ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

IN THIS BEAUTIFUL WORLD / LOVE PSYCHEDELICO

IN THIS BEAUTIFUL WORLD(初回限定盤)(DVD付)
  Love Psychedelicoの新作です。オリジナルアルバムとしては、2010年1月発表の「ABBOT KINNEY」以来3年ぶりの作品で、通算6枚目のオリジナルアルバムとなります。前作は拙ブログで紹介して以来、随分長い間

「ABBO KINNEY  意味」

が検索フレーズランキング上位を占め続けるという椿事が続きました。地名ですから分からない方も多かったでしょうし、デリコの人気の根強さにも感心しておりました。今回はとても分かりやすい題名で説明の必要は微塵もありません(w。ジャケットも黒地に白のタイトル・グループ名のみという潔いものになっており、これはこれでインパクトがあり良いですね。

1. No Reason (竹中直人監督 映画『R-18文学賞Vol.1 自縄自縛の私』主題歌 )
2. Calling You
3. Beautiful World (草なぎ剛主演 映画『任侠ヘルパー』主題歌)
4. Shining On
5. It's You (フジテレビ系連続ドラマ「絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~」メインテーマ )
6. It's Ok,I'm Alright
7. Good To Me (Album Version) (JVC「everio」CM曲 )
8. Almost Heaven
9. Good Days Ahead
10. Dry Town ~Theme Of Zero~ (フジテレビ系連続ドラマ「絶対零度~未解決事件特命捜査~」メインテーマ
)
11. Favorite Moment
12. Bye Bye Shadow 

 大体2-3年に一枚のスパンでオリジナルアルバムを発表し続けるデリコですが、そのインタバルについてはジャパン・ビルボードのインタビュー記事で、

「最近は1枚のアルバムができるまで、いろいろあって2,3年かかる。特に意識はしてないんだけれども、自然とそうなってるね。」

「年に一回出さないといけないと思って作るのは辛い。(中略)作りたくなったら、作りたいときに、作りたいように作る。それが一番自然だから。そうすると、気付けば3年ぐらい経ってる。」

とKUMIが語っています。マイペースで納得のいく曲を作り続けるスタンスは順調なセールスに裏打ちされての事ではありますが好もしい姿勢です。

 さてそのサウンドですが、前作の時にも強調したようにKUMIの英語日本語融通無碍の他に比肩するもののない自在なボーカルをNAOKIがバックアップするデリコサウンドそのもの。今回は「デリコ史上空前の数の 大型タイアップ楽曲を収録した」そうですが、だからといっていかにもな売れ線に走ることもなく、ひたすら自分たちのサウンドを追求した結果の作品という印象を受けます。
 

 あえて今回の特徴を挙げれば、KUMIが

「「ABBOT KINNEY」を作り上げたことで、ルーツミュージックの呪縛から解き放たれて、自由に音楽が作れるようになった」

と語っているように、重さや泥臭さのないキレのあるカットギターを中心とした軽くて爽やかなアレンジが印象的です。アマゾンのレビューにもあるようにデリコ独特の毒気が希薄という点では従来からのファンには少し物足りないかもしれません。

 最後に一点だけ、今回のスパンの間に起こったこととして、やはり東日本大震災の影響は大きかったようです。今回のメイン曲とも言える「Beautiful World」は形式上は「任侠ヘルパー」の主題歌の依頼があり作られていますが、ナタリーでのインタビューを読みますと、大震災直後に作られた曲であり大震災に対するデリコの強い思いがこめられているとのことで、確かにこの曲はとりわけ清清しさを感じます。

 オフィシャルHPを見ますとツアーも組まれているようです。行きたいですけど都合がつかず残念です。一度はライブを見たいんですけどね~。