ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Harry Potter and the Goblet of Fire

Harry Potter and the Goblet of Fire (UK) (Paper) (4)

 7月15日の記事で11月の映画公開までに読まねば、と書いていたHarry Potter and the Goblet of Fire (UK) (Paper) (4)をようやく読了しました。と言ってもしんどいとかいう感じはなく、なかなか充実した楽しい時間を過ごせました。

 いまや14歳となった魔法使いの孤児ハリーがマグル(非魔法使いの人間)の親戚を離れてホグワーツ魔法魔術学校に戻れる日まで、残すところ2週間となっていた。そんなある晩、ハリーは不吉な夢を見て、稲妻形の傷が激しく痛みだす。彼は不安になり、人目を忍んで生きている自分の名づけ親、シリウス・ブラックに連絡を取る。幸い、今シーズン初のスポーツイベント、クィディッチ・ワールドカップを観戦できる喜びで、ハリーは復活をたくらむ悪の権化ヴォルデモード卿とその邪悪な手下、デス・イーターたちが殺しをたくらんでいることをしばらく忘れることができた。そしていよいよ4年目の新学期が始まる。その最初の祝宴の席でダンブルドア校長から驚くべきイベントが発表される。なんと今年はクィディッチ・マッチが行われないというのだ。。だがその代わりに、ホグワーツ校とほかの2つの魔術学校── おしゃれなボーバトンズ校と冷淡なダームストラング校── とで、3魔法使いトーナメントが開催されるという。各学校の代表に選ばれた者が3つの究極の試練に立ち向かうことになっている。ハリーは年齢制限があり、挑戦できるはずもないのだが意外なことにーーー。(AMAZON解説より、少し改変)

 Takiさんから、量も更に多くなるし、今度はフランス訛り、ブルガリア訛りの英語も出てくるので大変ですよ、と忠告を受けていたのですが、この異国語訛りは悩ましいと言うよりはむしろ楽しかったです。

 ただ今回のローリングさんの文章には永遠のライバル国フランスに対する底意地の悪さが覗いたり、遥か東方の田舎である東欧に対する蔑視とまではいかなくともほのかなさげすみが垣間見えたりと、失礼ながら高慢さを感じるように思いました。七つの海を制覇した英国人としてのプライドというのは一人一人の英国人に根強く宿っているんだなあと思いましたね。

 ただ、確かに分量は大変でした。原則的には一章読了するごとに「ハリー・ポッター」Vol.4が英語で楽しく読める本ハリー・ポッターと炎のゴブレット 上下巻2冊セット (4)をチェックするようにして進めていきました。でもやはりプロットの面白さからか、あまりしんどいとは思いませんでした。そして、終盤に入るとあまりのスリリングな展開に我を忘れて没頭してしまい、上記2冊の参考書をすっ飛ばして最後まで読んでしまいました。

 まだ映画が公開されてないのでネタバレは止めておきますが、ついにこの巻で犠牲者が出てしまいます。その悲痛さは本当に胸を締め付けられ、涙で読み進めない場面もいくつかありました。今度の映画にはハンカチが要りそうですよ、みなさん。実は昨日の読了後「チャーリーズ・エンジェル」を不覚にも見てしまったのですが、バンバン人が死んでいってるのに最後にけらけら笑ってる3人組の美女を見ると、この物語とのあまりの落差にちょっとむかつきましたね(-_-;)

 そして、ホグワーツ校に潜む真犯人は誰か、の謎解きも脱帽です。

あの薬をプロットに組み込んだら何でもありジャン、反則だよ

という批判も聞こえてきそうですが、そこは見事なストーリー展開に免じて多めに見ましょう。

 

 ところで、今までの作品は第一章が必ず魔法使い嫌いの育て親ダーズリー家の描写から始まっていましたが、本作品において初めてその原則が破られます。前作「Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (UK) (Paper) (3)」に於いて最後にハリーが許した為に逃亡した悪役が第一章においていきなり登場するプロット展開から見て、前作と本作は明らかに密接にリンクしており、一つの作品ととらえるべきかと思います。そうすると個人的には古今の傑作ミステリー群に決してひけをとらない素晴らしい大作なのではないかと思います。

 さて、そうなると気になるのが映画。今までの作品も3時間前後かかっていたし、これだけ長くなると「風とともに去りぬ」や「アラビアのロレンス」みたいにIntermissionが要るんじゃないでしょうかね。どこを端折るかに監督脚本の腕が問われるところですが、スタッフ・キャスティング情報を見るとまた監督が替わったみたいです。3作目の雰囲気が好きだったので残念といえば残念です。マイク・ニューウェルという人は「フォー・ウェディング」くらいしか知りませんが、まあクリス・コロンバスが製作で残っているし、ポール・ラドクリフエマ・ワトソン以下キャストもほぼ同じメンバーなのでそう大きな変化はないと思います。

clemens_pansy 新キャラではハリー憧れのチョウ・チャン(ケイティ・レオン)もさることながらやっぱり蠱惑系魔女族ヴィーラの血をひくフランス魔女である絶世の美女フルール・デラクールを誰がやるのかに注目が集まると思います。デビューしたてのころのドミニク・サンダとかイザベル・アジャーニくらいの人材を持ってこないとね。

 Clemence Poesyという女優さんらしいですが、う~ん写真で見る限りは失礼ながらチョト役不足(^_^;)?もっといい写真なかったのかなあ。

 まあ映画は楽しみにおいとくとして、「Harry Potter and the Order of the Phoenix (UK) (Paper) (5)」をどうするか、今悩んでおります。ますます暗くなっていくという話だし分量もますます増えてるし。

 まあ、いくつか平行して読んでる本もありますし、久しぶりに違う英米文学も読みたいのでとりあえずハリポタは一休みします。