ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

いま、会いにーー

 いきます、じゃあないのか!?ゆきますは凄く違和感があるぞ!...アーカイブだぁ?なんちゅうネーミングだ、意味判ってて使ってんのか??というわけで最初から疑心暗鬼で見てしまいました。感想は一言、「あっさりした映画」でした。Tak Saekiさんがいみじくも喝破されておられますが、「自分がこの映画を見ること自体が間違いだった」かも。
いま、会いにゆきます 
いま、会いにゆきます スタンダード・エディション

 梅雨が訪れたある日、6歳の息子と暮らす巧(中村獅童)の前に、病気で死んだ妻・澪(竹内結子)が現われた。澪は死ぬ前に、1年後の雨の季節に戻ってくると言い残していたのだった。巧たちは記憶を持たない彼女を迎え入れ、再び家族としての生活を過ごすのだが…。    市川拓司の同名ベストセラー小説を映画化したラブストーリー。ファンタジーの衣を纏ってはいるものの、そこで強く訴えられているのは家族愛そのものであり、その点をきちんと描いているあたりがもっとも好感の持てる部分である。これが映画デビューの土井裕泰監督は、テレビ出身ということもあってか、映画的活写力に幾分欠けているきらいはあるものの、今回の題材は叙情的資質とマッチしていることもあって、さほど不満を抱かずに画面に没頭できる。透明感あふれるキャストそれぞれの好演も認めていい。(的田也寸志)(AMAZON解説より)

 的田氏には悪いけど、ファンタジーの衣を纏っているんじゃなくて、

ただの底浅なファンタジー

じゃん(ToT)。まあ、タイムスリップの同時二重存在のパラドックスをうまく回避して、物語に整合性をつけましたね、というほめ言葉くらいしか思い浮かばないです。

 家族愛を強く訴えている?そうかなあ。家族の描き方は安手のTVドラマ並みに浅くておざなりです。主人公二人、特に中村獅童の役柄に必然性と説得力がないし、「子供の可愛さ」だけで泣かせてしまおうという魂胆がミエミエ。いろいろな伏線にしてもツッコミどころ満載過ぎてアホらしくなってくるほど。

 おまけに周辺人物が輪をかけてあっさりと描かれていて、いてもいなくてもいいんじゃない?と思ってしまうほど。獅童の叔父さんの名優中村嘉葎雄さんなんか寝てばかり。最後になんかおいしい出番があるのかと思ったら、結局最後まで寝てばかり。主人公を慕う女性もどうなんだか。さりげない演技がさりげないままに役目を終わりました。まあ、最後に幽霊を前にして自分を主張しろといわれたって困るでしょうけど。主人公の主治医もありがちな「いい先生」設定というだけ。結局本筋にはなんら影響を及ぼさず。主人公が「妻が帰ってきた」と言ってるんだからもっとビックリしろよ。精神科に回すとか、実際見に行くとか。小学校教師のYOUも地でやってるだけという印象。演技まで行ってません。

 美しい長野の自然を切り取ったカメラワークは見事です。ですけど、本筋の合間合間にスライドショーを見せられているような感じで話しに溶け込んでいません。主人公の家や廃墟も大変きれいです。でもこの映画、どの時代の設定なんだ(・・?、と最後まで悩ませるようなセットは組まないでくれ(-_-;)。医院なんか昭和30年代かと思ったぞ、プッシュフォンの電話さえなければ。

 一緒に見た家内も子供には泣かされていましたが終わったあとはけろっとして、軽い映画やねえと申しておりました。というわけでいまの日本映画の実力の凄さを認識させていただきました。これは今の日本の文化の程度でもあるのでしょうか?

 最後に誉めるところを残しておきました。竹内結子、現実離れしてきれいです。以上。