ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Billy Bat 11 / 浦沢直樹

BILLY BAT(11) (モーニング KC)
 発売日を楽しみに待っていたBilly Batの最新刊が届きました。ついに作者の仕掛けた幾つもの時代にまたがる多くの謎が一気に解明・回収されるとともに、重要な登場人物が何人も退場し次回より新たな展開が待ち受ける事になりそうです。

『未来から過去を変えることはタブーだが
過去から未来は変えられる……!?

ケヴィンの描いた漫画……
それは実の母より殺人鬼デヴィヴィエへのメッセージなのか!?

時を統べる巻物は遂に! 遂に! ビリーバットの正体を明かすか!?(コミックモーニング公式サイトより) 』

 冒頭いきなりBilly Batが登場し、読むものを指差して

とても残念なお知らせだが連続漫画は前回でおしまいだ、なにしろ作者が死んでしまったんだからね

と告げます。えっ、どういうこと?と戸惑う間もなく物語りは1924年ロスアンジェルスへ。果たして殺されるのは

スキンヘッドの師匠か?

唐麻雑風先生か?

それとも

1964年の和歌山編でのケヴィン・ヤマガタか?

 3人の作者それぞれの物語を紡ぎつつ、ついに1964年和歌山編終結に向かいます。そして当初より謎に包まれていたあの

巻物

の内容が明らかになり、その作者であるフランシスコ・ザビエルの故郷スペインはバスク地方へ移るのか、と思いきや。。。

 浦沢直樹長崎尚志の、練りに練った壮大なプロットを収束させる力量に唸らされるとともに、新たな展開を期待させる、充実した内容の回であったと思います。

 一つだけネタバレを。次作ではもう一人のケヴィン、そうケネディ暗殺事件の時ケヴィン・ヤマガタに助けられたケヴィン・グッドマンが1981年という時代で好青年になっており、新たな中心人物として活躍しそうです。