( アンコール三曲目のみ撮影許可、中央:南里沙、右手ギター:渡辺具義、左手グランドピアノ:ただすけ)
去年の10月に台風でやむなく中止となった南里沙さんの代替公演の日がついにやってきました。念願の南さんのクロマチックハーモニカを堪能してきました。
自由席で運良く南さんの真正面の席が取れ、4オクターブと2音あるというクロマチックハーモニカの、豊穣で、伸びやかな音色と、ある時は繊細、ある時はアグレッシブな演奏を堪能することが出来ました。クールな渡辺さんのギター、ほんわかとしたただすけさんのピアノ(スタインウェイ)のサポートも素晴らしく、とても充実したコンサートでした。
終了後この日のためにまだ買っていなかった「plays J-songs」を購入してサインを頂いた上に握手までしていただきました。
南里沙 クロマチックハーモニカコンサート
神戸朝日ホール
2015.02.01 16:30- (台風のため2014.10.13からの順延)
南里沙: クロマチックハーモニカ
渡辺具義: ギター
ただすけ: ピアノ
Setlist: (プログラムは印刷されて公開されています)
第一部
1: 『レ・ミゼラブル』より 夢破れて (Claude-Michel Schönberg)
2: アルフィー (Burt Bacharach)
3: リベルタンゴ (Astor Piazzolla)
4: 蘇州夜曲 (服部良一)
5: 『海の上のピアニスト』より 愛を奏でて (Ennio Moriccone)
MC時に「パルナス」のCM曲
6: スペイン (Chick Corea)
7: 『風とともに去りぬ』より タラのテーマ (Max Steiner)
Intermission
第二部
8: 空と雲と君 (ただすけさんの曲、ピアノとギターDuo)
9: My One And Only Love (Guy Wood )
10: 夜の女王のアリア (Mozart 魔笛より)
11: Toccata in C Major ~Addagio~ (J.S.Bach)
12: マリー橋を降りて (溝口肇)
13: Move Over (Janis Joplin)
EC-1: ふるさと (文部省唱歌、岡野貞一)
EC-2: 見上げてごらん夜の星を (いずみたく)
EC-3: 情熱大陸のテーマ (葉加瀬太郎) 撮影許可
(カッコ内は作曲者)
予定時刻より少し遅れて開演、幕が上がると中央に南里沙さん、向かって右手にギターの渡辺さん、左手にSteinways and sonsのグランドピアノがありただすけさんが座っておられます。南さんはスパンコールの入った綺麗なロングドレス。
一曲目は大ヒット映画『レ・ミゼラブル』より「夢破れて」。慈しむように演奏されるクロマチックハーモニカの音色は専用マイクでPAを通してあることもあり、とてもクリアでありながら芯のある強い音でした。
一曲ごとに南さんのMCが入りますが、クールな渡辺さんの返しやほんわかしたただすけさんののつっこみなどが入って笑いを誘います。
二曲目は有名なバカラックナンバーの「アルフィー」、"What's it all about, Alfie? Is it just for the moment we live"という歌詞を歌いこむようなハーモニカのメロディラインにギターやピアノが上手く絡んでとても良い雰囲気でした。
そして三曲目、ピアソラの「リベルタンゴ」でギアが一段上がりました。激しいギターカッティング、ピアノの強打をバックに南さんもヒートアップ。鬼気迫るような素晴らしい演奏でした。
四曲目は先日お亡くなりになった李香蘭さんの名曲「蘇州夜曲」。ギターのアルペジオとピアノソロも印象的でした。
五曲目は私の好きなモリコーネ・ナンバーの「愛を奏でて」。ジュゼッペ・トルナトーレの名作「海の上のピアニスト」からのナンバーです。ヨー・ヨー・マのモリコーネ・オーケストラとの共演も好きですが、南さんの演奏も負けず劣らずロマンチックで素晴らしかった。
このあとのMCでただすけさんはロシア語が話せるという話から、「パルナスの歌」に話題が移り、即興で南さんが演奏し、最後の「パルナス、パルナス、モスクワの味~パルナス、パルナス、パルナ~ス」と言うところは会場大合唱。知らないただすけさんは口あんぐり。実は南さんも当然ながらリアルタイムではないのですが、客席は、私を含めて知ってる人がたくさん。さすが神戸、今までで一番歌声が大きかったそうです。
続けて外国つながりでチック・コリアの「スペイン」。寺井尚子さんのバージョンをよく聴きますが、クロマチックハーモニカでの太いメロディラインでのスペインもあの小さな楽器の何処から・と思うほどの迫力。ギターの渡辺さんもここぞとばかりに弾きまくります。いやあ素晴らしかった。
第一部の最後は映画音楽の代表とも言える雄大な「タラのテーマ」で締めとなりました。
第二部はまずただすけさんと渡辺さんが登場して、ただすけさんのオリジナル曲を演奏。とてもメロディラインの美しい曲でした。
そして南さんが黒のロングドレスに着替えて再登場。まずはジャズのスタンダードナンバー「My One And Only Love」。ジャズにもクラシックにもジャンルを問わず対応できる南さんのテクニックは素晴らしいですね。
このあとクロマチックハーモニカの説明が入ります。あの小さい楽器から4オクターブと2音も出せると言うことで、ギターよりも音域は広く、ピアノの7オクターブには負けるけれど5万5千円という値段を考えると、と会場の笑いを誘います。
このあとクラシックの代表格であるモーツァルトとバッハのナンバーが続きます。「夜の女王のアリア」はギターとのデュオが絶妙でしたし、バッハのトッカータはピアノとのデュオでした。トッカータは「Mint Tea」収録曲ですが初めてただすけさんと出会った思い出の曲だそうで、とても良い雰囲気でした。
そして嬉しいことに、「Mint Tea」収録曲の中でも大好きな「マリー橋を降りて」が演奏されました。これを聴きたかったんですよね。元々溝口肇さんがオーボエの宮本文昭さんに書いた曲です。南さんは最初はオーボエを演奏されていたそうで、そういう意味でも彼女にマッチした曲なのかもしれません。
最後は元気なロックナンバー、ジャニスの「Move Over」で終了。「Mint Tea」の中ではちょっと浮いている感じが否めませんでしたが、今回はギターの渡辺さんのブルースフィーリング溢れるイントロから始まり、全体にロックと言うよりブルース色の強いアレンジが素晴らしく、それが段々と熱気を帯びていく様は圧巻でした。ライブならではですね。
アンコール一曲目は南さんの一人で、阪神淡路大震災に思いをこめて「ふるさと」を演奏されました。心の琴線に触れる素晴らしい「ふるさと」でした。彼女も宝塚で被災され、東灘の親戚のおうちは全壊だったそうです。
二曲目はまたお二人が登場、J-songsの「見上げてごらん夜の星を」。いずみたくの代表的ナンバーをしっとりと演奏されました。
そして最後は朝日ホールの許可を得て撮影自由になりました!という嬉しいお知らせが南さんからあり、このような写真が一杯撮れました。とはいうものの逆光で南さんの顔が全然分かりませんね(苦笑。で、元気一杯に「情熱大陸」のテーマが演奏され、素晴らしいコンサートは幕を閉じました。
サイン会にそのまま移られた南さんはお一人お一人にサインのあと立ち上がって握手をされていました。私も握手をしていただき、とても好感の持てるお人柄に触れることができて良かったです。来年も朝日ホールで演奏できそうだとのことで、楽しみが増えました。