ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

劇団☆新感線「ZIPANG PUNK〜五右衛門ロック III」@オリックス劇場

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(入り口壁ポスター)
  劇団☆新感線の大阪公演を観てきました。出しものは古田新太扮する石川五右衛門シリーズの第三弾「ZIPANG PUNK〜五右衛門ロック III」です。といってもただでさえチケットの取り難い劇団☆新感線、今まで観た事はなかったのですが、今回は主演になんと蒼井優を起用、ということで何とかチケットをゲットし、娘と二人で観てきました。予想以上の大規模な舞台セットと大音量で展開される、なんと3時間以上の舞台にさすがに少々疲れてしまいましたが、楽しかったです。

Time: 平成25年2月10日 13:00-16:30(途中休憩20分)

Place: オリックス劇場(旧大阪厚生年金会館

STAFF:作:中島かずき 演出:いのうえひでのり 作詞:森 雪之丞

CAST:
古田新太 三浦春馬 蒼井 優 /
浦井健治 高橋由美子 /
橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと /
村井國夫 麿 赤兒

Sn3n0066  会場はオリックス劇場。大阪は四ツ橋にある旧厚生年金会館ですが、オリックス劇場になってからは初めてで、どんなに綺麗になっているのだろうと楽しみに出かけました。が、外観は旧ホール分だけの細いというか、こじんまりとした大きさになってしまっており少々肩透かしを食らってしまいました。ロビーも狭いし、ホワイエのような設備も全くなし。ホール内も改装はされて綺麗になっていましたが、抜本的な変更はなく、そういう意味では少々期待はずれでした。

 しかし、音響や照明は抜本的に新しくなっており、いざ公演が始まると、劇団☆新感線の実力を誇示するかのような大掛かりな舞台セット、ビジュアル・イフェクト、舞台両側の大モニター、大音量のPA等々を駆使して展開される舞台に圧倒されてしまいました。

 第一幕16場第二幕9場という長丁場の奇想天外なストーリーは当然ながら基本的には喜劇ですが、現代風の歌舞伎を観るようでもあり、多くの歌が挿入されるためミュージカルのようでもありました。公式HPの解説によると

劇団☆新感線の作品はドラマ性を重視した“いのうえ歌舞伎”と、ひたすら笑いに特化した“ネタもの”、そして音楽を中心に据えた“音モノ”、この三本柱でジャンル分けされていますが、“五右衛門シリーズ”が属するのは“音モノ”。」

だそうです。その音モノの主役に起用されたのは若手俳優三浦春馬蒼井優

 優ちゃんはバレエの素養があるのでミュージカルに対応する能力は十分にあると思っていましたが、予想に違わず、おきゃんな女盗賊を演じるとともに歌にダンスに大活躍。久々に弾けまくった楽しそうな優ちゃんを見ることができてよかったです。

 一方京都所司代盗賊目付探偵方である明智心九郎を演じる三浦春馬は、荒唐無稽なストーリーの鍵を握る人物として重要な役を演じるとともに見事な歌唱を聴かせてくれました。あんなに歌の上手い人だとは知らず、畏れ入りました。

 もちろん忘れてはいけないのは石川五右衛門。ご意見無用ながら毎度いじられる五右衛門ヘアスタイルがよく似合う古田新太ですが、今回はやや引き気味の位置で余裕をかましておりました。歳も歳だし若いもんにおいしい所は譲ったそうです(w。

 そのほかの出演陣も多彩。秀吉には息子が蒼井優と因縁浅からぬ(苦笑)麿赤兒石田三成粟根誠(どういうわけか、クリネクリネという声が終演後あちこちで^^;)、カブキ者前田慶次郎のど派手な衣装がよく似合う橋本じゅん、前作からのタカラヅカ風異国人に浦井健治高田聖子、おまけに天海祐希(モニター出演)、等々。これら一癖も二癖もある俳優それぞれの見せ場が作ってあり、さすが中島かずきいのうえひでのりコンビの作・演出はおみごと。それに加え今回はジパング・パンクというくらいなもんでパンク・ロックも随所で鳴り響きます。時代劇の中に上手くパンクを溶け込ませた作詞は森雪之丞

 そんな中でも格の違いを見せつけていたのが怪優麿赤兒。天下人としての器の大きさを見事に表現しており、特にラストで空海の真の秘宝を提示されたときの大見得の切り方はさすがの風格でした。

 というわけで相当体力を消耗しそうな舞台でありながら最後のアプローズではみんな元気いっぱいで観客のスタンディングオベーションに応えていました。これだけの公演を何ヶ月も続けるのですから本当に大変ですね。頑張れ優ちゃん!(結局それかよ)

 そう言えば帰路、劇場と公園を挟んで反対側の道端で昨日の公演の写真を売ってる人がいました。優ちゃんの生写真を欲しくないとは言いませんが、娘と「明らかに非合法だよね~」といいつつ通り過ぎたのでした。