ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

ブログ10周年御礼 / レビュー回顧

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Count No Count by Ross Bleckner 1989)

 7月17日で拙ブログ「ゆうけいの月夜のラプソディ」が10周年を迎えました。これもひとえに常連さんをはじめ、訪れてくださる読者の皆様のおかげと感謝しております。ありがとうございます。

 思い返せば10年前、2004年7月はじめのことでした。パソコン通信掲示板、ホームページなどの流行を経て2003年ごろからブログという初心者でも簡単にできるツールが流行し始めました。私の場合、Nifty Serveの流れからNIFTYをプロバイダーにしていたのでココログを無料で始めることができることは分かっていました。
  オーディオ系統の掲示板が段々と荒れて廃れていく中、どこまでできるか分からないけど取り敢えず始めてみようかと思い立ち、本屋でココログ入門本を買って当直先で熟読したのを今でも良く覚えています。

 当時はココログ自体の容量も小さく、1年くらいで終わりかな、と思っておりましたが、容量はどんどんアップし、今ではほとんど無限に使えます。写真もバンバンアップできるようになりました。そしていつの間にか10年経ってしまいました。
 途中体調不良で2~3ヶ月休んでしまいましたが、いつの間にかその後の方がずっと長くなってしまいました。

 とにかく仕事のことをあえて忘れ、自分の好きなことばかりを気のおもむくままに書き続けてきました。それが飽きっぽい私がここまで続けられた要因の一つでしょう。

 唯一の矜持は、阪神淡路大震災のあった1月17日には鎮魂の記事を忘れずに書き続けていること。神戸の人間ですので、もちろん様々な記憶と思いがあります。できれば思い出したくないこともあるのであまり詳しく書くこともしませんでしたが、二回だけ思いを吐露した記事があります。今読むと赤面してしまいますが、よろしければご一読ください。

病院が大震災から学んだこと」 (2006年1月)

山本潤子さんの歌声の力」 (2004年7月)

Sappireupward
Dynaudio Sapphire、2008年7月 )  

  さて、当時から「オーディオの出てこないオーディオブログ」「プログレの出てこないプログレブログ」などと自ら揶揄していましたが、さて、本当のところはどれほどのものか、今回オーディオ記事と、メインであるレビューの数をカウントしてみました。結果は下記の通りで、

オーディオ: 9.4%
プログレ: 1.6%

やっぱり「看板に偽りなし」でした(^_^;)。でもとりあえずオーディオ機器の変遷は次回記事でまとめたいと思います。

総記事数: 1927件

1: オーディオ記事: 181件(9.4%)

 自身の機器ネタ: 131件
 オフ会ネタ:     24件
 試聴会・ショウネタ: 26件

2: 映画レビュー: 281件

 邦画: 171件
 洋画:  110件

3: 音楽(アルバム)レビュー: 202件

 邦楽: 55件
 洋楽: 65件
 プログレッシブ・ロック: 31件(1.6%
 ジャズ: 39件
 クラシック: 32件

4: 書籍レビュー: 151件

 和書: 59件
 洋書: 21件
 ノンフィクション: 18件
 エッセイ: 2件
 コミックス: 51件

5: ライブレポート: 71件

6: 美術展等レビュー: 56件

(2014年7月12日現在、レビューと書いてあるのは原則として単独記事だけ、複数回にわたるものも一回としてカウントしています)

 最多はやはり映画レビューでした。やっぱり私は映画が好きなんだなあ、とあらためて思います。これについては別記事で「自選!洋画・邦画の10作+1」をやりたいと思います。

Avanti

 音楽は思ったほど書いてないですね。でも

10万ヒットキリ番企画の「マーラー6番 / ショルティ&シカゴ響」(Tak Saekiさんリクエスト、2006年9月)、

20万ヒット「Avanti!/  Giobanni Mirabassi」(k1xv1xさんリクエスト、2008年3月)、

30万ヒット「マーラー7番/ガブリエル・フェルツ&シュトゥットガルト・フィル」(パリンドロームさんリクエスト、2009年6月)、

40万ヒット自主企画「Homage To Marc Bolan and T.Rex」(2010年3月)

は良い思い出です。しんどかったですけどね、はむちぃ君とのコラボレーションが最も充実した頃でもありますね。

 ちなみにAvanti!のマニアックな解説は先日Naverまとめ「孤高の天才ジャズピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシの魅力」に引用されていて驚きました(笑。自主企画のマーク・ボランに捧げた記事も結構アクセスが多く、資料として利用していただいているようです。

ちなみに、、、、、、100万ヒット企画はやりません

The Earthsea Quartet (Puffin Books) (Earthsea#1-4)
The Earthsea Quartet (Puffin Books) (Earthsea#1-4)

