ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

拙宅オフ会: ウェルフロートボード導入再び

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 先日CDPのインシュレーターボードとして導入したウェルフロートボードに好感触を得たので、マイミクの京都人さんを通じて、ジークレフ社主のLanciastさんにターンテーブルXerxes20用のウェルフロートボードを大きさ指定で特注で作成していただきました。
 本日そのお二人とYoshiさん、cobaさんの四名が拙宅にいらっしゃいました。わざわざボードを納入していただいた上に、スピーカーの下に敷く実験もしていただきました。

 まず、現状での拙宅の音を聴いていただきました。ボーカル、ヴァイオリン、ピアノ、オケ、cobaさんの持ち込まれたビッグ・バンド・ジャズなどを一通り聴いて頂いた後、京都人さんから

「シェヘラザードでは、フォルテシモで中高音が固まって喧しくなる傾向があります。これはトゥイーターなどこの製品の問題ではなく、レコードの録音とカートリッジとの相性、AD変換の際の問題、床からの振動反射によるトゥイーターの振動などからだと思われます。
また、スピーカーを直接床に設置した場合の逃れられない床振動があるため、その振動同士の位相の違いによって低域が出すぎたり引っ込んだりしているようです。30Hzあたりの超低域となるとほとんどのSPで減衰しているのであまり問題ではありません。その上の70-90Hzあたりが盛り上り、その上の帯域では少し痩せている部分とまた盛り上っている部分があるように聞こえます。これをひょうたんのようなバランスと言った訳です。
しかしながら、中高域の問題も低域の問題もWellFloatをスピーカの下に敷くことによって大いに解決できると予想できます。」

とご指摘いただきました。確かに今の私の生活は「仕事 → ジムトレーニング → 帰って午後9時以降で小音量でオーディオを聴きながら読書とネット」と言う行動パターンが定着していますので、大音量で聴くことはまずありません。
 ですから今回一応プログラムを組んでオフ会用に音量設定したのですが、それが自分では大音量に聴こえていてもまだ小さかったわけですね。床の影響はその通りで、黒檀、金属、BDRのウェットカーボンといろいろ試してはいたのですが、消去法で黒檀にしていたので決して満足しているわけではありませんでした。

 また、50Hz以下の極低音は出ない一方で50-100Hzあたりの低音がブーミーになると、私自身も感じていました。

 その傾向がCDPではウェルフロートボードにより改善してきていたように思っていましたので、早速ターンテーブルの下に納入したボードを敷いてみました。予想通り、アルゲリッチのピアノの音は柔らかくなり、ハイファイセット山本潤子さんの声もナチュラルになり、アコースティックギターの音に余計な付帯音が無くなって素直な響きになりました。

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 ここでしばらくティーブレイクで色々とお話を伺った後、いよいよご持参いただいたウェルフロートボードをスピーカー用に用いる実験をしていただきました。スパイク受けには同社のウェルディスクを用いていただきました。

 まずピアノ調律音源のテストディスク。これが特許を取る決め手になったそうです。聞き取りやすいようにヴェルグマイスターIIIを用いたとのことです。N0.1,2にはG-Dの完全5度より6セント狭い5度が録音してあります(平均律の5度は2セント狭い5度です)。この場合ビート(うなり)が生じます。これがウェルフルートボードをスピーカーの下に用いると明瞭に聞き取れますが、他の置き方だとなかなか聞き取れないそうです。特許の審査官もそれまでは懐疑的だったのに、この違いを聞いて納得されたそうです。

 敷かない状態(フローリングに黒檀ベースのスパイク受け)でもうなりは聞こえましたが、ウェルフロート上ではより明瞭に聞き取れ、確かにその効果は明らかでした。

 そしてソフトの試聴に入ります。明らかに低音のブーミーさが改善されたことが一聴して分かりました。ジルベルシュタイン(p)とアバド+ベルリンフィルラフマニノフのピアノコンチェルト第2番第三楽章では低音の音階が明瞭に聞き取れるようになりました。ひょうたん型のバランスがややピラミッド型に近くなり、高音域の品位は保たれたまま、きつさが取れてきました。
 その後色々な自分が普段聞いているソフトを聴いてみましたが、コリン・メイの「Love Song For #1」でのピアノの音が明らかにすきっとして、少し音がこもりがちだったのが録音のせいでないことが分かりました。コリンの声質もDolonさん宅で聴いた柔らかく温かみのある声に少し似てきたように思いました。

 そして導入の決めてとなったソフトはトーマス・エンコのピアノ・ソロ「Feathers」から、最近はいつも寝る前に聴いている「Letting You Go」、もう弱音部から強音部まで完璧で非の打ち所が有りません。ピアノ好きの私の心は決まりました。

 その後、Yoshiさんのソフトであるブルッフスコットランド幻想曲や「君が代」などを聴かせて頂きましたが、ヴァイオリンをはじめとする弦の美しさとハーモニーや、大太鼓の明瞭さが印象に残りました。

 一番心配で導入をためらわせていた揺れによる転倒の危険性もむしろ少なくなることが実際に分かりましたし、床に振動が伝わらないことによる戸外への遮音効果も確認できました。と言うわけでサイズを決めて注文させていただきました。

 Lanciastさん、京都人さん、Yoshiさん、cobaさん、お疲れ様でした、そしてありがとうございました。