ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

LOVERS

 映画Lovers、早く見たいとは思っていたのですが、レンタル屋さんで貸し出し中が続いていたのでまだ見てませんでした。昨日やっと見ることができました---が。

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西暦859年、唐代の中国で、朝廷は反乱軍最大の『飛刀門』撲滅を画策。官史の金と瀏に、指導者を10日以内に捕らえるように命ずる。飛刀門の娘と思われる小妹は目が不自由で、金は反乱戦士を装い小妹に接近。捕らえられた彼女を救出するふりして、敵のアジトまで導かせようと企むが、旅の途中でふたりの心はひかれあってしまう。

小妹にチャン・ツィイー、金に金城武、瀏にアンディ・ラウ。中国、台湾、香港のスターの豪華共演となる本作は、チャン・イーモウ監督作で、同じくイーモウ作品 『HERO』のスタッフ・チームがアジアのドリームキャストを迎えて放つ衝撃のアクション超大作。(AMAZON解説より)

 もはやアジアの巨匠と呼ぶにふさわしいチャン・イーモウの美意識が前面に出た美しい画面、チャン・ツィイーアンディ・ラウ金城武三者三様の演技力と存在感、お決まりのワイヤーアクション等等、アジアアクション映画の粋を集めて最後まで飽きさせないところは流石です。

 しかーし、今回は見終わったあと、え?という気抜けした感じに襲われてしまいました。前作HEROが深い余韻を残す名作だっただけにちょっと拍子抜けの度合い大。

 とにかく今回はどんでん返しの連続で一体

誰が謀って誰が謀られてるのか後半最後近くまで分からない

というところまではいいのですが、謀の目標があまりに小さすぎて、何じゃそら?と思ってしまうのです。

 以下ネタバレになりますが、結局家刀門という反乱組織が内偵を放ったりして捕まえようとしたのは自らが駒に過ぎないといってる唐朝廷の末端役人の金城武一人。前回のHEROの標的が秦の始皇帝だったのに比べるとあまりにセコすぎないか?

 それでいて彼一人捕まえるのにそこまでしなくていいだろう、という劇的展開。そして結局は壊滅を示唆するエンディング。あまりに失うものの多い謀略に開いた口が塞がりません(^_^;)。

 これもネタバレになりますが、アンディ・ラウさんの役どころはそのまんまインファナル・アフェアとだぶりますね。

 まあ、この3人が好きで、チャン・イーモウの美しい風景描写が好きなら一度は見て損はありません。まあ過大な期待はしないほうが良いかな、というのが今回の結論です。エンディングの歌があのオペラ歌手のキャスリーン・バトルというのも中身のセコさに比べると泣かせます(^_^;)。