ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

もやしもん13

もやしもん(13)限定版 (講談社キャラクターズA)
 巷で話題になっているように、もやしもんがついに完結しました。10年の歳月、単行本して13巻かけて農大一年生の一年間を描くという、伝説のアストロ球団を髣髴とさせる展開の遅さを微塵も感じさせない農耕な、もとい、濃厚な内容を堪能させていただきました。石川先生、お疲れ様でした!

『 春は新たな出会いの季節。樹ゼミの日本酒造りは佳境。そしてゼミの面々の1年間も大詰め。西野の受験の結果は?酒造りはうまくいくのか?そして主人公沢木の1年間はどんな結末を迎えるのか?学生達と菌達がわちゃわちゃする、農大青春発酵菌漫画もやしもん、大団円の13巻!
通常版: なお、13巻目にして初、通常版カバーの中央を飾るのは、主人公沢木直保です!!
限定版: もやしもん最終巻限定版付録は、描き下ろし満載。「農大スクールカレンダー」「13巻ネーム+α」の豪華2本立て!  』

 今回は内容のほとんどが日本酒作り。ゴスロリ女装の親友結城蛍主導の大学蔵と、なんとその蛍のじいちゃんと結城酒造の杜氏二人が西野家の蔵に乗り込んでの2箇所での酒造りが平行して進みます。そこにいつものごとく樹慶蔵教授の薀蓄が満載され、なるほどと思わせる大団円で幕を閉じます。

 最終巻にしてようやく主人公沢木惣右衛門直保が特殊能力(菌が見えて話も出来る)全開でがんばってます。フランス編以降ややくすぶっていた感のある物語にきっちりと落とし前をつけてくれました。

 サイドストーリーは少なめでしたが、懲りない先輩美里薫と川浜拓馬の金儲け作戦、美里と超モチカネタカピー院生長谷川遥のロマンス(?)も最終話らしくまとまりました。久々のキャラもちらっと登場したりして、いかにも最終巻らしい内容でした。

 西野円というキャラに抵抗のあったファンも多かった(私もそう)ようですが、限定版おまけ本「ネーム+α」の対談で「西野は最終回を連れてくるキャラクターだった」という種明かしに納得。

 一年を描いて終わることも、最初から決めていたそうで、意外に計算づくであったのだなあと感心したりして。

 とにもかくにも石川雅之先生お疲れっす!