歴史の裏に暗躍する謎のコウモリを触媒に日本史・世界史の暗闇を描く壮大な物語「Billy Bat」の新刊、第16巻に突入です。前回第15巻のレビューを再掲して今回の巻をツッコミますと
「 Billy Batも15巻に突入しました。一言言っておきます。
まだ終わりません!
どこまで引っ張るねん(-_-;)。 」
→ まだまだ引っ張ります。
「 そして最大のサプライズは、彼が生きていると判明したこと。本巻では姿を見せませんが、多分次巻では姿を見せるでしょう。 」
→ 元気な姿はまだ見られません。
ジャッキーにBilly Batが語りかけた言葉
「 「ジャッキーひさしぶりだな」「今から言うことは大事なことだからちゃんと覚えろ」「20010911」(前回は11以外は伏せていましたがもう伏せなくてもいいでしょう)だ、ちゃんと覚えろ!!さもないと........」
→ まだ20010911まで行きません(-"-)。
『 自由を象徴する二つの塔・・・・・・
そして旋回するテロリストの飛行機・・・・・・
そのイメージを最後に、
漫画が描けなくなったケヴィン。
だが、その続きを描く
鮮烈な才能の持ち主が現れる・・・・・・!!
破滅と混乱の物語。
それは新たな黙示録なのか!?
現代に向かって刻まれる
一大歴史SF絵巻は
ついにこの時に到達した!!
二〇〇一年九月十一日、
その瞬間は迫る!!
(単行本帯より)』
個人的には今回のハイライトは
1) 偽チャック・カルキンとアジア系女性ナオミとの間に出来た子ティミー・サナダが成長して再登場。漫画「Billy Bat」を描けなくなったケヴィン・グッドマンのあとを継ぐこととなります。そしてそのプロットは明らかにウサマ・ビン・ラディン対アメリカの構図になっている、つまり、
「漫画ビリー・バットで世界から愛されたアメリカが攻撃される」
2) 故唐麻雑風先生の熱烈なファンだった懐かしのデブキャラ山下君が再登場、コウモリの影に導かれるままに紀州からJFK空港に飛び、さらにタクシーで辿り着いたのはなんとジャッキー・モモチのアパートメント!
3) いまやBilly Batの声が聞こえるのジャッキーだけになっており、それも不完全。それでもBilly Batはジャッキーに促します。「ケヴィン・グッドマンの元へ急げ!」と。
ジャッキーは「声」にもういい加減嫌気がさしているんですが、山下君が飛び込んできたことによってまたまた事件の渦の中へと巻き込まれていくのでした~、ああ可哀想なジャッキー(笑。
そのあたりはまずまず楽しめるのですが「白でも黒でもない本当の正しいコウモリ」とか今更言われてももうええわ、という感じ(^^;)。。。
そもそも歴史上の様々な局面を描いてきた本作品で「9・11」が何故それほど重大なんでしょうか?また、最後にティミーが「ニューヨークだと思うんです」と自信たっぷりに言いますが、あの事件はニューヨークのWTCビルだけが襲われたのではなく同時多発テロだったはず。。。
いったい何処に落とし所を見出すのか、もう全く予想がつかなくなりました。それにしてもあの殺し屋は誰に殺されたんでしょう?アメリカの闇は深い。文字通りその奥底にいるフィニー大尉のこの言葉が今回最も印象に残りました。
「予知したとしても起きるものは起きる。予知して未然に防ぐことができるのならそれは元々起きることのなかった事実だろ。起きてしまうことを言い当てるから予言なんだよ。」
いやあ見事に預言というものの核心を突いた箴言です。でも今までの主人公たちの苦労を全否定してますね(苦笑。
というわけで、なんだかんだ言っても面白いことは面白い。まだまだ読み続けることになるんでしょう。ここまで来たら最後まで付き合いますぞ。