ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

The Imagine Project / Herbie Hancock

The Imagine Project
 説明不要の巨匠Herbie Hancockの新譜です。「イマジン・プロジェクト」と称して「平和と地球規模の責任」をアルバム・コンセプトとして世界各地でレコーディング及び映像収録がおこなわれたようで、サッカーW杯の影響もあってか特にアフリカ音楽が多くなっています。
 もうこうなると音楽活動と言うよりはSGIの布教活動ではないのか、と言う気さえしてきます。個人的にはピーガブの「So」で彼とケイト・ブッシュ姫がduetした超名曲「Don't Give Up」にそそられて買ってみました。「Possibilities」にせよ、「River: The Joni Letters」にせよ、そしてこのアルバムにせよ、ポップスファンのツボと言うか急所を心得ているなあと感じますね、さすが1980年代からジャズの枠組みを超えてヴァーサタイルな音楽をやり続けてきた巨人だけの事はあります。

1. Imagine featuring P!nk, Seal, India.Arie, Jeff Beck, Oumou Sangare 
2. Don't Give Up featuring P!nk, John Legend 
3. Tempo de Amor featuring CU 
4. Space Captain featuring Derek Trucks, Susan Tedeschi 
5. The Times They Are A Changin' featuring Lisa Hannigan, The Chieftains, Toumani Diabate 
6. La Tierra featuring Juanes 
7. Tamatant Tilay/Exodus featuring Tinariwen, Los Lobos, K'NAAN 
8. Tomorrow Never Knows featuring Dave Matthews 
9. A Change Is Gonna Come featuring James Morrison 
10. The Song Goes On featuring Chaka Khan, Wayne Shorter, Anoushka Shankar, Chitra 

『70歳を迎えたジャズ界の巨匠が放つ超話題作!
2010年4月12日に70歳の誕生日を迎えたジャズ界の巨匠ハービー・ハンコック。「イマジン・プロジェクト」と題された新作は、「平和と地球規模の責任」をアルバム・コンセプトとして、音楽ジャンルにとらわれない視点から人選されたミュージシャンが参加し、世界各地でレコーディングと映像のプロジェクトが同時に行われました。アルバムの監修にはラリー・クライン(ジョニ・ミッチェルなどを手がける)が、また映像監修にはアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞監督のアレックス・ギブニーが参画しています。とにかく、曲も参加アーティストも、話題性十分なスペシャル・アルバムといえる1枚となっています。このアルバムの米国発売(6月22日)にあわせ、ニューヨークの「ケアフュージョン・ジャズ・フェスティヴァル」開催期間中の6月24日に、バースデイ・コンサートの開催が予定されています。70歳を迎えてなおいっそう新しい試みに果敢に挑戦するジャズ・キーボーディストの第一人者の動きから今年も目が離せません。 (AMAZON日本盤解説より)』

 有名曲ではジョン・レノンの「Imagine」、ボブ・ディランの「The Times They Are A Changin'」、サム・クックの「A Change Is Gonna Come」あたりがこのプロジェクトの思想を反映した選曲なのでしょう、確かに参加ミュージシャンも頑張ってるし、ハービーのピアノはやはり透明な硬質感に溢れて美しいです。
 「Don't Give Up」を選んだ背景にはピーター・ガブリエル南アフリカの悲劇を歌った「Biko」をはじめとして早くからアフリカ音楽家と交流を持ち、支援して来たという背景があったのだと思います。この曲もよくできているしP!NKの歌唱も悪くはないけど、やっぱり母性と魔性の同居した、天から降ってくるような歌声のケイト・ブッシュ様には遠く及びませんね(苦笑。ジョン・レジェンドはよく頑張っている、かな。

 まあハービーも70歳だし、SGI路線が彼の生甲斐なら仕方ないけど、そろそろ初心に戻ったような吹っ切れたアルバムも聴いてみたいですね。