NHK衛星劇場で来週ポール・オースターの映画が二本放送されます。彼は現在米国文学を代表する作家の一人ですが、この時期映画にも積極的にコミットしていました。いぜんアーヴィングの時にも書きましたが、さすが映画王国ですね。
5月23日(月) 後8:00~9:54
ニューヨーク、ブルックリンの街角にあるタバコ屋を舞台に、そこに集まる人々を通して日常生活のなかでなにげなく交錯するさまざまな人生模様を温かく描く。現代アメリカ文学を代表する作家ポール・オースターの短編小説を、香港出身のウェイン・ワン監督が映画化。ハーベイ・カイテルやウィリアム・ハートなど個性豊かな俳優が好演し、ベルリン映画祭銀熊賞を受賞した。
なんといってもハーベイ・カイテルがいいです。よくレビューなどに「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」を基にした作品と書いてありますが、その部分を待っているとーーー。ということであまりそれにこだわらず見た方がいいです。なお「翻訳夜話」と言う本には「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」の原文、村上春樹訳、柴田元幸訳が掲載されております。ファンにはたまりません。
なお、続編として作られた「ブルー・イン・ザ・フェイス」は半分ノンフィクションでNYを描いておりますが、冒頭になんとルー・リードのインタビューが出てきたり、端役でマドンナが飛び入り出演したりと、思わずにやりとさせられる映画です。
5月24日(火) 後8:00~9:45
「スモーク」の脚本を書いたアメリカの人気作家P・オースターが監督を務めた文学的色彩の濃い作品。ニューヨーク、マンハッタンで発砲事件に巻き込まれてしまったサックス奏者のイジーは、サックスの演奏ができなくなり、絶望の日々を送っていた。道端で偶然見つけたカバンが一人の女性と出会うきっかけとなり、彼女と恋に落ちる… 。ハーベイ・カイテル、ミラ・ソルヴィーノ、ウィレム・デフォーによる豪華共演も見もの。
いかにもポール・オースターらしい不思議な感覚を持ったラブ・ロマンス。久しぶりに楽しもうと思っております。
それにしても「The Book Of Illusions」映画化されないかなあ。プロットも奇想天外な上に、小説の中に何本ものサイレント映画が出てくると言う、本当に映画化を前提に描いたような面白い小説なのですが。