ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

noon moon / 原田知世

noon moon

 待ちに待った原田知世様の「eyja」以来5年ぶりの新譜「Noon Moon」が届きました。ジャケット写真はホログラムになっていて知世さんを立体的に見ることができますが、もう少し可愛い写真があったんじゃないの?と思わないでもありません(大汗。ちなみに地球に優しいカーボン・オフセット商品となっています。まあ、それはさておき、早速聴いてみました。

1. 青空の月
2. うたかたの恋
3. Double Rainbow
4. A Moment Of Clarity
5. 走る人
6. My Dear
7. LOVE
8. レモン
9. 名前が知りたい
10. Brand New Day

作詞: 原田知世(1~7)、英訳:澤戸英一(4,6)、伊藤ゴロー(8)、池澤夏樹(9)

作曲: 伊藤ゴロー(1~6、8~10)、トーレ・ヨハンソン(7)

『 原田知世の5年ぶりのニューアルバム『noon moon(ヌーン・ムーン)』が発売!

『noon moon』とは、昼間の青い空に透けて見える月。
プロデューサーは、ボサノヴァ・デュオnaomi & goroのギタリストとして活動する傍ら、作曲家/音楽プロデューサーとしても活躍している伊藤ゴロー。原田知世が手がける作詞の他に、作家/詩人の池澤夏樹氏が「名前が知りたい」の作詞で参加。
「青空の月」には坂本龍一氏がキーボードで参加しています。

光の当たる部分や見る位置、時期によって違う表情を見せていく「月」のように、様々なスタイルの曲が収められたこのアルバムは、大人のリスナー向けともいえるアコースティックなポップス。親しみやすいメロディーで、ちょっとノスタルジック。80年代のポップスへオマージュを捧げながらも、まさに今のサウンドです

AMAZON解説より) 』

 

 一曲目「青空の月」は安心の知世クオリティ。最近ずっと音楽的に親密な関係を維持しているボサノバギタリストの伊藤ゴローとのコンビネーションもばっちりです。少女時代にお世話になった坂本教授もRhodes Pianoソロで、和やかな雰囲気を醸し出してくださってます。結局この曲が本作でのベストトラックかな、と思います。

 二曲目「うたかたの恋」もまずまずのできばえ。80年代に時々歌っていたシャンソン風の曲です。なんとなくあの頃の知世さんを思い出して懐かしくなります。

 三曲目「Double Rainbow」も、歌詞もメロディも何となく懐かしい。恋に恋していた甘酸っぱい少女時代を思い出して歌っているかのよう。

 と、ここまではよかったのですが、その後もある程度アレンジに工夫を凝らしたり、英語歌詞の歌を交えたりとはしているものの、なんとなく最後の「Brand New Day」まで既視感ならぬ既聴感のある曲ばかりで終わってしまったな、という感じです。

 一つ一つの歌は標準点以上で、知世さんの歌唱も安定しているものの、これは凄いというキラー・チューンが残念ながら無くて、コンセプトもやや曖昧。

 80年代の自分へのオマージュならば全面的に伊藤ゴローに依存せずに、教授やらアッコさんやら大貫妙子さんやら鈴木慶一さんやらいろんな方に作曲を依頼してもよかったんじゃないかなと思ったりします。

 楽器ではやはり伊藤ゴローのボサノバ・ギターが聴き所であると思いますが、七曲目の「LOVE」なんかがいい感じです。

 まあとりあえず原田知世ファンには嬉しい贈り物。ツアーも楽しみです。