ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Jun Shibata Billboard Live 2013 / 柴田淳

柴田淳 Billboard Live 2013【通常盤】(期間限定盤)
 コンスタントにオリジナル・アルバムとライブDVDを出し続けている柴田淳さんですが、最近は「Cover '70s」といったカバー集をはさんだりして、マイミクさん曰くの「金太郎飴」的マンネリ状態からの脱却を図る試みをされています。

 で、次の手は何かな?と思っていたら、東・名・阪「Blue Note & Billboard Live Tour 2013」というライブハウス的な小さな箱での公演でした。ファン垂涎、当然ながらチケットはプラチナ状態、手に入る筈もなくあきらめていましたが、その濃密なライブ空間を新譜として発表してくれました。

 CDとしてのライブアルバムは初めてですが、いやあ素晴らしいです。声のコンディションもよく、バックも最小メンバーでバックアップに徹していますから、彼女の素晴らしい歌唱をじっくりと堪能することができます。あらためてライブで光る人だなあ、と思います。

1. あなたの名前
2. 真夜中のチョコレート
3. メロディ
4. ひとり歩き
5. ハーブティー
6. 月光浴
7. 道
8. 月の窓
9. キャッチボール
10. 今夜、君の声が聞きたい
11. おやすみなさい。またあとで

Members:

柴田 淳 / Jun Shibata(Vocals)
澤近 泰輔 / Taisuke Sawachika(Piano, Keyboards)
澤近 立景 / Takahiro Sawachika(Guitar)
川村 竜 / Ryu Kawamura(Bass)
坂田 学 / Manabu Sakata(Drums)

『 2013年11月に行なわれた東・名・阪「Blue Note & Billboard Live Tour 2013」から、11月14日 Billboard Live OSAKA公演と11月19日 Billboard Live TOKYO公演からのLIVE音源を収録したライブアルバム!
  「Blue Note & Billboard Live Tour 2013」のチケットは即完! チケットはまさにプレミアム状態であり、幸運にも見れたファンはもちろん、大多数の見れなかったコアファン垂涎の作品!
  編成はDrums、Bass、Guitar、Pianoで、サウンドはJazzyなテイスト、今までとはひと味違う、大人なムードで、ゆったり彼女の美声を楽しめる雰囲気。収録曲は彼女の代表曲と、このライブ特有の楽曲とのバランスがとれ、まさにベスト盤と言える内容!

(AMAZON解説より)』

 

 アルバムごとに選曲をまとめておきますと、

2nd ため息: 「6. 月光浴」 「8. 月の窓」

3rd ひとり: 「4. ひとり歩き」 「10. 今夜、君の声が聞きたい」

5th 月夜の雨: 「2. 真夜中のチョコレート」 

6th 親愛なる君へ: 「3. メロディ」 

8th 僕たちの未来: 「1. あなたの名前」 「5. ハーブティー」 「11. おやすみなさい。またあとで」 

9th あなたと見た夢 君のいない朝: 「7. 道」 「9. キャッチボール」 

となります。バランスよく選曲されていますが、通常のライブでの鉄板曲は「月光浴」「メロディ」の二曲くらいで、あと新譜からの選曲を除くと結構レアな曲が多く、ライブハウスという濃密な空間でのコアなファン向けに選曲をしているなあ、と感じます。

 個人的に嬉しいのは「月の窓」「今夜、君の声が聞きたい」という初期の二曲。素晴らしいパフォーマンスですが、この曲をやってくれたこと自体が嬉しい。

 もちろん全曲出来のムラのない素晴らしい出来栄えで、声の艶、はりもあり、良いコンディションで歌っているなあと思います。大きな会場と違って彼女の武器である透明感のある高音のファルセットは抑え気味ですが、ライブハウスならではの親密でしっとりとした雰囲気がそのまま伝わってきます。

 バックは上記AMAZONレビューに書いてあるように「ジャジー」な雰囲気で統一されています。まあブルーノートビルボードという箱でd+b+g+pという最小構成でアレンジすると当然こうなるという常識的なものですけれど、シバジュンの歌唱を活かすべく控えめにそしてかっちりとバックアップしていて好感が持てます。

 東京でのセットリストを見ると「ノマド」が入っておらず、レビューを見るとこの曲だけはバックのメンバーがソロを展開していたようですが、アルバムの統一感を出すために、故意に外したんでしょうね。ライブにいった方だけの特別な思い出として記憶に残るのも羨ましいです。

 とにもかくにも初のライブアルバムとしては抜群の完成度で、シバジュン・ファンを十分満足させる内容です。シバジュンを知らない方が聴くと地味だな、と思われるかもしれませんが、過去のアルバムからバランスよく選曲されていますし、何よりも彼女の歌唱力を知ることのできる絶好の入門編となりうる新譜だと思います。

 ただ、カスタマーレビューにあるように初回特別版のLPサイズジャケットはでかいだけであまり評判はよくないです。実を言うと私もそれを嫌ってiTunesでDLしました。CDで購入されるのなら通常盤で十分だろうと思います。