, 2005
Place: 神戸チサンホテル
講師: 菅野沖彦先生
司会: ステラヴォックスジャパン 西川社長
セッティング: ゼファン 安藤氏

 新レコード演奏家論を著わされたばかりの菅野沖彦先生のご講演と総額ウン千万円の豪華なシステムでクラシックを聴く、まあ贅沢な時間を堪能してきました。実は今まで不思議と菅野先生の御講演をお聞きする機会が無かったので、やっと拝聴できた、という感じでした。
 内容はもちろんレコード演奏家論が中心で、紙面では度々目にしていましたのでデジャブのような気がしないでもなかったですが、先生から直にお聞きすると説得力も倍増、というところでしょうか。先生も某巨大掲示板等で展開されている批判はご存じのようで、

レコード演奏家と言うのはあくまでも敬称

として尊敬の念をこめて申し上げているのだ、と強調されていました。

Syetem 1
CD Player: EIDOS 36-2CH  \3500K
Preamplifier: MIMESIS 24ME  \5000K
Poweramplifier:  TELOS 600×2 \5100K(pair)
Loudspeaker: German Physiks HRS120 \2500K

演奏曲目
1:ブレンデル、マッケラス、スコットランド室内響モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番&第17番よりTr1;ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414第1楽章
2:ポリーニショパン:夜想曲全集(初回限定盤)よりTr.2;作品9 第2番 変ホ長調(第2番)

 今日のメインはタイムロードからゼファンに扱いが変更になったGerman Physiksのスピーカーです。でも駆動する機器だって凄い。まずはフルGoldmundです。このシステムで鳴らせないスピーカーなんてあろうはずもありませんが、HRS120から聴こえてきたモーツアルトとピアノ協奏曲は大変優雅で幽玄でさえありました。ただ、ホテルの一室という条件の悪さなのか、ウーファーの音がにじんでいるようで、それは気になりました。菅野先生もウーファーまで無志向性にこだわることはないんだが、とおっしゃっておられました。

 2曲目のポリーニで菅野先生もいよいよエンジン全開。

これはご婦人方には理解できないかもしれないが宝石と同じなんですよ。ポリーニの演奏をいつでも自宅で聴けるなんてこんな贅沢な話はない。こんな素晴らしい演奏を、それこそ10万円以下のシステムで聴くと言うのはあまりにも失礼な行為だとはおもいませんか!

 確かに素晴らしい演奏でした。ショパンノクターンの中でおそらく最も有名な9-2ですが実に高潔で深みのある演奏です。1と同じスタインウェイらしいのですが、全く質感が違い高音のきらきらした感じをあえて抑えて弾いている気がします。
じゃあ

いくらかければポリーニに失礼がないんだ?

というまぜっかえしが聞こえてきそうですが、まあ、今回のシステムは十分すぎるくらい十分であることは間違いありません。ただ惜しむらくは前回のフルGoldmundで聴かせてもらった次元の違う音が聴けなかったこと。今回は結線の説明がなかったのですが、ひょっとしたらデジタル伝送でなくTelosまではアナログで入っていたのかもしれません。まあ、Epilogue1&2と比べるのがいけないのかも知れませんが。

System 2:
CD Player: EIDOS 36-2CH  \3500K
Preamplifier: Viola Spirito \4900K
Power Amplifier: Viola Bravo 2 Box Set  \4700K
Channel Devider: Accuphase(?)
Environmental Equalizer (今回はスルー)
Tweeter Unit: German Physiks Troubadour 40 (300Hz, -24dB/Oct専用ネットワーク) \1000K
Woofer Unit: JBL Plympus Woofer Unit 1500AL(これはいつもルーツさんにあるやつ)

演奏曲目
3:ヴァンスカ&ラハティSO、カレリア組曲より2トラック
4:ホルツマイアー(バリトンシューベルト:歌曲集「冬の旅」よりTr11;春の夢
5:クヴァストホフ(バスバリトンシューベルト:歌曲集<美しい水車小屋の娘>よりTr18;枯れた花
6:バルトリメゾソプラノゆかしい月よ/イタリア歌曲集よりTr8;ドニゼッティ;愛と死
7:バーバラ・ボニー(ソプラノ)わが夢の都ウィーン~ウィーン・オペレッタ集よりTr8;J.シュトラウス2世;ヴェネツィアの一夜」~ほろ酔い気分
8:庄司紗矢香、メータ、イスラエルPHO:パガニーニ:VN協奏曲第1番より
Tr1:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調op.6

 第2部は単体のDDDとJBLウーファーの組み合わせです。このほうが低音も締まり、全体のバランスか好ましい感じがしました。このウーファーはルーツサウンドさんにいつも置いてあるOLYMPUSに入っている1500ALです。だからできればルーツサウンドさんの試聴室で入念にセッティングされた状態でその上にトルバドールを置いて聴いてみたかったです。
 まあとにもかくにもDDDは無志向性ドライバーですのでどこにいても音がちゃんと定位している、というのは大変な長所です。また菅野先生によると今まで言われていたほどセッティングは難しくないそうです。音質的にも、ステサンを読んでおられる方には周知の事実ですが、

あいつは狂ったとよく言われる(爆笑)が、僕はこの音は大変ナチュラルで、ミキシングの現場に最も近い音がすると感じている

と惚れ込んでおられます。まあ、この値段ですからあとは好みの音かそうでないか、という問題になってはくると思います。個人的には今までにない定位の仕方に若干の戸惑いがありました。また、輪郭の描き方がクラシック的でジャズやロックにあうんだろうかという気はしました。でも300Hzあたりから30000KHzあたりまで一本でカバーしてしまうツイーターというのは確かにマルチウェイを組まれる方には魅力的ですね。菅野先生も

今はスピーカーと言えば一本で全部ついているものを指すようになった、昔はマルチを組むのがスピーカーでしたよね、ここに居られる皆さんはそういう方々ばかりだと思いますが

と笑いをとっておられました。先生、すみません私は違います。---でも、考えようによってはマルチか?チャンデバは通してないけど(^_^;)

 申し送れましたがアンプはViolaに替わっています。柳沢先生を始め多くの先生方がべた褒めされておられるアンプですが、うーん、もちろん駆動力には何の不足もないんですが、私はもう一つピンと来ませんでした、スマソ。

 ちなみに試聴のメインはボーカルの質感の違いを感じていただく、と言うことで、4から7まで4人の有名どころのクラシック歌手をじっくりと聴かせていただきました。やっぱりこのあたりの歌を言語も理解して楽しめるような方々にはViolaはたまらない魅力があるんでしょうね。
 庄司紗矢香の8は、彼女が鮮烈なデビューを飾り一世を風靡した演奏です。でも、信じられないくらいうまい、と言うことはわかるのですが、それ以上は私には理解不能でした。
 結局私にとって一番良かったのは

最近DDDを導入してシベリウスばかり聴くようになった

と先生がおっしゃられたカレリア組曲からの2曲。これは音の清々しさも全体の統一感も素晴らしい!と思いました。JBLウーファーになったからかな、と最初は思いましたが、それ以降のCDと比べてみても一番良かったですので、DDDの特色と最も良くあっている演奏なのかもしれませんね。皮肉なことにこれだけがAMAZONで探し出せませんでした(涙。

suganosig 終了後御疲れのところを無理をお願いして持参した色紙にサインをいただきました。

入魂の音

おお、何という重いテーマを頂いてしまったことか!

ちなみに横においてあるのは何と!mundkutubera

Goldmundの靴べら

です、これで私もGoldmund Ownerだヽ(^o^)丿