ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

映画と私(2)小さな恋のメロディ

 そんなわけで私が映画ファンにならないわけは無く、大映系列でしたから「ガメラ」「大魔神」シリーズは殆どすべてリアルタイムでみました。渥美マリには早すぎましたけどね^^;。祖父が手広く映画館経営をしていた関係で、いろいろな映画館の招待券が手に入るもので、中学生の頃は日曜日になるとどこかの映画館に出かけていました。一日3本くらいはしごした事もありました。

 ちょうどその頃日本で爆発的なブームになったのが「小さな恋のメロディ」でした。小学生が結婚したくて起こす大騒動という他愛無いと言えば他愛無いラブコメディでしたが、ワリス・フセインの描くロンドンの情景(朝もやが空けていくシーン、屋台の金魚売のシーンなんか有名です)や子供達の生き生きとした生態(タバコをふかす場面もあれば教師にお尻を鞭でぶたれる場面もあり)は子供心に実に新鮮でした。日本で爆発的に人気が出たのは、もちろんマスコミが煽りに煽ったこともありましたが(浜村淳さんなんか最先鋒(^^)でした)、その当時の日本では望むべくも無い英国の小学生の日常への憧れという点に秘密があったのではないかと思います。海辺でのデート、墓場でのデート、遊園地、どれもこれも羨ましくって仕方なかったですね。男の子の家と女の子の家との貧富の差もさりげなく描かれていましたが、私なんか貧しい方の女の子の家で出たハムが美味しそうでよだれをたらしていました(苦笑。

 俳優はジャック・ワイルドを除いては殆ど無名の人たちばかりでしたが、かえってそれが新鮮だったように思います。主演のメロディ役のトレーシー・ハイドは日本ではスクリーン誌など映画雑誌の人気投票1位を独占するほどの人気が出ましたが、残念ながら日本だけの人気でこれ一作で消えてしまいました。今で言うと「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー役の女の子に少し雰囲気が似ているような気がします。

 音楽も新鮮でした。ビージーズの曲がたくさん出てきていい雰囲気をかもしています。ラストのあまりにも有名なトロッコのシーンではCSN&Yの「Teach Your Children」がとてもあっていてよかったです。

 私の中ではいまだに洋画ベスト1の作品です。