 書籍はもともと好きなジャンルなのですが、余程感銘を受けたものしか紹介はしていませんでした。ところが、このごろ「ブクレコ」というSNSにはまり始めて、そちらでいろいろレビューをするものですから、こちらでも最近ペースが上がってきてます。

 一番の思い出はジブリ映画「ゲド戦記」での宮崎駿鈴木敏夫の無責任ぶりに強烈な怒りを覚えて、「The Earthsea Quartet」を半年くらいかかって読み、「ゲド戦記四部作/Ursula Le Guin」(2008年4月)を皮切りに6回にわたり連載したことですね。洋書は21作レビューしてますが、こんなのはこれっきりです。
 今ではどうしてあんなに熱くなっていたんだろうと思いますが、NTVがTV放映した後には必ずアクセスがどっと来ますが、それ以外のときでも常に一定のペースでアクセスがあり、資料として活用していただいているみたいで、とりあえず本望です。

 でも基本はやはり高村薫Paul Auster。特に高村薫の「太陽を曳く馬」(2009年8月)と「冷血」(2012年12月)のレビューは凄いアクセス数を数えていて、本当にうれしいです。高村薫の真髄が分かっているのかといわれると「難しすぎて分かりません」というしかないんですが、凡人が真髄の周りをうろうろしてるような感想が共感を覚えていただけるようです(苦笑。

 Paul Austerはほとんど病気。原作と柴田元幸氏の訳の両方を読まないと気がすまないですね。最近の作品ではやはり「Man In The Dark」(2009年6月)=「闇の中の男」(2014年6月)が良かったです。「Sunset Park」(2011年3月)の訳本が楽しみですね。

PLUTO 6 (ビッグコミックス)

 もう一つの柱、コミックスは「Billy Bat」が12回、「のだめカンタービレ」「もやしもん」が10回ずつ、「聖☆おにいさん」が5回、、「PLUTO」が4回と続きます。その他では萩尾望都が2作、いまや袋叩き状態の「美味しんぼ」ネタもあります。その中で一番思い出深く、傑作だと思うのはやはり浦沢直樹手塚治虫へのオマージュ作品「PLUTO」。特にゲジヒトが斃れる第六巻(2008年7月)には涙が止まりませんでした。

Hako050813

 ライブレポは、ブログ開設以前からのネット仲間で今でもSNSでお付き合いのあるStarlessさんに勧めていただいた、日本のプログレグループKBBライブレポート(2004年8月)が初回でした。たまたまのタイミングだったんですが随分マニアックなところから入ったもんです(笑。

 続いて吉田拓郎のライブレポートを書いたんですが、それよりMCでしゃべりにしゃべった語った半生をまとめて紹介した「吉田拓郎半生を語る(1)(2)」(2004年8月)の方が人気がありました(笑。

 これに手応えを感じたというか、味をしめた(^_^;)というか、ライブに行くと必ずレポートするようになりました。セットリストもほとんどのライブできっちりと記録しています。よく「まめですね」とか「詳細なレポありがとうございます」とかコメントいただくんですが、ほとんど性分ですね(^_^;)。

 ジャンルを問わず聴いていますし、どれもこれも印象深いものばかりですが、あえて一ジャンルにつき一つのベスト公演を挙げてみます。

クラシック: オスモ・ヴァンスカ&ラハティ交響楽団 in 西宮  (2006年10月)

ジャズ: Keith Jarrett Trio @  神戸国際会館 (2010年9月)

洋楽ポップス: レイチェル・ヤマガタ@心斎橋クラブクアトロ (2005年1月)

洋楽ロック: The Police Reunion Tour 2007/8 @ 大阪 (2008年2月)

プログレッシブ・ロック: シガー・ロス @ 神戸ワールド記念ホール (2013年5月)

邦楽: 山崎ハコ ライブ@神戸 (2005年8月)

Uzosaekitablecloth
佐伯祐三のテーブルクロス、左の大きな絵が「人形」、我が家にオフ会にこられたは目にしておられるはず。。。)

 美術展56件になるか、と思うと感慨深いですね。実はそれほど熱心に展覧会に通っているわけではなかったんですが、ブログを書くようになってネタ探しのためにマメに通うようになりました。

 当初は印象派がやはり一番のお気に入りだったんですが、キュビスムシュールレアリスム抽象表現主義からポップアートまで少しずつ興味を持って理解できるようになってきました。文字通り「百聞は一見にしかず」ですね。自分にとってブログとともに一番成長できたのがこの分野だったと思います。

 最後に、最も衝撃を受けた作品を二点挙げて、このレビュー回顧を終わりたいと思います。長文お付き合いありがとうございました。

ロス・ブレックナー 「カウント・ノー・カウント」 (アメリカの風景:ホイットニー美術館展)(2006年5月)

佐伯祐三 「人形」 (佐伯祐三展:熱情の巴里)(2004年11月)