ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

花あれば

花あれば西行の日と思うべし     角川源義
cherry-blossom

 当地は神戸といっても標高が高いため、昨日あたりからやっと開花が始まりました。過去にも何回か紹介したことのある北区の北の市境、三木、吉川と接する淡河町の公園に昼休みに出かけて撮ってきました。ほったいものNemotaさんも記事に書いておられましたが、やはり桜を見ると心騒ぎますよね。日本人のDNAに組み込まれているかのようです。
 
 さて冒頭の句は、まず間違いなく西行法師のこの句を下敷きにしていると思われます。

願わくば 花のもとにて 春死なむ その如月の 望月のころ

 若い頃は何と豪華絢爛な大見得を切ったような句だなあ、と思っていたのですが、齢を重ねるにつれ少しずつ考え方が変わってきました。来年も春を迎えて桜を見たい、それまででいいからなんとか命を永らえていたいという思いがあの句を読ませたのではないかな、と今は思うようになりました。素直に詠めば

願わくは 今ひとたびの花を見む 

というところでしょうか。