ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

聖☆おにいさん (11)

聖☆おにいさん(11) (モーニング KC)

 天界からヴァカンスに地上に降りてきたエスブッダの立川ライフを軽妙に描き続ける中村光の「聖☆おにいさん」も早11巻目。きな臭い現実の宗教問題とは無縁に延々と続いておりますが、さすがに宗教ネタも尽きてきたか、マンネリ気味。スマホFacebookインスタグラム、果てはGoogleの陣取りゲーム「イングレス」まで使って新味を出そうとしてますが、出てくる面子が固定されてきただけにいくら使っている素材が新しくても、個人的にはあんまり面白くなかったです。

 そんな中であえて面白かった回をあげると、最初の「柄じゃないキャラじゃない」かな。ネガチブキャラの代表格裏切者・イスカリオテユダ君がなんとポジティブシンキングセミナーで目覚めてポジティブで行こうと心変わりした!という設定。ヘタウマの絵てがみが絶妙。

「わたしはわたしのままで私」
「過去のことだもの」
「くよくよしてたら前が見えないよ」
「逆に、いいじゃない。」
うん、相田某よりずっといい!(ちなみに私は相田某は好かんのです)

 さらには畑で野菜を育てようとするユダ。その畑は生前下界で買った土地でありましてそのお値段は

銀貨30枚

血の畑、キリストを裏切った金で買った土地ですね。
 
 で、最後はイエスににこやかにあることを言われて元通り、きっちりとオチがついております。

 第二話の「悪魔を憐れむ初夏」もハエの王ベルゼブブがイジラレまくられるところがなかなかよろしい。蝿と言う字が良い感じでゆる~く象形文字化して笑わせてくれます。

 最初に書いたように、今回はそこまでかなあ。この先どこまで続けられるのか、ちょっと難しいところに来てますね。そう言えばこのごろ大家の松田さんやヤクザの竜二さんが出てこないなあ、ちょっとさびしい。