ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

テルマエ・ロマエ

Thermaeromae
  GWの最終日、家族で「テルマエ・ロマエ」を観てきました。いつも空いてるシネコンだからと高をくくって行ったら、ロビーは見た事もない盛況。しかもシネコンの中でも大きな方のシアターが満員という初めての光景を目にする事ができました(笑。
 これだけの人数で上映の間中笑いが絶えないと、映画そのものに加えて雰囲気にも酔ってしまいますね。昔の娯楽映画黄金時代を思い出して、久しぶりに浮き浮きした気持ちで映画を観る事ができました。

『2012年日本映画
配給: 東宝

監督: 武内英樹
原作: ヤマザキマリ
脚本: 武藤将吾

キャスト: 阿部寛上戸彩北村一輝竹内力、宍戸開、笹野高史市村正親、他

マンガ大賞2010」「第14回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞したヤマザキマリの同名コミックを阿部寛主演で実写映画化。古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウスが現代日本にタイムスリップし、日本の風呂文化を学んでいく姿を描くコメディドラマ。生真面目な性格で古き良きローマの風呂文化を重んじる浴場設計師のルシウスは、ふとしたきっかけで現代日本にタイムスリップ。そこで出会った漫画家志望の女性・山崎真実ら「平たい顔族(=日本人)」の洗練された風呂文化に衝撃を受ける。古代ローマに戻りそのアイデアを用いた斬新な浴場作りで話題となったルシウスは、時の皇帝ハドリアヌスからも絶大な信頼を寄せられるようになるのだが……。映画オリジナルのヒロイン・真実を上戸彩が演じる。監督は「のだめカンタービレ」の武内英樹。(映画.comより)』

 先に書いたように雰囲気に酔ってしまった事もありますが、単純に面白かったですね。娯楽映画かくあるべし、という感じでしょうか。もちろん後から考えると細かい突っ込みどころ満載、脚本もややスカスカ間は否めないんですが、テンポ良く笑わせてくれるので観ている間はそれほど気になりませんでした。

 映像も見事。舞台が古代ローマ現代日本に分かれるわけですが、古代ローマの壮大なセット、VFX、CGを駆使した描写は見事ですし、それに対して日本の場面場面が(ショールームは別として)おそらく意図的にショボく描かれているのも巧いと思いました。そのショボイ方の風呂やトイレの一つ一つに主人公ルシウスが感動するわけですから。また場面転換に何とプラシド・ドミンゴの歌唱をおふざけ気味に差し挟む脚色も面白く、功を奏していたと思います。

 また、古代ローマ人役に阿部寛市村正親北村一輝といった「濃い」顔の俳優を配し、「平たい顔族」の日本人を笹野高史を中心とした老人を中心にキャストを据えた対比も上手かったですね。ヒロインも上戸彩ちゃんには失礼ですが、「平たい顔族」の中で可愛い子を選んだ絶妙の人選でしたね。惜しむらくは阿部ちゃんが出演場面の半分以上裸じゃなかったか、という大熱演だったのに比して、ちゃんの方は殆ど露出が無かったところ。折角の風呂映画なのに(笑。

 またクラシックファンにはヴェルディをはじめとしてイタリアオペラの名アリア満載ですのでそれも楽しめます。

 というわけで、とても楽しい娯楽映画であったと思います。まだまだ上映は続きますので気楽に映画を楽しみたい方にはお勧めです。

評価: C:佳作
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)