ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

アフターダーク

Amazon.co.jp: 本: アフターダーク

 村上春樹の書き下ろし新作が10月頃出そうです。氏は現在季刊「ステレオサウンド」に連載を持っておられます。その最新号で、海外の某地にこもって新作を執筆中だと書いておられましたが、それがこの作品なんでしょう。

 村上春樹の小説の本質が冥界譚であると喝破したのは三浦雅士(村上春樹と柴田元幸のもうひとつのアメリカ)ですが、前作「海辺のカフカ」では三浦先生の助言を待つまでもなく冥界譚でした(^_^;)。構成的には「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と似ているような気がしましたが、やや散漫で読後の印象が薄い嫌いがあったように思いました。さて今度はどんな冥界譚となるのでしょうか。

 まあ、氏の小説は本質的なところ以外にも音楽の趣味、出てくる料理、不思議な感覚の比喩等の小道具が豊富で、それが自分の感覚と合えば十分楽しめます。ステサンでの連載では2大ピアニストの伝記を持っていって読んでいると書いておられましたが、はてさて今回はどんな音楽が出てくるのでしょうか。