ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ドレスデン国立美術館展

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 あまりマスコミで話題になっていませんが、実はフェルメールの絵画が今日本に来ているんです。現在神戸、その次は東京に行く予定。でもって、陽気に誘われて行ってまいりました。

兵庫県立美術館-「芸術の館」-【展覧会】

 震災のあと再開発された三宮の東の海岸沿いの地区がHAT神戸です。そこの目玉の一つとして高名な安藤忠雄氏の設計で立てられた美術館が新兵庫県立美術館。もともとは王子公園の向かいにあったのですが、ここに移転してきてからは初めて行きました。

 駐車場が空いていたのはラッキーでしたが、まあ建物の複雑で分かりにくいこと!すっかり迷ってしまい、安藤氏独特のコンクリート打ちっぱなしの迷宮回廊階段を行き来することしばし。ようやく係員を見つけてたずねると

ここは3階でまずそこにあるEVで1階に下りて奥へ行きそこからあっちの奥からもう一度建物に入って右に曲がったところにあるinformationのところからまたEVで3階に上がると展覧会入り口

とのこと。なんじゃそりゃ(怒。

(まあまあご主人様、そうかかっかなさらないで、いい運動になりましたでございましょ)

(うむ、60KCal位は消費したな)

 さて、この美術展はドイツ東部中心都市のドレスデン、というよりは16世紀繁栄を誇ったザクセン公国のお宝がごっそりと日本にやってきたという優れものの展覧会です。最盛期の君主アウグスト強王の栄華が偲ばれる戴冠衣装や敵国オスマン・トルコの武具、中国、日本の磁器、模倣で作らせたマイセン、フランス、イタリア、オランダの美術品等々通常の展覧会と異なり多種多彩な展示品であふれておりました。

 連休のはじめの土曜日というのにそれほど混んでおらず、目玉のフェルメールの「窓辺で手紙を読む若い女」も、ゆっくりと見ることが出来ました。これは王が購入した時はレンブラントの作品とされており後にフェルメールの作品と分かった曰く付きのものですが、どう見てもフェルメール!というくらい非常に緻密な写実と光の陰影の見事な作品でした。個人的にはベッドカバーの絨毯生地のような質感が印象に残りました。

 そのほかの目玉はレンブラントの「ガニュメデスの誘拐」でしょうか。これは鷲に化けたジュピターが美少年ガニュメデスを誘拐するという神話に基づいたものですが、その神話が禁断の性愛を暗喩しているのに対する皮肉としてレンブラントはお漏らしする赤ちゃんを描いています。だから赤ちゃんの顔も結構不細工に描いてあり、そのへん、なかなか楽しめる作品でした。それに加えて今回の来日に際しキャンバスを掃除したところ左下端に小さく嘆き悲しむ母親の顔が浮かび上がったとのこと。なんか心霊写真みたいでしたけどね(^_^;)。

 個人的にはノルウェイ出身のロマン派ダールの「満月のドレスデン」という作品に何となく惹かれました。また、刀剣類の保存状態がよく鋭利な光を放っているのが印象的でした。有田や伊万里もこういうところでマイセンと並べてあるとそれほど愛国心が無くても少し誇らしくなりますね。

 それにしてもオイル・オン・キャンバスの風景画を見ると、昔NHK衛星でやってた「ボブのジョイ・オブ・ペインティング」という30分で見事な風景画が描けるという番組を思い出して笑いがこみ上げてきてしまいます。

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