(唯心山から後楽園の庭園を望む)
前回記事にしましたように6月15日日曜日に岡山市に出かけたわけなのですが、原田知世さんのコンサートは午後7時開場なので、午後に岡山市内、特に今まで一度も行く機会のなかった後楽園といくつかの美術館を中心に散策することにしました。
(路面電車)
JR岡山駅に着いたのが、予想よりずっと早くて午後1時半ごろ。あと6時間もあります。まずは路面電車で「城下(しろした)駅」まで行きました。
(岡山市立オリエント美術館)
降りれば進行方向すぐ左手に、今夜のコンサート会場である岡山市立オリエント美術館があるはずです。まずこの場所を確認。ありました、写真のモダンな建物です。ここは最後に鑑賞することとして、まずは旭川の堤防まで出ました。
(旭川と後楽園)
川向こうには後楽園が見えています。ここを時計の9時の場所として時計回りに散策するプランを立てておりました。具体的にはこの堤防を左に進み、橋を渡ってから、
夢二郷土美術館 → 後楽園 → 岡山城 → 林原美術館 → オリエント美術館
と巡るコースです。
(夢二郷土美術館)
というわけでまずは夢二郷土美術館を目指しました。風光明媚なのはよかったのですが、誤算は暑さ。梅雨とは思えぬピーカン照りで、しかも気温も上がっており、着いた頃には汗びっしょりになっていました。
タオルもないので、お土産のハンドタオルを買ってすぐにトイレへ。大のほうの個室で上半身裸になって汗を拭き拭き、ちょうどウェットティッシュも置いてあったのでお借りしました。すっきりしたところで、とりあえず休憩がてら「夢二のふるさと」というDVDを15分ほど鑑賞。竹久夢二の故郷や牛窓などの美しい心の原風景を楽しませていただきました。
会場はそれほど大きくありませんが、生誕130年を記念した「夢二の愛したこどもたち」という企画展が行われており、女性画のイメージの強い夢二の可愛い子供の絵を楽しみました。もちろん常設展示も平行して行われています。
さて、美術館を後にして本命の岡山後楽園へ向かいました。解説も不要とは思いますが、江戸時代初期に岡山藩主・池田綱政によって造営された、元禄文化を代表する庭園で、国の特別名勝に指定されており、日本三名園の一つに数えられています。
一歩中に入ると緑がとても鮮やかで、広い。ブログ冒頭写真は高台の唯心山からのパノラマビューです。広さが少しでも分かっていただければ幸いです。まあそれはいいのですが、日を遮る所がなく、やっぱり暑い!というわけで「流店」という、 中央に水路を通し、色彩に富んだ奇石六個を配した全国的にも珍しい建物で一服。
(岡山城)
一息ついて再び散策開始。次は橋を渡って岡山城へ。黒漆塗の下見板が特徴的で、この印象から「烏城(うじょう)」とも呼ばれていますが、遠めに見ても大変美しい。というか、余りにも綺麗すぎるので最近建て直したのかな?と思うほど。
(天守閣とトンボ)
というわけで天守閣の近くまで行ってみましたら、解説板がありました。第二次大戦の岡山空襲で焼け落ちて、1964-66年に鉄筋コンクリートで立て直したそうです。間近で写真を撮ったら偶然にもトンボが映りこんでいました。
(林原美術館玄関)
さて、お城を離れて街中へ戻り、林原美術館を目指しました。岡山城二の丸対面所跡にあり、岡山藩主池田家の伝来品と実業家林原一郎の古美術コレクションで有名な美術館ですが、玄関の堂々たる風格も格別です。武家屋敷の長屋門だったそうです。
ちょうど、開館50周年記念企画展「東洋の工芸 -陶磁器・彫漆・ガラス-」という特別展が催されており、唐~清代中国の逸品が数多く展示されていました。唐三彩や天目茶碗、乾隆硝子などの見事な品々を眺めつつ、さすがホンモノは風格が違うと分かったようなことを「お宝鑑定団」を思い出しつつ考えておりました。
以上時計回りにぐるっと一周してオリエント美術館に戻りました。岡山学園理事長だった安原真二郎より、古代オリエントの美術品が1,947点寄贈された事を機に1979年に開館したそうで、こちらでは中国よりはるかに遠い古代オリエント文化が花開いた中東地方の美術品が鑑賞できました。
こちらではスマホやiPad等のタブレットなどで「画像検索システム」を利用でき、収蔵品を画像、色、キーワードなどで検索できます。良いサービスですね。
美術品ではないのですが一際目立っていたのはハンムラビ法典の石碑の等寸大レプリカで、この楔形文字に「目には目を、歯には歯を」と書いてあるのか、と見ておりました。
まだ時間が余っていたので、二階の「イブリク」という喫茶店で「アラビックコーヒー」を飲んでみました。解説していただいたところによりますと、細かく挽いたコーヒー豆を水と砂糖とスパイスのカルダモンを加えて煮立て 上澄みをすするのがアラビックコーヒー。もちろん残滓も食べられます。その濃厚な味は癖になりそうな美味しさでした。
というわけでここで時間を潰しつつ、コンサートを待っていたのでした。長のお付き合いありがとうございました。