ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

the structure of the moment / soha

the structure of moment

  日本のインスト・ロックバンドsohaの初アルバム「the structure of the moment」です。ロック大好きの娘が教えてくれましたのですが、なかなか切れ味鋭いソリッドな演奏なので気に入って買ってみました。暑い夏にぴったりのクールで痛快なアルバムです。

『 soha are

masafumi eno: drums
aiichiro tanaka: guitar, right side of the view
hikaru okumura: bass
masayuki intani: guitar, left side of the view

guest chorus: fumiko (from 朱夏/SHUKA) on #5

1. post sentiunt
2. after the rain
3. 3/4
4. LIKE HOME
5. A Reflexion
6. Little My Quates
7. 創造による構造

 インストゥルメンタル・ロックバンド、sohaの初音源。語り合うかのように掛け合う2本のギター、土台を支えながらも先陣を切ってサウンドを弄んでいるようにも聴こえるドラミング、シックかつ男らしいベースライン、4人の音と意図が調和し重なる時に初めて生まれる景色が詰まっている。レコーディング・エンジニアに池田洋(hmc)を、ミックス&マスタリングに美濃隆章(toe)を迎えた、ストイックで繊細美に満ちた1枚。(AMAOZON 解説より) 』

 sohaはドラム、ベース、ツインギターという変則的な構成の4人組。ツインギターと言えば思い出すのがWishbone Ashですが、違うのはボーカルレスであること。
 でも私の世代になると最近の若い方のボーカルはどうも馴染めないので、むしろ高度なテクニックの持ち主が多いインストバンドの方が安心して聴けます。

 実際聴いてみますとプログレ、あるいはポストロックの系譜を引いているような印象のある、スピード感と透明感のある切れ味シャープな演奏で、喧伝されているようにロックにしては珍しい繊細なメロディラインも駆使しています。

 そして痛快なくらいみんなバカテク。特にドラムのeno(イーノではなくエノさんらしい)は、私の大好きなビル・ブルフォードをちょっと思い出させるくらい手数が多くて変則的な拍子も難なくこなすテクニカル系のドラマー。ロックというと体力勝負のパワー系のドラマーが多い中で貴重な存在だと思いますね。

 彼とともにリズムセクションを担当するベースのokumuraも単なるリズムキープ役にとどまることなく、ポイントポイントで曲に良いインパクトを与えるソロを取っています。宣伝の「シックかつ男らしい」というのはよく分かりませんが。。。

 そしてtanaka,intani二人のギターの作り出す世界。結構リズムセクションが突っ走るのでアルペジオでバックアップする場面も多いですが、そのアルペジオからのソロはYoutubeで公開されている「After The Rain」などを聴いてもぐっとひきつけられるものがあります。あまり長い美メロのソロは取りませんが、その分短いリフを受け渡ししたりして疾走感をかもし出しています。

 アルバム構成にもちょっとした工夫があり、4曲目の「LIKE HOME」で若干チェンジオブペース。イントロはSadeあたりのスムースジャズを思い出させます。次いで5曲目の「A Reflexion」。坂本美雨を思い出させるような透明かな触れる女性コーラスから始まるのはとてもいい雰囲気です。朱夏というバンドのfumikoさんという方らしいです。と言っても全然知らないんですが(^_^;)。

 6,7曲目はまた元に戻ってこのバンド本来のビートで駆け抜けます。

 というわけで、暑い夏にお勧めのロック・アルバムです。