今回のイベントで一番感銘を受けたのはアクシスのブースでした。午後1時10分からの三浦先生の講演によるアコースティック・エナジーのデモと午後4時からのFMアコースティクスの社長マニュエル・フーバー氏自らのデモの何れも、こういう場(ホテルの一室)のイベントとしては異例に良い音を聴けました。
左からFM711、AE1MkIII、XS-III
アコースティック・エナジー社のトールボーイタイプのSPAE3MkIIは大変清潔な音空間の中に精密な音像を形成しており驚きました。三浦先生お得意のリビングストン・テイラーや白鳥由美子などは絶品でした。
スキャンスピーク社製(合併して社名は変わったそうです)ウェーブガイドと呼ぶセンタープラグを搭載したソフトリングドームのツィーターと、リジッドなエンクロージャー(フィニッシュも美しい)が利いているものと思われます。ウーファーが2機向かい合わせに側面下方にあり、190Hz以下を受け持っているとのことでちょっと低音の処理が難しそうです。演奏によっては中高域と分離して低音が聴こえる印象もありました。190Hzあたりだと方向性も聴き取れますしね。どちらかというとブックシェルフタイプのAE1MkIIIに上質なサブウーファーを組み合わせたほうが面白いかも。
ちなみにドライブしていたのはFMアコのアンプ、不足があろう筈はありません。CDトランスポートとDACはニューカマーのワイス社製(JASONとMEDEA,神話の夫婦だそう)でした。トラポのJASONは未だプロトタイプで後のFMアコのデモのときトラッキングが悪く飛びまくってました。
実は午前中覗いた時に外人さんがしきりにセッティングの指導をしているなと思っていたのですが、それがFMアコの社長マニュエル・フーバー氏でした。彼自らのチョイスによる大阪では初演となる超高級SP:XS-IIIは素晴らしかったです。値段も素晴らしいですが。(確か700万円台後半、ってことはFMアコにしては安いか?)なお、先ほど述べたようにCDのほうはトラポの調子がいまひとつで(氏も苦笑いしておられました)、氏自ら持参されたアナログ盤の演奏が中心となりました。
LineUpは;
カートリッジ:Magic Diamond(氏の知り合いのメーカーがDENON103をモディファイしたもの、ここの社長はすぐいなくなってなかなかつかまらないとか^^;)
ターンテーブル:Well TemperedのReference
フォノEQ:FM221と聞こえたのですが、カタログを見ると222でしょうか。
リネアライザー:FM233
プリアンプ:FM266
パワーアンプ:FM711 x2
一体総額幾らするんでしょうか^^;。なお、XS-IIIは通常は専用のアンプでバイアンプ駆動するそうです。
贅を尽くしたシステムですが、音はこけおどし的なところは全くなく、非常にナチュラルなそれでいて分解能の恐ろしく高い異次元の音でした。ちょっと音像が独特で不思議な音空間でしたがスーパーツイーターが後ろにあるためのようです。このシステムで、古いデッカのモノラル録音からイーグルス・ライブのホテル・カリフォルニアまで聴かせて頂き、至福の時間でした。
熱弁をふるうフーバー氏。なお、アクシスの社長さんとのQ&Aでなぜ機器の説明をしないんだとの問いに「今日は皆さんに音楽そのものを楽しんでもらいたいから」とのこと。余裕ですね。