昨日の毎日新聞夕刊に英訳者ジェイ・ルービン氏が「村上春樹の普遍性」というエッセイを寄稿しておられました。その中でルービン氏は「ねじまき鳥クロニクル」に出てくる赤坂ナツメグの子供時代の話を引き合いに出し、村上春樹が最も魅力を放つ<瞬間>は国籍に関係なく世界中の人々が全く同じように反応できると語っておられます。ナツメグの思い出というのは
満州時代に父が動物園に勤めており、色々な動物のにおいが染み付いているのが好きだった。色々な動物の入り混じった匂いは毎日香水の配合を変えるみたいに変わるのでいつも膝の上に乗ってくんくん嗅いでいた。
というような内容です。
何気ない日常をうまく文章の中で泳がせる術に長け、読者にどう語れば効果的かまで知り尽くしている村上氏のことだから、動物の匂いという強烈な官能性も計算づくのことだろうとルービン氏は推定しています。おそらくそのとおりでしょう。毎日のページ数をきっちりと決めて朝しか書かないと決めている人ですからね。
それはそうと、あっと思い出した事がありました。自分でも忘れていてこんなこというのもなんですが、Kafka On The Shoreという記事を覚えておられる方はおられるでしょうか。「海辺のカフカ」の英訳本が1月に出るので楽しみ、と書いたのですが、
まだついていない!
ことにはっと気が付いてしまいました(^_^;)。アマゾンで調べてみたらーー
「発送予定日1月7-9日:未発送」
なんじゃこりゃ。ただいま問い合わせ中。