ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

雷桜

Raiou2
はむちぃ: 皆様お待たせいたしました、本日の映画レビューはいよいよ蒼井優様主演の「雷桜」でございます。
ゆうけい: 観て参りました。が、驚いた事に土曜日だと言うのにお客さん10人未満。。。
は: 興行収入初登場8位でございましたが。。。
ゆ: 優ちゃんと岡田君、あれだけプロモでTVバラエティに出まくってこれだとチョト辛いのう(心配。

『2010年日本映画、製作:「雷桜」製作委員会

監督 廣木隆一
原作:宇江佐真理
脚本:田中幸子 加藤正人

キャスト:  岡田将生 蒼井 優
小出恵介/柄本 明/時任三郎
宮崎美子 和田聰宏 須藤理彩 若葉竜也 忍成修吾 村上 淳
高良健吾 柄本 佑 大杉 漣 ベンガル 池畑慎之介坂東三津五郎(特別出演) 

宇江佐真理の原作を、時代劇初挑戦の岡田将生蒼井優の主演で映画化。徳川将軍・秀斉の十七男として生まれた清水斉道は、母の愛を知らずに育ち、心を病んでいた。一方、瀬田村の山で生まれ育った野性の娘・雷は、豊かな自然の中で自由奔放に生きていた。静養のため瀬田村に向かった斉道は、落雷で根元から折れてしまった銀杏に桜が芽をつけた奇妙な巨木「雷桜」の下で、雷と運命的な出会いを果たす。監督は「ヴァイブレータ」「やわらかい生活」の廣木隆一。 (映画com.等より)』

は: 。。。。。(・・?
ゆ: 。。。。。(-_-;)
は: 久々の無言始まり、これはちょっとトホホな感じが、現代風ライト時代劇なんでしょうか?
ゆ: 時代考証とか何とか言う以前の代物ですな。大体からなんで時代劇を沖縄でロケする(--〆)?
は: 純愛劇を無理矢理江戸時代にもっていった結果でございましょうか?
ゆ: キャッチコピーが現代版ロミオとジュリエットらしいですからな、時代劇を現代版と言い放つあたり分け分かりましぇん。にしてもどこが「ロミオとジュリエット」なんだか?原作知っとるのか、と小一時間(以下略。。。

は: 本作品にしても宇江佐真理様の原作がございますから、あながち脚本や演出だけの問題でもないのでしょうけれども。
ゆ: これが原作どおりなら、18年後のエピローグに至るまでどんだけご都合主義&恋愛至上主義なんだか。(*) 
は: 将軍家の嫡出子は自由行動しまくり、
ゆ: 山の女が将軍家の行列に乱入して手討ちにならんあの間抜けさは一体?
は: 自由恋愛を阻止すべく切腹される柄本明様も不憫でございます(-.-)。
ゆ: 目を充血させての熱演ご苦労でござった、にしても他に幾らでも手の打ちようがあったろうに(-_-;)。大体将軍家に一夫一妻制なんか関係無いし。。。

は: そのあたり、廣木隆一監督はどう考えておられたか、パンフレットから抜粋いたしますと、

「型に囚われて、これまでの時代劇と一緒になってしまうよりは、僕が観たいものを撮りました。(中略)だからといって、時代劇だからファンタジーで、荒唐無稽でいいのかっていうとそうではないですが、今を生きている僕らが時代劇を作るのなら、現代を反映した時代劇、歴史の中をどう生きてきたか、そして今があるということをやりたいと思いました。」

だそうでございます。
ゆ: 600円にしては豪華なパンフレットですな(嬉。てなことはさておき、モロに

「時代劇だからファンタジーで、荒唐無稽」

な感じがするのは私だけ?これだけ荒唐無稽にしちゃうと感情移入に困難を極めてしまいますよ、監督~(涙。

は: 奥様もそうもうされておられましたからあながちそうではございませんでしょう。まあ批判はこれくらいにしておいて、良いところも探しませんと。
ゆ: トホホな全体の流れはともかく、それぞれのカットでの廣木監督の演出は上手いし、俳優陣もそれなりに時代劇の作法をわきまえてきっちりと演技しておリますね。殺陣がほんものの時代劇に比べるとショボイのはまあご愛嬌でしょう。あと美術・カメラさんも頑張っており、映像は大変綺麗でした。
は: 雷に打たれ根本から折れた銀杏に桜が芽をつけた巨樹「雷桜」の出来栄えは見事でございました。
ゆ: 桜がそんなところに芽をつけるか?という疑問はともかく、CGで誤魔化さず実際に精魂込めて作成した美術さんには拍手ですね。作りものと丸分かりなのはまあご愛嬌でしょう。

は: 今日はご愛嬌が多うございますね(^_^;)。さて、いよいよ俳優陣の評価にまいりましょうか。
ゆ: 先ほども述べたように俳優陣は比較的しっかりした演技をしていると思います。蒼井優ちゃんと岡田将生君の乗馬も見事でしたし。
は: かなりの特訓を積んだようでございますね、パンフレットを拝見いたしますと。
ゆ: 優ちゃんは一度大落馬をして奇跡的に軽症で済んだ、とか言うエピソードをどこかで読んで心配しておりましたが、映画を見る限りそんな危うさを微塵も感じさせませんでしたね。
は: 蒼井様と岡田様の呼吸もぴったりでございましたね。
ゆ: 荒唐無稽なストーリーにもかかわらず、二人の恋愛感情が徐々に昂ぶってくる様をきっちりと描いていましたからね。優ちゃんもあそこまで露出するとは予想外でした(^_^;)。

は: そうは言っても清純派の域は超えていませんので過大な期待はされませんように(-.-)。と言うわけで蒼井優様の演技は今回も満点でございますか?
ゆ: そこなんだよね~問題は。喜怒哀楽を千の表情で表すのが彼女の持ち味だと思うんだけど、
は: 今回は役柄もあり「怒」と「哀」ばかりでございました。
ゆ: 単調になっちゃいましたね。演出も過度に気張らせている感じで一杯一杯で演技しすぎかなと。声を張り上げすぎて咽喉を痛めないかと心配なくらいでした。それにしても振袖が似合いませんでしたねえ(苦笑。
は: あれが役柄上そうしているのなら大した演出と演技力でございますね。
ゆ: いやあ、やっぱり細すぎるんじゃないでしょうかねえ。まあそれも含めてですが、今回は「」優としての魅力がスクリーンから伝わってこないのがもどかしかったですね。

は: と言うわけでございまして採点は大変難しゅうございますね。
ゆ: 今回は採点無し、ということで(^_^;)
は: そう言うわけにはまいりません(--〆)
ゆ: まあ、これからご覧になる方には、これはパラレルワールドの別世界の江戸時代なんだと割り切ってご覧になることをお勧めいたします。

はむちぃ: 55点
ゆうけい: 58点

* 注: 小説の方は秀逸な時代小説でしたm(__)m。