ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Getz/Gilberto +50

ゲッツ/ジルベルト+50
  蒸し暑い夏の夜に涼をもたらすアルバムをマイミク様に教えていただいたので、ご紹介します。世界中にボサ・ノヴァ・ブームを巻き起こしたジャズの名盤「Getz/Gilbert」の誕生から50周年を記念して、ボサ・ノヴァ・ギタリスト伊藤ゴローがプロデュースしたアルバム「Getz/Gilbert+50」です。

 参加したゲストも豪華。伊藤ゴローと言えば、最近原田知世様のプロデュースでよく名前を見かけますが、期待通り知世様も参加。そしてハイトーンボイスが魅力的な坂本美雨さんと父上の坂本教授も参加。とくれば買うっきゃないですね。どの曲もよくできていて、録音も良好、暑い夜や雨の日にはうっとうしい気分を吹き払うべく、聴いております。

1. イパネマの娘  vo 土岐麻子
2. ドラリッシ  vo 布施尚美
3. プラ・マシュカール・メウ・コラソン vo 細野晴臣
4. デサフィナード  vo 坂本美雨
5. コルコヴァード vo カヒミ・カリィ
6. ソ・ダンソ・サンバ vo TOKU
7. オ・グランジ・アモール 
8. ヴィヴォ・ソニャンド  vo 原田知世
9. イパネマの娘 (日本語ヴァージョン) (Bonus Track)  vo 沖樹莉亜

『米国のジャズ・サックス奏者スタン・ゲッツが、ブラジルのジョアン・ジルベルトアントニオ・カルロス・ジョビンと共に1963年に録音した名盤『ゲッツ/ジルベルト』の誕生50年目(2013年時)を記念したトリビュート・アルバム。土岐麻子細野晴臣らが集結し、オリジナル収録曲をカヴァー。プロデュース/アレンジは、ジョアン・ジルベルト直系のボサ・ノヴァ・ギタリスト、伊藤ゴローが担当。 (AMAZON解説より)』

 曲はオリジナル・アルバムを忠実に再現しております。一曲目は当然ながら「イパネマの娘」。ボーカルは土岐麻子、ピアノにはなんと山下洋輔、ゲッツのパートを担当するサックスには菊池成孔という豪華ラインアップ。

 山下洋輔氏はあと一曲「デサナフィード」も担当。坂本龍一教授は「プラ・マシュカール・メウ・コラソン」と「オ・グランジ・アモール」を担当しております。前者でボーカルを担当しているのはなんと細野晴臣さん。渋い!

 サックスの菊池成孔さんは2,6、そしてもう一人、言わずと知れたビッグ・ネーム清水靖晃さんが3,4,5を担当しております。

 という強力なバック・ミュージシャンを従えて歌うは先ほど紹介した土岐麻子をはじめ、布施尚美坂本美雨カヒミ・カリィ原田知世と魅惑の女性陣、細野晴臣TOKUさんというベテラン男性陣。
 ちなみに美雨さんは「デサナフィード」を楽しげに歌い、カヒミ・カリィは「コルコヴァード」を耳元でささやくように歌い、この二人のボーカルはちょっとした聴き所ですね。そして知世様は「ヴィヴォ・ソニャンド」を担当。伊藤ゴローとの気心の知れたコラボレーションで、安心して聴けます。

 ちょっと変わった雰囲気をかもし出しているのは「オ・グランジ・アモール」でチェロを弾くジャキス・ボレレンバウム。リオ生まれで、最近は教授のアルバムにも参加されているようです。ということで教授と息のぴったりあった美しい旋律を奏でています。

 そして何といっても、「Getz/Gilbert」のオリジナルの雰囲気をうまく醸し出しているのはプロデュース/アレンジを担当する伊藤ゴローのジョビン直系のギター。全曲に参加し、全体を上手く纏め上げております。

 ラストは「イパネマの娘」の日本語バージョンで幕を閉じます。この歌詞は昔アストラッド・ジルベルトが全曲日本語で歌った幻のアルバム「ゴールデン・ジャパニーズ・アルバム」で録音した歌詞そのままだそうです。ボーカルの沖樹莉亜はライナーノートによりますとモデルとしても活躍し、2012年にブラジル音楽を軸とするファースト・アルバムを発表した注目の新星だそうです。うん、まあまあかな(^_^;)。

 ということで、ボサ・ノヴァ・ファンの方でもそうでなくても、気持ちよく楽しめる一枚です。暑い夏に是非どうぞ。