前巻から拙ブログでも紹介を始めた、新感覚のミステリ・コミック「僕だけがいない街」の新刊です。これまでの詳細は第四巻レビューをご参照ください。
『 雛月を救う事は出来たのかもしれない。ただ、事件はまだ解決していない! 親友・ケンヤとともに真犯人を見つけ出す決意を固める悟。だが事件を解決してしまうと元の2006年には戻れなくなってしまう可能性が…? (AMAZON解説より) 』
主人公悟は再上映(リバイバル)という能力によりタイムスリップすることができ、小学生の時期に起こった同級生を始めとする学童連続殺人事件を解決しようと懸命に頑張っています。
前巻で悟は殺されていたはずの雛月を守ることができましたが、今までのように現在へ戻ることができません。つまり、現在において狡猾な犯人(それは小学生時代に起こった連続殺人の真犯人でもあります)により母を殺されその罪を着せられ逮捕された状況は変わっていない、つまり中西彩を始めとする他の犠牲者がこの世界においてまだ守られていない、「まだ事件は終わってない」という確信を抱きます。
そこで悟はたとえ元の世界へ帰れなくても、「真犯人」を突き止め連続殺人を食い止める決意を固め、同級生で聡明なケンヤをはじめとする同級生の協力も得て、中西彩と接触することに成功します。
小学校の担任である八代先生も温かく見守り、母の勤めるテレビ石狩の同僚の澤田さんの報道関係者ならではの情報もあり、徐々に真犯人のプロファイリングが進んでいきますが。。。現在において会話を交わしている澤田さんと悟君ですが、この世界では初対面、その割には悟君が慣れ過ぎているのが笑いを誘いますし、お母さんは訝しがりますが、これはまあご愛嬌。
そして本巻の最後の最後、ついに善人の顔を貫いていた人間がその奥に隠れた表情を垣間見せます。やっぱり!と思う反面、この人ではこれまでの複雑なプロットにしては当たり前過ぎるだろう!という思いが交錯したまま第五巻は終了。
次巻は冒頭からぐいぐいと行きそうで楽しみです。